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「割引」vs「もう1つプレゼント」、売上につながる伝え方はどっち?

同じ情報でも表現の仕方で印象が変わるフレーミング効果を通販に活用した場合、「割引」と「おまけ」どちらが売上につながるのでしょうか。ABてテストの事例とその結果から見えてきた心理的効果をお伝えします。

インフォマーシャルを始めるために押さえておきたいポイントをまとめました。
クリエイティブ制作のポイントや、効果検証する際に見るべき項目などを解説しています。
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テレビでおなじみの演出手法、「今なら、さらに?」は効果的?

 

「ワンプラスワン」と言われる演出手法、耳にされたことは、ありますか?

 

通常の商品から値段は据え置きにするものの、同じ商品をもう1つ、「おまけ」でプラスするオファーのことで特にインフォマーシャルでは、とても効果的と言われています。

 

「△△△を買った方には、今なら○○○をプレゼント。さらに、×××まで特別に差し上げます」

 

といった台詞は、テレビ通販番組でも、もはやおなじみかもしれません。

 

一方、同時に思い浮かぶ疑問が、「おまけ」より「値引き」の方がレスポンス増加には直結するのでは?でしょう。

 

そこで、おまけ(「ワンプラスワン」)と値引きの2パターンを用意して、テレビ通販番組のなかで、オファーだけ差し替えてテストをしました。

 

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オファーの価格は同じでも、言い方を変えただけで・・!

 

たとえばと教えてくれたのが、1個2,000円の本商品を販売するケース。
割引のオファーでは、視聴者にこう呼びかけました。

 

【パターンA】
「通常1個2,000円のものが・・今なら3つご購入で33%オフ!
6,000円→3,990円!!」

 

一方、おまけ(「ワンプラスワン」)のオファーは以下です。

 

【パターンB】
「1個2,000円ですが、2個ご購入で今ならもうひとつプレゼント!!」

 

どちらの方が、レスポンスが高かったでしょうか?

 

賢明なる読者の皆様はお気づきのとおり(?)、1個あたりの値段は、パターンA・Bともに、実質的には1,330円で変わりありません

 

それなのに結果は、テストとして有意な差が・・!出ました。

 
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費用対効果が、135%まで改善された理由は?

 

Bのオファーの方がレスポンスが高く、Aと比べて、費用対効果が135%にまで改善されたのです。

 

恥ずかしながら申し上げると、私は、両パターンとも同じ?またはパターンAの方が良いのでは?と思っておりました・・

 

実質的な値段は同じですし、それならば値段の表示が下がった方が、シンプルにお得感が強調されるだろうと。
(と、男性的な合理思考で考えてしまいました)

 

もちろん1回のテストだけでは、「割引」より「おまけ」(ワンプラスワン)の方が良いとは、断じられないかもしれません。
一方、これだけのレスポンスの違いが出たからには、何らかの理由があるはず・・。

 

なぜ??と、ヒントを求めて、通販広告の舞台裏については全く知らない女性(私の妻)に、率直な感想を尋ねてみることに。

 

夕食を食べながら話すと、第一声で返ってきたのが、「Bの方が、絶対お得だと思う!」の声でした。

 

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「さらに1個プレゼント」が、なんとなく“お得”と感じてしまう理由

 

意外に思って、「なんでそう思ったの?」をくり返し、食事の箸を止めて掘り下げてみると(汗)、Aの割引は、「オートマティックな感覚」を受けるそう。

 

一方、Bのおまけは、「会社が厚意で、1個を付けてくれた」という感覚になるので、プレゼントの方がなんとなく嬉しくなってしまうそうです。

 

ちなみに送料についても、「無料」と聞くと「ふ?ん」となるけど、そうではなく、「送料は○○○(会社名)が負担します」と聞くと、「送料」という、「どうしてもかかってしまう重荷を、会社の側が引き取ってくれた」という感覚になる、と申しておりました。。

 
と、この一意見が参考になるかは全くわかりませんが、行動経済学の観点から考えると、もしかしたら、こういうことかもしれません。

 

「得になること」は、同じものを1回でいっぺんにもらうより、3回に分けてもらった方が、嬉しさは増すのです。
(逆に、損することは、一度に聞いた方が苦痛が少ない。)

 

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行動経済学の「プロスペクト理論」を当てはめて考えると・・

 

1985年の『マーケティング・サイエンス』誌に掲載された論文「頭の中の帳簿と消費者の選択」で、リチャード・ セイラーがプロスペクト理論から論じた、消費者の購買意思決定のメカニズムについてです。

 

「損も得も、効果は減少していく。
3万ドルのボーナスはうれしいが、1万ドルのボーナスの3倍のうれしさではない。

つまり、3万ドルを1回にまとめてもらうより、1万ドルのボーナスを3回別々に(すべて予想外のときに、少しずつ聞を空けて)もらう方が、ずっと喜ぴが大きいのだ。

ボーナスを3回もらえば、3回喜べる。
こうした予想外の収入の金額が実際にいくらかは、思うほど重要でもなく、足し算されるものでもない。」

「プライスレス 必ず得する行動経済学の法則」ウィリアム・パウンドストーンより )

 

※なお「プロスペクト理論」は少し難解ですが、詳しくご興味ある方は、こちらの説明が勉強になりました。

 

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テレビ通販利用者の購入理由で最も多いのは、「お得感があるから」

 

「割引」は、どうしても通常の商品販売とのセットでつまり1回の喜びとして、とらえられてしまうもの。

 

一方、同じ値段分の割引でも「おまけ」と形を変えることによって、通常の商品販売と切り離して、つまりプラスαで嬉しいことがあったという感覚でとらえられる、ということなのかもしれません。

 

と、難しい説明も添えてしまいましたが・・
(私自身も、イマイチしっくりとは理解できていないところもあるので、お気づきの点ありましたら、ぜひアドバイスいただければ幸いです。)

 

販売現場に立ち戻って考えると、古典的な実演販売でも使われる、
「○○○をプレゼント、さら に△△△も、えーい、おまけでもう一つ×××も付けます!奥さん!」
という手法は、心理学的にも理にかなっている
のでしょう。

 
テレビ通販利用者の購入理由として「お得感があるから」が最も多いというアンケート結果があります。

 

今回の事例だけから、「割引」より「おまけ」(ワンプラスワン)の方が効果的と結論づけることはできないかもしれませんが、価格をシビアに吟味する視聴者には、オファーの見せ方、“お得感”の出し方が、レスポンスが大きく影響するのは事実でしょう。

 

そのための仮説立案とテストの提案・実践を、弊社のインフォマーシャル部隊では日々繰り返しています。
 
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