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「ネット通販の物流、このままで大丈夫!?」物流の最新動向と未来が分かる本3選

宅配の遅延や値上げ、はては総量規制まで。2017年春に何かと話題になっている、ネット通販の「物流」。「このままで大丈夫?」と心配されている物流初心者の方のために、参考になった書籍を3冊選びました。業界で今起こっている変化や、未来を予測するために押さえておきたいトレンド、実務のうえで気をつけるべきポイントなど解説しています。

物流

業界最新動向は、ビジネス誌の特集でキャッチアップ

 

ネット通販市場の拡大によって荷物が急増、ドライバーなど人手不足もともない物流業界がパンク寸前に。
そんな物流業界の最新動向をキャッチアップするために役立つのが、週刊東洋経済の「物流が壊れる」特集(2017.3.4号)です。

 
週刊東洋経済の「物流が壊れる」特集
週刊東洋経済の「物流が壊れる」特集

 

宅配便の荷受け総量規制など「モノが運べない」時代が訪れようというなか、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便などの物流企業の動向をレポート。
通販EC関係者にとって興味深いのが、大手ネット通販企業・小売企業の物流への取り組み事例です。

 

・米国Amazon最前線。3つの「実店舗」から見える成長戦略
「最短2時間30分以内」エクストリーム便でAmazonに対抗、ヨドバシカメラが目指す世界
・巨額投資が、火災で水の泡に・・苦境に立つアスクル物流センター
・あのUberが宅配に参入!昼食タイムを変える”UberEATS”とは?
・ドン・キホーテも、「店舗から58分以内に配達」で殴り込み

 

など、最新の動向がレポートされています。さらに、ロボット技術を応用したピッキング等の自動化や、安さを重視した「シェアリング」サービスの急成長などの記事も、興味深かったです。

 

 

Amazonの動きから、ロジスティクスの潮流を読み解く

 

最新動向をキャッチアップした後に気になるのは、未来に向けて物流がどのように変化していくのか?

 

“ECの巨人”Amazonの動きに着目して、ネット通販を中心に日米の小売業の動きと、最先端の潮流をレポートしているのが「アマゾンと物流大戦争」(角井亮一)です。

 
アマゾンと物流大戦争
アマゾンと物流大戦争

 

「翌日配送」や「送料無料」など、便利・早い・安いを武器にユーザーの支持を集めた同社。
その裏側を支えたのは、綿密な計画と大胆な投資のもとに競争優位を培っていった、世界の最先端をいくロジスティクスでした。

 

・楽天VSAmazon、決定的な違いは、物流を「短期的なコスト」or「長期的な競争優位」と捉えたこと
・ウォルマートのキャッチコピー”Everyday Low Price”の裏側にある物流戦略
ドローンや実店舗、都心の物流センター…Amazonが“ラストワンマイル”への考え方を転換
・ショッピング検索を捕まえろ!米主要都市では、Googleが自社配送を開始
・日本のネットスーパーが、巨額の初期投資で失敗した理由
・ザッポスに続け!ロコンドが「返品無料」を武器に年商100億円突破
・EC企業が開設した、「売らない」店舗。オムニチャネルでは「ショールーミング」を推奨

 

物流業界の第一人者として、数多くの通販企業の物流コンサルティングを手がける著者が、何度もアメリカに足を運び現地で得られた実例を随所に掲載。
物流の歴史を俯瞰した洞察を、新書で手軽に読むことができるオススメの1冊です。

 

 

ネット通販の「現場」の実務を、基本から学ぶ

 

3冊目は対照的に、「現場」の実務について分かりやすく書かれた書籍です。

 

はじめに頭に入れておきたいのが、大量の荷物を集約して運ぶBtoBの物流と、顧客に1個から商品を届けるBtoCの物流では、同じ物流でもその仕組みが大きく異なるということ。
BtoC、なかでもネット通販の物流に特化して、その実務を基本から学ぶのに適しているのが、「ネット通販は「物流」が決め手!」(高山隆司)です。

 
ネット通販は「物流」が決め手!
ネット通販は「物流」が決め手!

 

・CPS(顧客サービスポリシー)から逆算して、在庫・ウェアハウス等を組み立てる
挨拶状や割引券などの投入ミスを防ぐ、単品通販で必須の「同梱物制御」
・化粧品や健康食品では、「温度管理」にも気を使いたい
・利益最大化のためのオペレーション最適化、「RightChain」という考え方
・各工程を総おさらい:入荷検収・棚入れ・保管・伝票発行・ピッキング・梱包・出荷
・アウトソーシング時に要チェック!倉庫管理システムの外部データ連携とは?
代表的な物流KPIー「1出荷あたり物流コスト」「品切れ率・返品率」「滞留在庫の倉庫コスト」など

 

この本を読んで特に学びになったのが、物流の専門知識やオペレーションを回すためのスキルを単に解説するだけでなく、「売上や利益を伸ばすために、物流がどう貢献できるか?」という視点から一貫して書かれていること。

 

リードタイムやパッケージなどの改善によって、物流を単なるコストではなく、顧客から支持される差別化要素として強みを確立する方法を最適化する方法を知りたい方には、きっと参考になるでしょう。

 

 

“素人”が最低限押さえておくために、興味を持った1冊を

 

この記事では「ネット通販×物流」をテーマに、現場の実務から業界の潮流まで幅広い関心から勉強になった書籍を紹介しました。

 

私は物流については現場経験のない“素人”ですが、この3冊を含めて数冊を読んだことで、「今何が起こっているか?」「これからどんな変化が訪れるのか?」について、浅くではあるものの広く理解をできたように感じております。

 

マーケティングや経営など別の専門分野でネット通販に携わりながらも、物流について最低限押さえておきたい方、ビジネス視点からその構造を理解したい方には、きっと参考になるはずです。
興味を持たれた1冊から、ぜひ手にとってご覧になってください!

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