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「お友達が紹介してくれたんです」は、狙って起こせる?(後編)ー特典を充実させるほど、紹介してもらえるようになる?

前編に続いて、お客様にどのようなメッセージを発信すれば、紹介が生まれやすくなるのでしょう?
すぐに思い浮かぶのは、紹介による特典を充実させること。ある健康食品を購入したときに、同梱されたチラシに載った文言です。

出典・図表参考:「その顧客満足度調査はホントに役に立っているのか?真の顧客志向を目指す『NPS』という指標」

300社以上の支援実績からロイヤル顧客を育てる方法をわかりやすくまとめました。
解説資料はこちら
 
 

お友達紹介キャンペーンの、意外な結果

 

お友達紹介キャンペーンでは通常は、紹介したお客様とお友達、両方にプレゼントを差し上げる仕組みがあります。

 

◆特典満載!あなたのお友達をご紹介ください!
<あなたに>お友達が○○○(商品名)を購入すると、もれなくもらえる○○円分ギフトカード
<お友達に>○○(商品名)購入で、もれなくもらえる「○○ギフト」

 

 

ところが、このような“お友達紹介キャンペーン”によって、「逆に紹介が減ったことがあった」「インセンティブをつけてもつけなくても、紹介件数が変わらなかった」という話も複数の通販会社から聞かれます。

 

広告では、オファーの特典を充実させるほど、レスポンスは高まりやすいもの。
お友達紹介では、どうしてこのような結果が生まれたのでしょう?

 

ダイレクトマーケティングの大家、神田昌典氏による、口コミの発生メカニズムについての実践研究では、以下のように紹介されています。

 

あなたもよく見かける紹介キャンペーンは、「お友達をご紹介ください」というキャッチフレーズを使っている。
その内容は、典型的には、「お友達をご紹介くださったあなたには○○を、お友達には○○を差し上げます」というものだ。
分かりやすく言い換えると、「あなたに賄賂を渡すから、友達を売り渡しなさい」ということだ。
「口コミ伝染病」(神田昌典・ダイヤモンド社))

 

お客様の心に、景品につられて“お友達を売る”という意識が浮かんでしまうと、それが自然な紹介を生みにくくすることがある、というのです。

 

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「十字軍結成型」キャンペーンの成否

 

では、どうすれば紹介が生まれやすくなるのでしょう?
解決策の一つは、「大義名分」を強調することです。

 

DMや商品に同梱される「お友達紹介ツール」に多いのは、「これでもか!」というくらいに特典が強調されるもの。

 

これだけでは、紹介するお客様も「友達を売った」という感覚になってしまいます
もちろん、景品を渡してはダメなのではありません。

 

ただ、同じ景品をつけるにしても、景品をもらうのが目的なのか?
お友達を救ってあげるのをメインに先に伝えるのか?で、お客様のモチベーションも変わってくるのです。

 

 

上述の本「口コミ伝染病」で紹介されていた、健康食品会社で成功している、お友達紹介の事例を紹介しましょう。

 

「塩素の水を飲んでいるお友達に 『サンゴの力』を教えてあげませんか?」

 

この「サンゴの力」とは、健康食品。水道水をおいしい水に変える粉末です。

 

お客様とこの会社とで共有されているのが、塩素を含む水道水は“健康に悪い水”、つまり“敵”という設定。
その敵から友達を救うという崇高なる行為が、この「塩素の水からお友達を救ってあげよう」キャンペーンに参加すること、という意識になるのです。

 

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「 抜け駆け」「ずるい」を起こさないために

 

また、何かをもらうとなると女性の心に浮かんでしまいがちなのが、「あなただけずるい!」「抜け駆けなんて…」というような感情でしょう。

 

それらをあらかじめ牽制するためか、「お二人にオリジナル○○をプレゼント」と表示する例もあります。
また、お客様自身にも紹介したお友達にも「○○円お得になるキャンペーン」など二人揃ってお得になることを強調したり、なかには紹介されたお客様に景品を厚くする事例も見つかります。

 

 

今回の特集を構想しながら、通販に携わる先輩方から伺った言葉を思い出したので、最後に紹介いたします。

 

「お客様と会社の“距離が近い”とき、紹介が生まれやすい」
「紹介は大事だけど、普段は意識していない短期的に追うのではなく、結果論として出るものだから」
「個々の施策というよりは、会社のミッションを社員全体に浸透させることが大事」・・

 

「Aという施策を行ったら、Bという結果が出る」というわかりやすい原理が働くレスポンス広告とは異なり、お友達紹介を増やすのは、なかなか一筋縄ではいかなさそうです。

 

通販業界でも方法論の確立が途上のなか、これからも面白い事例が見つかったら報告してまいります。

 

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コラム: 口コミの起こりやすさは、NPSで測れる?

 

明確な数値では計測しづらいお友達紹介ですが、口コミの発生しやすさは、NPS(ネット・プロモーターズ・スコア)という指標によって定量的に測定できるかもしれません。
NPSとは、「この会社(製品やサービス)を友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか?」という質問を10段階で顧客に投げかけたうえで、「推奨者」と「批判者」の比率をはかるというもの。

 

米国では大手企業も含めた導入結果から、業績と相関関係が認められるとして、近年日本でも導入が進んでいます
ご興味ある方は、「ネット・プロモーター経営」(フレッド・ライクヘルドほか)という書籍に詳述されているので、ご覧ください。

 

出典・図表参考:「その顧客満足度調査はホントに役に立っているのか?真の顧客志向を目指す『NPS』という指標」

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