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「お金を使う罪悪感」に、“購入の言い訳”を用意してお客様の背中を押す方法

買い物でお金を使うことへの罪悪感。
買うのを思いとどまろうとするお客様に、背中を押して購入を決断してもらうためには、どのようなコミュニケーションが有効なのでしょうか?
ある健康食品の通販広告に、「商品の売上の一部を寄付」が載っていました。その意図と効果を考察します。

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
解説資料はこちら
 
 

フリーダイヤルの上に見つかった、「ある写真」

 

健康食品の広告の切り抜きを、パラパラと眺めてところ、ある「写真」に違和感を覚えて、手を止めてしまいました。

 

何かというと、アフリカの子どもの顔写真です。

 

載っていたのは、フリーペーパー1ページ広告の左下、フリーダイヤルのすぐ上の箇所。

 

 

「えっ、通販広告になぜ!?」と訝りながら、目に入ってきたのが、“○○○が子供の命を救います。”の小見出しです。

 

「何だろう?」とよく読んでみると、商品の売上の一部をアフリカの病院建設のために寄付している、ということ。

 

 

気になって、新聞など他の媒体に出稿されていたクリエイティブ数枚を調べたところ、どれも同様の記述が。
(※写真は無い場合もありました)

 

ということは・・・

 

「レスポンスに効果があるから!?」と勝手に想像しつつ、そういえば、「売上の一部を○○に寄付します」という販促、最近よく見るなぁ、などと考えておりました。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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「買ってもいいんだよ」という許しを与える

 

そんなときに思い出したのが、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの第一人者、神田昌典氏の著書、「60分間・企業ダントツ化プロジェクト」に書かれた言葉。

 

購入に伴う「罪悪感」です。

 

 

お金を使うことは多かれ少なかれ罪悪感を伴うもの。

 

同氏によると、その罪悪感を払拭して、購買行動を「正当化」してあげるのが大事

 

「『買ってもいいんだよ』という許しを、顧客に与えられるかどうか」が購入にあたっての鍵となる、というのです。

 

 

効果的な例とされているのは、以下の表現。

 

・「いままでがんばってきた自分へのご褒美です」といった過去へのねぎらい

・「あなただけのためではありません。家族の喜ぶ顔を想像してみてください」といった家族にとっての価値

・「みんな買ってます」を強調するお客様の声

 

その他にも、社会貢献性、節税効果、環境保全などがあげられ、躊躇するお客様の「背中を押してあげる」効果があるとされます。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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“家族”“社会貢献”“プレゼント”etc で背中を押す

 

これを読んで、改めて各社の広告を読み返してみると・・・

 

気づいたのが、“家族”の登場するエピソードが多いことです。

 

 

体験談で見られるのが、「娘と一緒に使ってます」や「夫も喜んでくれました」「息子からも、お母さんキレイになったねとほめられて」など。

 

家族にも買い物を認めてもらっているケースを選ぶことで、「買っても大丈夫」という“言い訳”を用意してあげようという狙いでしょう。

 

 

また面白かったのは、健康食品の新聞全15段広告(11月23日)にあった、「勤労感謝のお祝いに!!」という文言です。

 

添えられていたのは、「家族や自らのねぎらいとして健康にも着目してみてはいかがだろうか。」という言葉
「プレゼントとしてなら」「自分へのご褒美だから」と「買ってよい理由」を用意してあげる意図でしょうか。

 

 

冒頭の「寄付」の事例も、「買いたい!でも、本当に効くのかな?」と迷った場合には、効力を発揮するのかもしれません。

 

「このお金で、恵まれない子どもが救われるなら」と思い切って注文する方も、特にお年寄りにはいるのでしょう。

 

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“寄付付き商品”が利益を生む!?

 

ちなみに冒頭の事例のような、「商品を購入すると、その収益の一部が社会貢献に使われる」という販促手法。

 

最近ではコーズ・マーケティングと呼ばれ、注目されています。

 

 

米国ではアメリカン・エキスプレス社が、ユーザーがカードを1回利用するごとに、「自由の女神」の修復のために1セントを、寄付するというキャンペーンを展開。

 

3ヶ月で170万ドルを集めただけでなく、新規ユーザーが45%増、利用回数が28%増という結果を出して、注目を浴びました

 

 

「ボルヴィックを1L買うと、10Lのキレイな水がアフリカに」という、「1L for 10L」キャンペーンなら、最近なので覚えがある方もいらっしゃるでしょうか。

 

 

日本の通販業界でも、ディノス社が商品お買い上げ1点ごとにポリオワクチン1人分相当を寄付するカタログを発行するなど、導入事例が増えています。

 

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「価格が1割増しでも買う」という消費者も

 

あるアンケート調査によると、「地球環境に配慮した商品や、売上の一部が寄付にまわされる商品を購入したことがある消費者は、約5割にのぼる」ということ。
(参考:慶應義塾大学とNTTレゾナント株式会社の共同調査

 

「一般の商品と比べて価格が多少高くても購入したい」という消費者も多く、50代以上だと「1割増し程度までなら買いたい」と答えた方が、49.3%もいるそうです。

 

 

上記はアンケート調査なので、実際の購買行動にはどこまで反映されるかはわかりませんが・・・

 

オファーの価格を、たった数百円上げるだけで、反応率が大きく変わってしまうこともあるのが、通販広告。

 

競合商品と迷ったお客様が、
「○○(自社)は少し高いけど・・・でも、このお金が社会に有意義に使われるなら、○○を選ぼう」
ともし思ってもらえるなら、単なる「慈善」ではなく、費用対効果としても優れた施策になるかもしれませんね。
 
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