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とにかく正直であること ーCRMをどんなに実践しても、リピートが増えないときに vol.2ー

ロイヤル顧客から熱狂的な支持を集める通販会社に共通して見える企業姿勢。
2つ目は、「正直な姿勢」です。かつてないほど、多数の通販広告が氾濫する時代。
成分や安全について、お客様の疑問や不安の声が多く聞かれます。

自社が得にならないことに、あえて取り組む

「今は浮気心がないんです」

 

そんななか、

 

「ある成分については、堂々と『中国産』と明記していたので、逆に安心しました」
(50歳/東京都/世帯年収1000~1200万円)

 

「悪い声も載せている会社の方が安心できます」
「企業ホームページで社長さんの紹介の文章が信頼できました。
どうして、そういう成分を使っているのか、正直に書かれていた。」
(59歳/東京都三鷹市/世帯年収1000~1200万円)

 

など、「正直」な情報公開が定期購入につながっている事例は多く見られます。

 

<ケース2:清水 久美子さま>
「この会社の無添加化粧品は、10年来愛用しています。
製品が私の肌に合ったのはもちろんですが、社長さんの気持ちが伝わってきて、信用できる会社と思ったことも、続けている理由です。
この化粧品が製造を委託している会社が、原料の産地を偽造していた事件があったのですが、そのときの対応が素晴らしかったんです。
委託会社を責めるわけではないし、社長自ら報告をして謝っていました。
顧客の声を聞いて利益よりも顧客に還元する姿勢が変わらないことがいまどき珍しいと思う。
サプリメントも、4年前にこの会社の製品に切り替えました。

 

(なぜ選んだのか?という質問に)
成分の明記と会社の姿勢がみえるので、信頼できるんです。
食品も無添加・無農薬だし、たまに宅配を利用しています。
他社の健康食品も買っていたときは、「他のメーカーもあるから、いいや」と思うこともあったけど、今は浮気心がないんです。
自分に合ったものを、また一から探すのも労力だし、不満があっても、この会社は意見すれば聞いてくれますし。」

 

前々回でも記載したとおり、「C社は自然派と言っているけど、成分を見ると100%ではないんです」など、“隠す”姿勢に不審を抱く声は、口々に聞かれました。
広告を見て期待して買ったものの、「がっかりした」という体験をもつお客様が、増えているからでしょうか。

 

一度確立された信頼が、他社へのスイッチングへの“心理的な障壁”として強く働いているならば、「良いことも悪いことも、包み隠さず打ち明ける」。
そんな態度が、利益を最大化するうえでも有効に機能するのかもしれません。

 

 

「不満も、正直に言える関係」とは?

 

先ほどの段落で紹介したお客様が、最後に述べていたのが、「不満を意見できる」でした。上述の清水さんは述べています。

 

「お客様感謝の座談会に招待されて、参加しました。ホテルの会場で食事をしたり、美容部員がテーブルを周って使い方を説明してくれたり、最後にはお土産ももらえて満足だったのですが、一番印象に残ったのは、社長がテーブルを回ってくれたんですね。
意見できる環境が整っていて、自分たちの意見を受け止めてくれるんです。
普段から、おかしいと思ったら意見できるし、「お客様の意見で変更しました」と報告もある。
会社は急成長しているけど、いまだこの会は続いているみたいで、そういうのも素敵です。」
(43歳/東京都江東区/世帯年収600~700万円)

 

長年の付き合いになると、どうしても会社の納得できない態度も見えるもの。そんなときに、「気に食わないことは意見する。すると、意見したら聞いてくれます。」というように、お客様からの意見を吸い上げる仕組みが整っていることで、さらに愛着が高まるケースもあります。

 

自社が得にならないことに、あえて取り組む

 

「イヤだなということや、不安に思っていることを言えるんですね。
10年間のなかで、「値段が高い」や「商品の使い心地が悪い」とかも正直に言える関係です。
そういう風に、人として話しやすいのが、大事なんだなって思っています。それに、どんな方に電話が繋がっても嫌な思いをしたことがないんです。
はじめは無料サンプルを注文したんですけど、そこから押し売りされたこともなくて。
会社の体制が、しっかり一貫しているんだなと。」
(54歳/東京都杉並区/世帯年収1,500~2,000万円)

 

「人として話しやすい」や「こちらから電話をかけたくなる」なかには、「たまには電話もほしいと思う」といったように、売り手との会話をお客様の側から望んでもらえるように、お客様の気持ちを上手に引き出している会社があります。

 

<ケース3:青島 かおりさま>
(定期購入している化粧品の)使い方は、初めに電話で説明してもらったけど、送られてくる美容情報も参考にしています。
会報誌や壁新聞、体験談集など届きますが、読むのは好きですよ。
『これ使っているとこんなに若々しく見えるのかしら?』という気分になりますし。

 

後で知ったのですが、地方から立ち上げたんでしょう。
素朴な感じがして、一つひとつ丁寧に作っている気がしています。
この会社の人とは会ったことはないのですが、距離が近く感じます。
方言があって、全国的に対応するにはよくないと思ったけど、一生懸命さが伝わってきました。

 

押し売りされると引いてしまうけど、そういうことは一切なく、3ヶ月おきや、お休みしたいなど、こちらの要望をすべて聞き入れてくれるのがいいです。
それに、定期的にはちみつの飴やジャム、お米などをプレゼントしてくれるんです。
こちらが忘れていても、しっかり気にしてくれているんだと嬉しいですね。

 

地方から積極的に大きくなっていって、使ってる側としても嬉しいです。
社長さんが、新聞でも著名な方と対談している記事もこの前読んで、信頼感を持っています。
お手紙もいただいて、読んでいますよ。
でも、紙だけじゃなく、たまには電話もほしいかしら。
初めてのセールスの電話は嫌だけど、使っているところならまったく問題ないです。

 

 

終わりに:売り方の“方程式”が通用しにくくなる時代に

 

自社の利益に一見反するようなことや、多少手間がかかるようなことでも、お客様のためになるなら進んで行う。
このようにうわべだけでない「お客様第一」の姿勢が、ロイヤル顧客の育成に大きく貢献していることが、これまで解説してきた事例から読み取れます。

 

もちろん、限られた人数で、短期的な数字も追い求めなければいけない販売現場では、実践するのはなかなか難しいこともあると思います。

 

一方、テレマーケティングやD M・会報誌などC R Mの方法論が普及している今、CRM施策の成否を分けるのは、オペレータなどお客様との接点にいる一人ひとりの対応や、その背景にある“教育”や“企業文化”へと移行し始めつつあるのかもしれない。

 

そんなことを考えさせられたインタビューでした。

 

冒頭であげた3つのキーワードのうち、今回取り上げたのは2つ。
3つめの「周辺情報を伝える」は、次回紹介させていただきます。

 

どうぞお楽しみにください!

 

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