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大手メーカー通販、本社からの目標「3年後に売上3倍」を達成するためには?

月間2,000件の新規顧客を上積みするための、チラシ活用戦略

この数年間の紙媒体からのCPAの上昇に伴い、新規顧客獲得はWEBにシフトする通販企業も増えています。一方、シニア顧客をターゲットとする企業や、新規顧客獲得の絶対的な件数が必要な企業では、チラシや新聞掲載など紙媒体への出稿を逆に拡大しているケースも。株式会社ファインドスターでは、紙媒体を活用した新規顧客獲得に貢献してきました。これらの経験のなかで直面した課題や、分析した成功のポイントをもとに、ケーススタディを作成・公開しています。

※本ケーススタディは、複数の企業を支援するなかで起こった問題や実行した解決策など、実際に弊社で体験した内容を抽出・加工して構成しています。守秘義務契約などのため、個別の事例が特定されるような内容は公表を差し控えている事情がございます。このような制約条件のなかでも、同じような課題に直面した企業にとって、汎用的な解決策として役立つように、上記のような編集を経てケーススタディとして公開しています。CPAや引き上げ率などの数字も、妥当なように調整しています。

ケース概要

対象企業 化粧品通販C社
商材 基礎化粧品(トライアルセット有り)
ターゲット顧客 40〜50代女性
課題 ECを主軸に年商10億円まで成長したが、早期の事業拡大を求められており、新規顧客の獲得件数を現状の約3,000件から2〜3倍へ増加する必要がある。
行った施策 紙媒体(同封同梱広告)への出稿を再開。チラシのクリエイティブテストを3回実施するとともに、ターゲットに合った媒体を選定。コールセンターと連動した引き上げの工夫も。
改善結果 目標CPA8,000円を達成して、月間2,000件の新規顧客を紙媒体から獲得できるまでに拡大。全体でも、月間7,000件の新規顧客を獲得。
提供サービス チラシ広告
提供会社 株式会社ファインドスター
ご支援時期 2014年〜現在

中期経営計画の「3年後に年商30億円」、どうやって達成する?

C社は、2008年に大手メーカーの一部門として通販事業を開始。
ECを中心に業績を伸ばしてきた。
通販年商は10億円を突破。定期会員数も2万人を超えた。

担当マネージャーとしては事業を順調に成長させたつもりだったが、本社からの意向は「事業拡大のペースを、もっと早めてほしい」というもの。
既存事業の停滞をカバーするため、「早くに収益を支える柱として一本立ちしてほしい」というのだ。

単品リピート通販は、利益率は高いが定期会員など既存顧客の積み上げが大事なストックビジネスのため、一気に拡大することは難しい。
そんな事情もおかまいなく、中期経営計画における目標数字として「3年後の年商30億円達成」が下ろされてきた。

C社のビジネスモデルは、500円のトライアルセットを広告オファーとして、見込み客を獲得。
フォローメールやDMによって、本商品/定期コースに引き上げるという2ステップの販売方法をとっていた。
本商品/定期コースへの引き上げ率(F2転換率)は、25〜30%とまずまず。
リピートの仕組みができているため、安定的に新規顧客が獲得できれば、事業は拡大していく。

WEBからの獲得が9割以上、紙媒体はCPA目標を達成できずに予算減

ところが、その新規顧客の獲得数を広げるのが難しい。

現状は、月間の広告予算が2,000万円。
CPAは目標の8,000円より良い数字で、7000円弱。
月間3,000件程度の新規顧客を獲得できていた。

現在はWEBからが9割以上で、紙媒体はほとんど出稿していなかった。
かつては新聞掲載や折込チラシなど、紙媒体も出稿していたが、この数年間のレスポンス悪化にともなって、CPAが10,000円を超えることが多くなってしまっていた。
そこで紙媒体の出稿金額は大きく減らして、WEB媒体に予算を傾斜配分していたのだ。

一方、3年後の売上目標から逆算してシミュレーションすると、必要な新規獲得件数は現在の3倍程度にはなりそうだ。

その差はどうやって埋めていけばよいのか?

そんな悩みを抱えていたときに株式会社ファインドスターの営業担当者から提案を受けたのが、「会員誌」や「通販カタログ」など会員誌にチラシを封入する、同封同梱という広告手法だった。

同社の担当者が初めに答えたのは、現状のままでは同封同梱に出稿しても、目標とするレスポンスを獲得するのは難しいだろう、という意見。
同封同梱でも、他の紙媒体と同様に反応率は全体的に落ちてしまっている。

ただし、チラシのクリエイティブを改善すれば、拡大性は十分あるとのことだった。
紙媒体のなかでもチラシのメリットは、A/Bテストを精緻に実施できること。

そこで、クリエイティブのテストと合わせてチラシの出稿をスタートさせることにした。

紙媒体への再チャレンジ、鍵はクリエイティブ改善

初回のテストで制作したのは、4パターンのチラシ。

テストのベースとなる「コントロール版」は、現在WEBで獲得できている訴求をベースに、かつて出稿していたチラシを修正して制作した。
メインビジュアルには、LPで使用している40代女性の写真を、キャッチコピーは「保湿」を強調した文言にした。

