チラシや広告で、顧客の背中を最後にポンと押す、割引や特典といった“オファー”。
オファーの変更は広告原稿だけでなく商品の価格や、同梱する特典や手紙、コールセンターの対応までの広範囲を変更する必要があるため、広告ご担当者からは「オファーのA/Bテストは負担が大きい」といった声が聞かれます。
今回はオファーの内容ではなく、オファーの見せ方を変えることでCPRを改善した事例をお届けします。
目次
後回しになりがちな、「オファー」のテスト。見せ方を変えるだけなら・・?
原稿のテストをする上で、一番後回しになりがちなのが、「オファー」(=チラシや掲載原稿内で商品金額や特典を提示する部分)のテストではないでしょうか?
オファー内容を変えた原稿で、A/Bテストをするのは、原稿を2種類用意するという手間以外にも、負担が大きく二の足を踏んでしまうもの。
オファーごとに、電話オペレーターさんが案内するトークや、商品と同送する冊子やクーポンの内容の変更が必要になり、オペレーションも煩雑になりがちです。
今回は、そんな時にまず試してほしい「オファーの見せ方」に関する事例です。
「見せ方」を変えて、レスポンスアップにつながったテスト事例をご紹介します。
◆今回の事例
●クライアント:通信販売の化粧品企業
●オファー内容:約2週間分のトライアル/1,000円
初回は高級感を崩さないオファーデザインに
初回のテストでは、まず原稿のテストをするべく、キャッチコピーと構成を変え、弊社を含めて3社にて複数パターンの原稿を作成、新聞折込でテスト実施しました。
弊社で作成した3パターンの原稿については、商品のパッケージなどから高級感を損ねないように、オファーを少し抑えめな見せ方に。
3パターンの原稿とも同じオファーデザインを使用しました。
新聞折込でテストをした結果は、CPR約5,900円。
初回のテストとしてはまずまずと言ったところです。
しかし、そのレスポンスの中身を見ていくと、他社制作案と比較して、大きな違いがあることに気付きました。
大きな違いとは、お客様が商品を注文する際の窓口。
弊社が作った原稿と、他社にて作った原稿、それぞれの一番レスポンスが良かった原稿を比較してみると、電話・FAXからの注文は、ほぼ同数であったのに比べて、ハガキのレスポンス数が、弊社案20件、他社案40件と、大きく差がついており、この差がCPRの差にもつながっていました。
「お得感」を全面にオファーデザインを一新!
この原因は、どこにあるのだろう?
二つの原稿を見比べて気付いたところは、オファーの表現方法でした。
弊社の原稿では、オファーのお得感や目立ちが少なくなっていたことに気付きました。
そこで2回目のテストでは、特にハガキがある裏面の見せ方を大きく変えて実施することにしました。
オファーをお得感を全面に出したデザインに変更したことに加え、裏面の文章量を少なくして、内容を読みこまなくても、オファーにすぐ目がいくように動線を工夫しました。
まとめ:オファーの見せ方を変えた結果は?
2回目のテスト結果は…初回20件だったハガキからのレスポンスが、36件までアップ。
全体のレスポンスを見ても、初回テスト時よりもCPRが改善する結果になりました。
見逃しがちな「オファー」の見せ方テスト。
小さなスペースですが、ここの見せ方を改善していくことが、確実にレスポンスにつながる事例だと思います。
「オファーの見せ方で30~40%、レスポンスが変わる」という通信販売の担当者さんもいらっしゃるほど。まず一度試していただきたい方法です。