ECサイト・ネットショップを運営している会社にとって、地味ながらも重要なのがカスタマーサポート。
「現場に任せたいけど、任せきれない」とお悩みの経営者・事業責任者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
カスタマーサポートをスタッフや外注先に安心して任せるために重要な考え方や、問合せ管理ツール・メール共有システム導入による成功事例などお伝えします。
目次
カスタマーサポートを手放せない経営者の特徴
年商数千万円など規模の小さなECサイト・ネットショップでは、カスタマーサポートの責任者を経営者が兼任している例が少なくありません。
「現場に任せたいけど、任せきれない」そんな経営者や事業責任者の方にお話しを聞くと、次の理由が多く挙がりました。
ロイヤル顧客には、心のこもった対応をしたい
何度もリピート購入して売上を支えてくださるロイヤル顧客に連絡するときには、心のこもったメールや電話などで日々の感謝を伝えたいものです。
ところがスタッフや外注先に任せると、どうしてもテンプレートやマニュアルどおりの杓子定規な対応になってしまい、ロイヤル顧客の心が離れていってしまいかねません。
そのため、特別なお客様は経営者自らメールや電話をすることが多いようです。
クレームや苦情のリスクが怖い
今度は逆に、過去にクレームや苦情があった“難しい”お客様。
同じようにスタッフや外注先が背景を知らずに対応すると、「この前と話が違う・・」「連絡したのに、返信が遅い!」と怒られてしまいかねません。
そのため、クレームや苦情が懸念されるお客様には、経営者自らが優先的に対応をする場合が多いようです。
自分で対応した方が早い
問合せ対応は、意外と複雑です。
物流や決済、ショップの運用ルールなど自社の販売の仕組みをすべて理解していないと答えられないこともしばしば。
したがって、「結局スタッフに質問される」「アルバイトが多いので任せられない」「ルールがあいまいなままの方が運用がラク」などの理由から、「自分がやったほうが早い」と経営者自身がメールに返信するケールも多いようです。
経営者が顧客対応を率先すると起こる、5つのデメリット
このように経営者や事業責任者の方がカスタマーサポートを統括したり、自らも顧客対応を兼任したりすれば、もちろん業務はスムーズに回るでしょう。
一方、それによってたくさんのものを失っていることに、気づいているでしょうか?
デメリット1:問い合わせ対応の属人化
イレギュラーな問い合わせは経営者が引き取って対応していると、経営者が出張や休暇などで不在にしにくくなってしまいます。
「経営者がいないと回らない」と属人化が進んでしまいます。
デメリット2:スタッフが成長しない
マニュアル外での対応が必要な局面で自ら判断して行動する機会が、スタッフにとって失われてしまうため、成長が阻害されてしまいます。
「このお客様は、経営者に対応をお願いしよう」となってしまい、依存心が生まれてしまいます。
デメリット3:業務工数が増えてしまう
経営者がスタッフに外出先から遠隔で指示出しをしていると、メールや電話、チャットやLINEなどコミュニケーションが煩雑になってしまいます。
スタッフ・経営者ともに、対応時間が増えてしまいます。
デメリット4:アウトソースもできない
社内でさえ切り離せないので、外注先に任せることはさらに難しくなってしまいます。
マーケティングが成功してお客様が増えても、カスタマーサポートが足かせになって事業の拡大ができなくなってしまいます。
デメリット5:経営やマーケティングにあてる時間
カスタマーサポートに時間をとられると、「経営」や「マーケティング」など、経営者が本来取り組むべき重要なテーマに、時間を割きにくくなってしまいます。
このように経営者が顧客対応をしていると、「任せられないから、スタッフが育たない」「売上が上がらないから、大事なお客様を失うと怖い」という悪循環が起こってしまいます。
結局は「経営者が対応せざるをえない」状態が続いてしまうのです。
問合せ管理システム導入による、マネジメントの成功事例
