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お試しからの「引き上げ」、秘訣は「迷わせない」設計?

健康食品や化粧品などでは、「無料サンプル」や「トライアルセット」などお試し商品を用意する会社が多くあります。
今回の事例研究では、CRM施策が上手と言われる通販会社の商品を購入して、DMや同梱物、アウトバウンドなどを調査。
お試し商品を買った顧客に、本商品や定期コースでの購入を促す「引き上げ」と呼ばれるマーケティング手法の事例をまとめました。

お薦めする商品

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購入を検討するときに生じる「不安」と「迷い」

 

商品を買おうかと検討しているお客様には、さまざまな不安があるはずです。
「この商品でいいのかな?」「他のところで買うともっと安いかも?」「本当に効果があるの?」等々。
そんなときにどのように情報を与えていけば、お客様は不安を乗り越えて購入に至ってくれるのでしょうか?

 

はじめに、ある美容サプリメントのトライアル商品を購入すると同梱されてきたカタログの事例をご紹介します。
以下の価格表をご覧ください。

 

※単品でと注文の場合、初回のみ送料無料。2回目以降は、ご購入金額が3000円未満の場合は送料300円が必要になります。

※単品でと注文の場合、初回のみ送料無料。2回目以降は、ご購入金額が3000円未満の場合は送料300円が必要になります。

 

商品を買おうと思ってこの価格表を見たお客様からは、どのように感じられるのでしょう?

 

「まとめて買った方が得になるかな」
「やっぱり定期コースにしようか?」
「でもそんなに食べられるかな?」…。

 

自分にとって合った袋数やコースを選ぼうと考えをめぐらせます。
でもすぐには結論が出なかったとすると…そのまま、購入を先延ばししてしまうかもしれません。

 

買おうかどうか?が頭のなかを駆け巡っているときに、「この商品がお買い得」「○%OFF」「もっとおススメは定期コース」などいろいろな情報を与えられると…生じるのが「迷い」です。

 

この迷いは、購入の決断にどのような影響を及ぼすのでしょう?

 

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おいしいチャンスが複数あると、「先延ばし」に…

 

これは心理学でも既に実証されているのですが、自分にとって良いと思える選択肢がいくつかあると、人は行動を先延ばしにしてしまう、という傾向が知られています。

 

以下の実験をご覧ください。

 

音楽プレーヤーを探している人たちがいます。
初めの条件では、通りかかったお店に、人気のあるソニー製品がバーゲンで16,000円の安値が飾られていたのを発見。
すると、3分の2が「購入する」と回答しました。

 

次に条件を変えます。
16,000円のソニー製品に加えて、サムソン製品(ソニー製品より品質が上位)が26,000円で展示されています。
この時点で選択肢が1つから2つに増えていますが、回答はどのように変わるでしょう?

 

結果は、サムソン製品を買うと答えたのは4分の1。
一方、ソニー製品も4分の1に。
残りの半分はというと…「他のモデルについても調べる」ということで、購入を先延ばししてしまいました。

 

つまり、選択肢が増えることによって、全体として購入した人が3分の2から半分へと減ってしまったのです。
(出典:「経済は感情で動く」マッテオ・モッテルリーニ)

 

不思議な現象ですね。
つまりチャンスが1つではなく2つになると、他にもおいしい機会があるかもしれないので逃してはいけないと、判断を先延ばしにする傾向が強まるのです。

 
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健康食品、無料サンプル後のDMから分かったこと

 

ある健康食品の無料サンプルを請求した後、45日間の間に3回の顧客接触がありました。

 

4月6日に電話注文してから1週間後にサンプルが到着。
その後、4月30日(24日後)、5月20日(44日後)と、それぞれハガキ型のDMが届きました
一連の流れを体験するなかで、先延ばしをさせないための工夫が上手だなと思った特徴を紹介します。

 

 

特長1:お薦めする商品は1つ

 

初めに気づいたのが、合計3回の同梱物・DMに載っているのが一貫して、請求したサンプルと同じ「雑穀米」ということです。
この会社が展開している商材カテゴリは他にもありますが、他カテゴリの商品は登場していません。

 

お薦めする商品

 

 

特長2:期間限定の割引

 

次に、期間限定の特典が3回とも設定されているのですが、その期間が短いことです。
1回目は「このご案内が届いて7日以内にご注文のお客様へ、3小袋プレゼント」。
2・3回目とも、同様のオファー(10日間限定)が続きます。

 

案内を見たお客様は、「今買うか?それとも買わないか?」の決断を迫られるため、先延ばしをしにくくなっています。

 

 

特長3:お客様や生産者の声を多用

 

最後に、お客様が購入にあたって障害になりそうな点を先回りして何度もフォローしてあげている点です。

 

「無農薬で栽培された、国内産の穀物を使っている」というメッセージが3回ともに登場。
生産者の写真、ときにはメッセージ付きで、安心を訴えられます。

 

さらに2回目のDMには雑穀米を食べている家庭のレポート、3回目にはお客様の声と満足度アンケートで、「みんな使っている」ことを示すなど、初めてのお客様の不安を取り除いてあげるための工夫がたくさん詰まっています。

 

 

リピート通販24社の調査から見えた引き上げ設計

 

当社では、化粧品・健康食品中心に通販24社の商品を実際に購入して調査を実施。
DMやアウトバウンドなどどのような販促策が実際にあるのか半年以上にわたって調べました。

 

そこから見つかったのが、本商品購入に向けて、お客様を「迷わせない」のが上手な設計の数々です。

 

広告の役割は、「初回限定価格」や「送料無料」などで“低リスク”を強調して、まずは手を上げてもらうこと。
広告に反応したお客様は、「商品をほしい」という「欲求」は十分にもっている状態ですが、一方、次はお客様にも価格というリスクをとってもらわないと、収益を回収できません。

 

“購入までのハードル”をお客様に乗り越えてもらうために禁物なのが「迷い」
それがなくなれば、あとは背中を押してあげることで、購入判断がスムーズに流れるようになります。

 

私たちの調査のなかで浮かび上がったのが、①選択肢を絞る、②希少性の利用、③障害を取り除く、の3つのポイント。
以下のページでこれらを順番に説明しています。

 

1:「迷わせない」ために-(1)選択肢を絞る
2:「迷わせない」ために-(2)希少性の利用
3:「迷わせない」ために-(3)障害を取り除く
 
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