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定期コース解約を“先延ばし”してもらう、「お休み制度」のトークスクリプト

定期コースを解約したいお客様に、「休会」や「お休み制度」を薦める通販会社も多いと思います。

このときにいくつかの工夫を入れこむことで、退会から休会へとお客様をスムーズに誘導して、解約を先延ばししてもらえるようになります。

 

ある通販会社で導入しているトークスクリプト(応酬話法)の秘密を探りました。

LINEで解約抑止を自動化している通販企業の事例をまとめました。
事例集はこちら
 
 

定期離脱を防ぐ、意外な引き止めトーク

昨年に、このサイトを読んでくださっている通販会社の方とランチをご一緒したときのこと。

 

定期顧客の離脱を防ぐための、ある仕掛けを教えてもらいました。

 

「定期購入をやめたい」と電話をかけてくるお客様をなんとか引き止めようと、トークスクリプト(応酬話法)を磨いている会社も多いと思います。

 

話を聞いて驚いたのが、次の発送を止めるのを、オペレーターがすんなりと承諾すること。

 

そのうえで「実は」と切り返しトークが始まるのです。
 
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「3ヶ月お休みしませんか?」は、お客様の心は変わるのか?

 

オペレーターから提案するのは、お休み制度。

 

3ヶ月間は商品の発送を停止して、もちろん料金は発生しません。

その間も、「他商品の割引」や「ポイント」など、定期顧客の特典は保持されます。

 

「今やめてしまうと、せっかく貯めたポイントもなくなってしまうし」

「余っている商品がなくなったら、また買うかもしれないし・・」

 

と、退会から休会に気持ちが傾くお客様もいらっしゃるでしょう。

 

3ヶ月後に、また購入を継続するか?やっぱりやめるか?も自由。

 

ただし、3ヶ月以内に、お客様から退会の連絡がない限りは3ヶ月後の発送を自動的に再開するという仕組みです。

 

そうなるとお客様の立場からは、新たな不安が浮かんできます。
 
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お客様にとって、100%「損にならない」提案?

 

「発送を止めるのを連絡しそびれてしまって、気づかないうちに商品が届いてしまったらどうしよう・・?」

 

そんなお客様の不安に寄り添うよう、言葉を足すのが、

 

「事前に、再開のお知らせのハガキをお送りします。」

「その時に、ご購入をされないようでしたら、ひと言ご連絡いただければ大丈夫ですので。」

 

お客様からすると、「やめるか?続けるか?」はハガキが届いたときに決めればよいので、今判断する必要がありません

 

逆に、今やめると決断してしまうと、ポイントや割引などの優遇も失ってしまうのが確定してしまいます。

 

つまり、お客様からしても「損はしない」提案。

選ばない理由がないのです。

オペレーターにとっても、精神的な負担なくお薦めできるでしょう。
 
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「休会」が受け入れやすいと感じてしまう理由

 

このように「今退会する」という理由を、応酬話法(トークスクリプト)によって一つずつ潰していくことで、離脱を一定の割合で防いでいるというのです。

 

「なるほど!すごい!!」と話に聞き入ってしまい、肉をつつく箸も止まってしまった私ですが、

 

同時に浮かんだのは、

「なぜこんなに、自然に受け入れやすいと感じてしまうのだろう?」

という疑問でした。

 

解約の電話をかけるとき、お客様の頭にあるのは、

「定期コースを解約することによって、ムダな買い物をしなくて良くなる」

という気持ちでしょう。

 

次回の代金を払わなくて済む、という利益を確定させたい。

そんな風に言い換えられるかもしれません。
 
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 失ってしまう利益が、「見える化」されてしまうと・・

 

ところが、電話をかけて、オペレーターから「休会」を提案されることによって、お客様の心の風景は一変します。

 

なぜなら、解約によって失ってしまう利益(例:ポイント、割引)が眼前に見えてしまったからです。

 

つまり、定期コースをやめるという選択が、「トレードオフ」(=あちらを立てれば、こちらが立たず)をともなう選択へと変わってしまうのです。

 

トレードオフによって生じるのが、心の葛藤。

 

そんなときに、「休会」にリスクがないこと、決断を先延ばししてよいことが分かれば、「とりあえず」と心の天秤が傾いてしまうのも、自然かもしれません。

 

人間は、目の前に利益があると、利益が手に入らないというリスクの回避を優先するという傾向は、行動経済学の「プロスペクト理論」によっても知られています。

 

↓の心理は、販売の他の局面でも活用できるかもしれませんね。

 

・とってほしくない行動について、それに伴う損失を「見える化」する

・同じく、決断を「先延ばし」してもらうように働きかける

・選択にともなう心の葛藤が生じないように、選択肢を設計する

 

長くなってしまいましたので、こんなところで失礼します!
 
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