広告のレスポンスを左右する大事なパートが、体験談(愛用者の声)。その体験談で大事なのが、共感を生む“生の声”をお客様から引き出すことです。体験談の“鉄板”のパターンと、愛用者へのインタビュー取材で質問するべき17の項目をまとめました。
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共感を呼ぶ「体験談」を、3つのフェーズに分解
化粧品や健康食品などの通販広告でよく掲載されているのが、いわゆる「体験談」(愛用者の声)です。
もちろん先般話題になった「打消し表示」の記載など、消費者の誤認を招かないように適切な記述を心がけるのは当然です。
(参考:消費者庁の「打消し表示に関する実態調査報告書」2017年7月14日)
一方、広告を見た消費者が「私にとって、何がよいのか?」を分かりやすく理解してもらうため、
”人を通じて伝える”手法の有用性を感じている通販事業者の方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか?
「売れている」と言われる広告を調べると、この体験談が共通のパターンによって構成されていることが分かります。
典型的な体験談のパターンは、「1. 悩みの自覚」「2. 商品との出会い」「3. ハッピーな生活」という3つのフェーズによって構成されます。
化粧品通販の広告を例に、3つのフェーズをたどっていきましょう。
フェーズ1:悩みの自覚
体験談がスタートするのは、愛用者の方の普段の生活から。
日常生活を過ごしていた折、何らかのきっかけによって肌悩みや美容のトラブルを自覚します。
若い頃は肌悩みも少なく、スキンケアも高いものを使わなくても、十分に潤うと思っていました。
でも年齢を重ねるうちに乾燥が気になり物足りなくなるように…。
「普段できていた行動ができなくなった」「友人や家族から指摘された」などの印象的なエピソードがあると、悩みをよりリアルに伝えられ、感情移入もしてもらいやすくなるでしょう。
ついには久しぶりに会った娘に「お母さん最近老けたよね」と言われてしまい、とてもショックでした。
今までのスキンケアはだめなんだって。
それから、色々試してみたのですが、なかなか満足するものに出会えず、顔を見るたびにため息をつくようになりました。
このように「日常の暮らし」から「悩みのある生活」への移行が、体験談の第1フェーズです。
フェーズ2:商品との出会い
悩みのともなう暮らしは続き、お客様は苦労を重ねます。
「外出できず家に閉じこもりがちになった」「友人と会わなくなった」「趣味ができなくなった」など、趣味や人間関係などさまざまな場面で“あきらめ”を自覚することも。
もう年だからしょうがないのかなと、あきらめかけていました。
でもそんな時、娘が「これすごくよかったよ!」と◎◎を紹介してくれたのです。
ここで訪れるのが、商品との出会い。
しばらく悩んでいた時に、テレビ・チラシなどの広告や友人・家族の紹介などで商品を初めて知る、という流れです。
知っている会社の商品だし、試しに使ってみようと思い購入しました。
娘とは年齢が違うので私にはどうせ…と思っていたのですが、翌朝のしっとり感にびっくり!
商品へのポジティブな印象だけだとリアルさに欠けるので、不安や疑問などネガティブな面も正直に話してもらうとよいでしょう。
「はじめは半信半疑で使い始めてみたものの、意外に効果的だった」といった記述が見られるのも、そのためです。
フェーズ3:ハッピーな生活へ
商品を使い続けることで、お客様には小さな変化が徐々に起こります。
日常生活のなかで実感したエピソードや、まわりの人から声をかけてもらった言葉などもあると、読み手にも変化を想像してもらいやすいでしょう。
はじめはその保湿力に驚きましたが、しばらく使っていくうちに肌がキメ細やかになったような気がしました。
化粧ノリもよくなって、気分がいいですよね。
悩みが解消されて、「○○ができるようになった」「今度は△△してみたい」など、お客様が幸せをつかんでいく様子を伝えましょう。
“ハッピーイメージ”を抱いてもらうことが大事です。
同じ習い事に通っている同年代の友人から、「最近肌の調子いいわね」とか「どこの化粧品を使っているの」と言われるようになりました。
今度(習い事の)発表会があるので、今一生懸命練習中です!
3つのフェーズをご覧になってもわかるように、本人の生活や感情の変化と合わせて、商品の良さを語ってもらうことが大切です。
商品のスペックや目に見える効果を伝えるだけでは、読み手は共感してくれません。
生身の人間が挫折を乗り越えて幸せをつかむ姿が、読み手の興味を強く惹き、共感を呼び起こすのです。
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愛用者へのインタビューで取材すべき、17の質問項目
このような”型”に沿った体験談ですが、具体的にはどのように制作していけばよいでしょうか?
