定期顧客のLTVを高めるのは、単品リピート通販事業にとって重要な課題です。
今回ご紹介するのは、EC先進企業で最近導入が増えてきた、2つの販売テクニック。
「定期まとめ買い」と「年間定期コース」を、事例を交えてご紹介します。
初回購入のカート画面で、10%以上を「定期まとめ買い」へアップセル
定期コースの発送は、1ヶ月に1回が一般的です。
それを、「2ヶ月分をまとめて1回で送るようにするとお得なのですが、いかがですか?」
と価格面でのメリットを訴求。
2ヶ月分(または3ヶ月分)をまとめて送る販売方法があります。
2ヶ月分の受注が確定するのはもちろん、まとまった期間使用して頂いた方が、効果を実感してもらいやすい事もあり、LTVが高まりやすいと知られています。
これまでは、受注時の電話(インバウンド)でまとめ買いを薦める、商品に同梱したチラシで告知するなどの方法がとられていましたが、最近いくつか見つけたのは、ECサイトでの定期コース申込時に、1回目からアップセルする手法です。
注文時の確認画面やサンクスページなど、お客様の購入意欲が最も高まっているタイミングで、「続けて買うなら、定期まとめ買いがお得」と注文してもらうのです。
初回購入時に10%以上が、定期まとめ買いへとアップセルした事例もありました。
固定客を割引や特典で取り込む、「年間定期コース」とは?
次は、1年間(12ヶ月分)や半年間(6ヶ月分)など、より長期での購入を薦める販売方法です。
既存の定期顧客に、乗り換えを案内。
商品同梱チラシやメールでの告知だけで、定期顧客の数%が「年間定期」に引き上がる企業もあります。
「年間契約をしていただければ、割引率○%」や「最大○円お買い得」といった価格面での訴求はよく見られますが、
「○○様(お客様)の場合は、年間定期コースの方が○円お得になることが分かりました」
というように、売り込み臭を抑えた上手な伝え方をしている企業もありました。
継続的に商品を愛用してくださっているお客様の立場に立って、「特別なご案内」といったニュアンスで案内しているのです。
また価格以外でも、「数量限定商品を優先的に先行販売」や「商品づくりにスタッフと一緒に参加」などの特典を用意して、コアなファンを惹き付けようとする企業も。
「余ってしまうのが不安」というお客様には、一括で送らずに3ヶ月ごとに分けてお届けするなどの工夫も見られます。
定期販売モデルのヒントは、異業種から学べる
今回、年間定期に着目したのは、私自身の購入体験がきっかけでした。
ある書籍通販サイトでビジネス書を購入したところ、1年間定期的にマーケティングについての本を毎月選んで送ってくれる、というコースの案内を受けました。
割引に加えて、「気に入らなかったら返金保証」など強力なオファーに負けて、申し込んでしまいました。
単品通販に限らず、定期購入(サブスクリプション)モデルが流行っています。
このように異業種からLTVアップのヒントが見つかるかもしれません。