とは言っても、日々発生する問合せ対応を、いきなりスタッフだけに任せるのは難しいものです。
そこで有効なのがツールやシステムを活用して、経営者が確認・指示すべき点だけは押さえて、あとはスタッフの日々の業務をモニタリングできる仕組みをつくること。
メール共有システムを活用して、カスタマーサポートのマネジメントを上手に行えるようになった、ネットショップ・ECサイトの事例をご紹介します。
事例1:スタッフのミスがなくなった
対応漏れや二重返信などのミスがなくなった事例です。
まず、対応漏れ、二重返信といったミスが一切なくなったことですね!最初、仕組みを聞いた時も、「これはスゴイ!」と思いましたが、実際にほぼゼロ件にすることが出来ました。「◯◯様のまま送信してしまう」といった信頼関係に関わる誤送信が多発していたのですが、メール共有システムを導入してからほぼゼロにすることが出来ました。
事例2:マネジメントがしやすくなった
スタッフごとの処理スピードや正確性が、データで測れるようになった事例です。
各スタッフのメール返信所要時間や件数・ミス率等がすぐに分かるようになったのと、難しい問合せ内容の判断の仕方をしっかりと伝えられるようになったので、成長を促すためのマネジメントがとてもしやすくなりました。
事例3:スタッフの教育や採用を計画的にできるように
事例1や2に載せたメリットにともない、スタッフの能力開発や新規採用が計画的に行えるようになった事例です。
一番はメール対応、顧客対応の時間がざっと考えても1/3以下になりました。また、メール返信のミスやモレが解消されました!そして、ミスがなくった以上によかったことは、スタッフによっての処理量が管理画面で確認できたことです。導入した頃、ちょうど対応するスタッフの人数が増えていたのですが、管理画面(分析機能)を見れば個々の仕事処理量やレベルが分かるので、適切なマネジメントができるようになり、スタッフのレベル向上や採用計画が立てられるようになりました。
(美容通販企業 A社様)
その他にも、「クレームが減った」「業務工数が減った」「顧客対応の基準が、スタッフ間で統一された」といった声が届いています。
問い合わせ管理・メール共有システムの嬉しい機能3つ
メール対応システムの導入によって、なぜこのような変化が生まれたのでしょうか?
システムの機能を活用して、マネジメントを円滑に行えているからです。
機能1:承認権限
お客様に送信するメールごとに、承認権限を設定できます。
スタッフが一度作ったメールを経営者が確認して、問題なければ経営者が承認ボタンを押せば、メールが自動的に送信されます。
そのため、返信メールの作成をスタッフに安心して任せられますし、社内での確認のやりとりによる時間差も少なくなるので、「自分が対応した方が早い」という状態から脱却できます。
機能2:メール単位でのコミュニケーション
これまでは、社内ではメールやチャットで確認のやりとりが煩雑になっていました。
このメールやチャットでのやりとりをシステム上で一元化するため、問い合わせのメールに紐づけて、コメントを付けたり質問をしたりできるようになりました。
これによって、社内でのコミュニケーションがストレスなく円滑に行えるようになります。
システムの導入によって、社内連携にかかる時間が10分の1になったという通販企業もありました。
機能3:数字の見える化
問い合わせ対応にかかった時間や、メールの送信件数など「数字」がレポートで簡単に出力されます。
受電から対応完了までの時間
メール送信の件数
オペレーターごとの対応時間
このように対応スピードや成果・工数を定量的に把握できると、人員を適切に配置したり、スタッフのレベル差によって教育をしたりなど、マネジメント上の判断をしやすくなります。
最後に:お客様を大切に想う経営者をサポートしたい
これまで、カスタマーサポートを手放せない問題点とメール対応システムの導入による成功事例、マネジメントを支える機能について解説してきました。
お客様を大切に思う経営者ほど、カスタマーサポートは重視されるもの。
カスタマーサポートの充実が売上アップにつながっている事例などもご紹介していく予定なので、楽しみにしていてくださいね。