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“限定慣れ”したお客様の心を動かす、「スマートな緊急性」の作り方

「12月▲日まで限定!50%OFF」や「先着100名様限定、1980円」といった期間限定の割引、よく見られますね。
これらの限定オファー、数多くの企業が広告やDMなどでうたっているために、お客様も慣れてしまい、ひと頃よりは効果的でなくなっているかもしれません。
「スマートな緊急性」を演出して、説得力がある限定オファーの作り方を探りました。

チラシ広告で優良顧客を獲得するための方法を分かりやすくまとめました。
解説資料はこちら
 
 

「あなたの買い物で、1人が救われる」が、購入のひと押しに!?

 

ある女性向け総合通販のカタログ、クリスマス向け商品ばかりが載った特別号です。

 

「あなたが起こす、小さな奇跡」。

 

表紙をめくった最初の見開きで目に入ったキャッチコピーに、少し驚いてしまいました。

 

商品のベネフィットも、お客様の気にかけている悩みも書かれていない、通販にはめずらしいコピーです。

 

 

読み進めてみると、

「あなたが商品を1点お買い上げくださるたび、ポリオワクチン1人分相当額が寄付として届けられます。」
「皆さまのお気持ちが、暖かいプレゼントになっています。」

 

クリスマスは、欧米ではチャリティの気運が高まる時期。
日本でも12月には、ボーナス・シーズンと相まって、NGO/NPOへの寄付がぐんと増えます。

 

そんなときに、
「気に入った商品を買うことが、社会貢献にもつながる!」
と脳裏に浮かんだとしたら、「クリスマスまで」という自然な限定も合わせて、迷ったときの「購入の決断へのひと押し」
になるかもしれません。

 

これまで3年間、継続している取り組みとのことです。

 

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その「限定」「割引」、本当に効いてますか?

 

これまで通販広告で伝統的に使われてきたオファーが、期間や数量の限定による、「割引」や「特典」です。

 

・12月▲日まで限定!50%OFF
・先着100名様限定、1,980円

 

「今買わないと!」と迫るアプローチですが、最近とみに抱くのは、これらの文句に、お客様が想像以上に飽き飽きしているのでは?
という感覚です。

 

「使っている途中に「○日以内にご注文頂ければ割引します」というDMが届いても、注文したりはしないですよ。
焦って注文するくらいなら定価で購入する。
どうせ後で連絡来るのも知ってますし。」

 

(54歳/東京都立川市/世帯年収1000万~1200万円
化粧品・健康食品通販「ロイヤル顧客インタビュー」より)

 

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“限定慣れ”してしまったお客様の心をつかまえるために

 

これまで幾千もの通販広告で限定がうたわれているため、“限定慣れ”してしまっているお客様は増えているのでしょう。

 

さらに・・・

 

「無料サンプルを申し込んだ後、電話をもらって、『定期コースで買えば、5%OFFで期限が迫ってきていますから』と言われて買ったんです。
でも、また送られてきたチラシを見たら、『5%OFF』ってあって、期間限定ではなかったみたい。

 

『説明してほしい』と電話もしたんですけど、信じられないですよね。
これからはちょっと・・って。」
(54歳/東京都練馬区/世帯年収700万~800万円、同インタビューより)

 

このように、「限定」への不信感を募らせるお客様が生まれつつあるのも、否めません。

 

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“スマートな緊急性”を演出するとは?

 

そこで、この「限定」を効果的に使うために大事になるのが、「スマートな緊急性」すなわち、
“今ここで買わなければならない理由”です。

 

こちらの記事で、その根拠として紹介されているのは、社会心理学の教授ハワード・レヴェンサル氏の論文で紹介された実験。

 

・A:今すぐインフルエンザ予防注射をしなければいけない

 

このように伝えても、余裕がなかったりして、ついつい後回しにされてしまいがちです。

 

・B:インフルエンザにかかってしまったら、熱が出て外に出られなくなる。
最低でも1週間は外に出られなくなって仕事に穴が空いてしまう。
今インフルエンザが流行っているので、今すぐに予防注射に行っておいて下さい。

 

と情報を付加したとき、BはAと比べて、注射をすぐに受けにいく人の割合が25%も上がったそうです。

 

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「緊急性」が、無意識に脳内でブロックされてしまう理由

 

上述の記事によると・・・

 

「もし、未来を予測するために十分な情報を与えられていなければ、人は、未来の結果を左右する“緊急”の情報を無意識にブロックしようとする。」

 

「『ただ多く売りたいから』という動機だけで、その理由をでっち上げたとしても、その下心はお客様にばれている」

 

つまり、「なぜ緊急なのか?」「なぜ限定なのか?」の合理的で説得力のある理由の有無によって、メッセージの届きやすさが、大きく左右されてしまうのです。

 

その理由として、これまでもよく用いられてきたのが、「商品の生産が、限られていること」ですね。
ある化粧品のDMのコピーからです。

 

「大変申し訳ございません!お一人様3本までとさせて下さい!
(中略)今年の春、期間限定、数量限定で販売をさせて頂きました『一度使うとやめられない○○美容液』ですが、
ご用意いたしておりました限定数はすべて完売となり、(後略)」

 

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“社会貢献”と連動したオファーは、売上アップに結びつく!?

 

もう1つ、「スマートな緊急性」として活用できるかもしれないのが、冒頭の事例のような“社会貢献との連動”です。

 

ボルヴィック社が、「1L for 10L」(=1リットル分の商品を買ったらアフリカに10リットルの安全な水を贈ります)というキャンペーンを行い、前年度比1.34倍以上の売上アップを達成したのは有名な話。

 

日本の通販でも、このような「コーズ・マーケティング」と呼ばれる手法を売上アップにつなげている企業が増えてきています。(参考記事

 

私はNPOのマーケティング支援も行っていますが、

「○月○日までに購入いただいた売上の○%は、△△△に寄付します。皆さんの力で、被災地の子どもたちに~~を!」

 

といった、東日本大震災へのチャリティ商品やイベントの事例も、特に3.11以降に増えています。

 

 

もちろん、社会貢献との連動については、ターゲットとする顧客層によってなど、効果的ではないケースも多いかもしれません。

 

一方、通販広告に慣れて“限定飽き”しているお客様に、緊急性をもって行動してもらうためには?を考えるうえで、1つのヒントになるかもしれない!?と、お届けいたしました。
 
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