お客様から届くお便りやアンケートで届くメッセージを待っていても、フェーズ1〜3をすべて満たしていることは、なかなかないものです。
なぜならお客様は自分が印象に残ったことや伝えたいことだけを書くので、内容が偏ってしまうからです。
そこで有効なのが、インタビュー取材。
商品を愛用いただいているお客様に取材協力をお願いして、ご自宅に伺うなどしてお話を聞かせていただきます。
インタビューの内容を編集して、お客様にご確認いただくという過程を踏むことで、上記の流れに沿った体験談へと形作っていくのです。
具体的にどのような項目を質問すればよいか、私たちが取材の時に活用しているチェックリストを共有しますね。
取材項目1:普段の生活
・年齢
・家族構成(夫婦や子ども・孫、同居/別居など)
・趣味
・商品の使用(愛用期間や使用方法、タイミング、工夫している方法など)
・使用している類似商品(化粧品や健康食品など)
取材項目2:悩みの自覚
・悩みを自覚したきっかけ(例:体調の変化、周りの人からの指摘など)
・具体的な悩みの症状
・生活のうえでの変化(例:「外出しなくなった」「友人と会わなくなった」「趣味ができなくなった」など)
取材項目3:商品との出会い
・商品との出会い(例:家族・友人からの紹介、テレビCM・新聞・チラシ・WEB広告など)
・初めて商品に触れた時の印象(例:期待が持てた、頑張ろうと思った、効果があるか半信半疑だった)
・商品を使用した時の印象(味や香り、飲みやすさ、伸びの良さなど)
取材項目4:効果の実感
・初めて効果を自覚したシーン(例:家族・友人からの指摘、体質の改善など)
・効果を実感するまで期間
・家族や友人など周りからの反応
取材項目5:ハッピーな生活
・商品を継続使用して、生活で変わったこと(例:「あきらめていたことができるようになった」「他にやりたいことができた」など)
・趣味や生きがいの話(例:孫との交流など)
・商品を継続している理由(例:他社の商品との違いなど)
余談ですが、これまでお話ししてきた体験談のパターンは、一般的な「物語」や「神話」でよく用いられるストーリーの構成と実はよく似ています。
このような“ストーリーの原則”を頭に入れたうえで体験談の構成を考えたり取材に臨んだりすると、共感してもらいやすい記事へと編集しやすいでしょう。
今回の記事では割愛しますが、詳しくは「『神話の法則』からひも解く、通販広告の“体験談”」という記事でも解説していますので、よければご覧になってください。
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取材時には、リラックスした雰囲気づくりに配慮
最後に、取材の時に気をつけていただきたいことを、私の実体験をもとにお伝えします。
特に化粧品・健康食品通販を利用している方には中高年女性が多く、長らく働いていない人もいらっしゃいます。
これまでの経験では、初めは緊張している方がほとんどです。
そこで、リラックスして本音をお話ししてもらえるよう、雰囲気づくりに注力しましょう。
アイスブレイクを必ず入れて、お客様の緊張をほぐす
まずは、商品についていきなり質問してしまわないようにしましょう。
「企業VS一般人」という図式になってしまい、緊張されてしまいます。
まずはお客様が話しやすいネタから話していただき、和やかな雰囲気にしましょう。
ご自宅を訪問する場合は、家の内装や写真など、大切にしているものや好みをそれとなくチェックすると、話も弾みやすいでしょう。
たとえば音楽のCDを見かけるた場合、「クラッシックがお好きなんですね」など、お客様が自然と話せるような話題を振ります。
取材スタッフの人数や服装も、要注意!
また取材に臨むスタッフのの見え方にも、気をつけます。
ある化粧品メーカーのお客様を取材した時に、スーツを着た男性スタッフが多く、お客様が萎縮してしまったことがありました。
取材にはカメラマンやライターなど人数も増えがちですが、最低限の人数で臨むようにしましょう。
また特に男性はスーツではなく、少しラフな服装の方がお客様も安心するかもしれません。
今回は、通販広告で反応の良い体験談の鉄板パターンと、その制作のためのお客様の取材の方法について解説しました。
商品を愛用されているお客様のリアルな声は、広告やDMなどを見たお客様にとって、何より参考になり、また共感してもらえるはずです。
ぜひ今回の記事を参考に、あなたも愛用者の取材にチャレンジしてみてください。
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