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「吊り橋実験」から考える、恐怖訴求が“買いたい欲求”にすり替わる仕掛け?

通販広告で時折目にするのが、「恐怖訴求」と呼ばれるように、悩みを深刻に強調して、読み手に「これはまずい…」と思わせるコピーです。
恐怖訴求が「買いたい」という気持ちに転化するまでには、どのようなプロセスをたどるのでしょうか?
有名な「恋の吊り橋実験」をモチーフに、考えました。

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
解説資料はこちら
 
 

健康食品の広告に見つかる、悲しい体験談

 

健康食品の広告で典型的なのが、商品の使用者が自分のつらかった過去を赤裸々に語ってもらうという手法。

 

たとえば、カルシウムのサプリメントのチラシには、骨折したという80歳強の女性の話が載っています。

 

「○○からは、『(中略)なぜここまで放っておいたんですか!』
と強い口調で告げられ、もう愕然とし、全身の血の気が
サ~っとひいてブルブルと震えが止まりませんでした。」

 

 

自分の家族が健康を失ったことに伴う悲劇がつづられている体験談も、新聞広告に見つかりました。

 

「ある時、主人が体調を崩してね。あの時は本当に大変だったわ。
毎日一緒に食事したり、楽しく出掛けたりしていた生活が一変。

 

工場は閉めなくちゃいけないし、毎日、朝から晩まで付き添う日々が
続いてね。お金もどんどん飛んでいって、旅行や趣味に時間を
使うなんてとんでもない!って状態になってね。

 

私自身、心もからだも疲れきって…。暗い家に独りで帰ってきて、
自然と涙がぽろぽろ、なんてことが何回もあったわ」

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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「恐怖訴求」は“買いたい欲求”に転換するのか?

 

広告に目が留まった時点では、読み手が興味があるのは、商品ではなく、自分自身のこと。

 

「肌の○○が気になる」「最近△△が痛い」など悩みに焦点を当てた広告が共感を呼ぶのはわかります。

 

ただし、ここまで極端な境遇に実際に陥った方は、読者のなかでもほとんどいないでしょう。
「私にも分かる」という共感を期待するのは難しいかもしれません。

 

 

では、このような不幸話は、何の意味があって載せているのでしょうか?
「この商品が欲しい!」という欲求に転換されているとしたら、そのプロセスは…?

 

そんなとき「もしや…?」と思い当たったのが、“吊り橋実験”です

 

「恋の吊り橋」とも呼ばれるこの実験について紹介します。
(「あなたはなぜ値札にダマされるのか?」 オリ・ブラフマン 他 より)

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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“恋の吊り橋実験”で判明した意外なこと

 

ある渓谷に、2つの橋がかかっています。

 

1つは、不安定に揺れる吊り橋。
もう1つは、安定している木の橋です。

 

ハイキングという名目で18~35歳までの独身男性を集め、この2つの橋を歩いてもらうのですが、彼らが渡りきったところである仕掛けをします。

 

 

若い女性アシスタントが男性に独りずつ話しかけて、簡単なアンケートに答えてもらい、別れ際に電話番号を書いた紙を渡したのです。

 

後日、男性から女性に電話がかかってきたかというと…

 

安全な木の橋を渡ってきた男性からは、約1割しか電話がかかってこなかったのに対して、不安定な吊り橋を渡った男性は、半分が電話をしてきました

 

 

どうしてこのように大きな違いが生まれたのでしょう?

 

不安定な吊り橋を渡る際に、男性には生理的な恐怖が生まれます。

 

このような緊張・興奮状態で放出される脳内物質が、恋愛をしたときに分泌する物質と同じだそうです。

 

なので、男性はその女性の魅力に対して興奮していると勘違いしてしまう、という原理です。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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興奮しているときに、商品を差し出されると…

 

「吊り橋実験」では、生理的な興奮が恋愛感情に誤って結びついてしまったのですが、恐怖の喚起という意味では冒頭で紹介した広告表現も同じ。

 

 

興奮状態になっているときに、
「その気持ちの原因はこれだよ」
と商品が目の前に差し出されれば…

 

その興奮が、「商品を買いたい」という欲求に転化されるのでは!?
という説が(あくまで私の頭にですが…すみません。。)浮かびました。

 

 

そういえば、通販の販促ツールのなかで興奮を誘う工夫がなかったか、思い返してみると…

 

ある化粧品会社から届いた商品の箱を開けたとき、びっくりしたのが初めに目に飛び込んできた、真っ赤な包装紙。

 

色彩心理学では、赤は“興奮を誘う色”とされています。
そういえば通販チラシでも、強調したい箇所は「金赤」にするのが一つのセオリーでした・・・

 

通販ではないですが、ビール会社が毎年キャンペーンガールを起用してビールを持った水着姿のポスターを飲食店に貼るのも、同じ意図かもしれませんね。

 

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売れている広告に見つかる、“感情のバランスを崩す”仕掛け

 

ある口臭サプリメントの新聞広告では、「プ~ンとくさい!においが…」というコピーとともに人が口を開けているアップの写真が目立つように載っています。

 

見た人をわざと“ムッ”とさせることによって、高いテンションで本文を読ませようという意図なのでしょうか。

 

 

売れている広告を見ていると、このように写真や色、ストーリーなどさまざまな手段を用いて、見た人が思わず感情のバランスを崩してしまうような仕掛けが見つかります。

 

「どうすれば見た人の気持ちを揺さぶれるか?」
広告を作るときにアイデアを膨らませてみると、面白いかもしれませんね。
 
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