WEBでは主に40〜50代の購入者が多かったが、一般的に紙媒体では、獲得できる顧客の年齢層がWEBより高い。
そこでチラシの別パターンでは、60〜70代向けとターゲットを変更したクリエイティブへと思い切って変更した。

B・C・Dパターンともに、メインビジュアルを60代女性の写真に変更。
Bパターンではコピーは変更しなかったが、Cパターンでは、シニアをターゲットに「年齢肌」や「ハリ」を重視したキャッチコピーを新たに作成した。
またDパターンでは、「特に高齢の方には、社名に信頼感を抱く方が多いだろう」という仮説から、企業ブランドを前面に出したコピーをテストした。

A〜Dの4パターンを、比較的に安価にテストできる新聞折込で数十万円の予算でスプリットランテストを実施したのだ。

コピー
保湿訴求 年齢肌訴求 企業ブランド訴求
メイン ビジュアル 40代女性 A : 16,300円
60代女性 B : 12,500円 C : 24,600円 D : 8,700円

Aパターンは、CPA16,300円。
WEBで当たっている訴求をそのままチラシに落としても、目標値には遠い結果になってしまった。

Bパターンも、メインビジュアルの差し替えによってCPA12,500円と約25%改善したが、目標値にはまだまだ及ばなかった。
Cパターンでは、キャッチコピーの差し替えによって、逆にCPAは悪化してしまった。

ところがDパターンでは、企業ブランド訴求が響いたためか、CPA8,700円と最も良い数字に。
目標値のCPA8,000円も見える数字だ。

そこで、このDパターンを中心に同封同梱広告を展開していくことにした。

媒体の選定とクリエイティブのテストで、目標CPA8,000円が見えてきた

C社の商品をセットで揃えると、月に10,000円近くの価格になる。
したがって、所得や資産など金銭的に余裕のある方が多いというデータも出ていた。

そこで、「高級百貨店の通販カタログ」や「伝統芸能のファンクラブの会報誌」、「総合通販の購入者への商品同梱」などの媒体を選定。
出稿したところ、概ね8,000〜9,000円台のCPAで、獲得できた。

複数の媒体へ出稿するなかで、クリエイティブテストも2回実施した。 1つ目はオファーのテスト。 ハガキやWEBではなく電話での受注比率が高まるように、「お電話限定の特別割引」を強調。
コールセンターで「お得な定期コース」のアップセルトークを展開したところ、定期コースへの引き上げ率がアップした。
2つ目は、ウラ面のコンテンツのテスト。
体験談メインから、「研究者の紹介」や「成分へのこだわり」など、オモテ面のテストで効果が出た企業ブランド訴求を裏付ける、信頼性の根拠となるコンテンツを入れたところ、10%前後だがレスポンス率が向上した。

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A/Bテストをくり返して、チラシのレスポンスを高める考え方

同封同梱で獲得件数を増やすために成否を握るのが、部数が多い大手カタログ通販媒体でも、目標CPAで獲得できるかどうか?だ。
このように細かなテストを経て、媒体を拡大しても、CPAが目標値の8,000円に近づく目処が見えてきた。

引き上げ率の改善・LTVアップで、さらなる拡大も見えてくる?

このような媒体・クリエイティブ両面での改善施策を経たうえで、CPA8,000円前後で月間2,000件の新規顧客を獲得できるまでは拡大した。
WEBも獲得件数を伸ばせたので、全体として7,000件までは新規顧客の獲得数を達成できるようになった。

さらなる改善が必要だが、全体としての新規顧客獲得の件数目標の達成が見えてきたのは好材料だ。
今後の方向性としては、「出稿部数を増やして、獲得件数を増やす」「クリエイティブテストによる地道な改善でCPAを下げる」「コールセンターやDMをテコ入れして、引き上げ率を上げる」の3つ。

また、同封同梱から獲得したお客様は、「コールセンターで初回から定期コースに誘導しやすい」「受け答えの感じがよく、初めから私たちのことを信頼してくれている感覚がある」という定性的な報告もコールセンターから上がってきた。
この報告も、定量的に検証したい。獲得した広告媒体ごとにLTVを検証すれば、LTVの高い広告媒体には目標CPAを高く設定しても広告費を投入してよい算段となる。

同封媒体の発送件数は約6200万部と多いので、しばらくはこの方向性で同封同梱を拡大していく。
また、並行して初期投資が必要なインフォマーシャルの準備を進めつつ、レスポンスの拡大が見込めそうになれば、新聞・雑誌・フリーペーパーなどの掲載媒体や、新聞折込チラシも広げていこうという議論がなされている。

成功のポイント

  • CPAよりは獲得件数を重視して、思い切って紙媒体への広告投資を判断したこと
  • WEBとチラシの特性を考慮して、クリエイティブのテストを実施したこと
  • “帰属意識”の高い広告媒体を、C社の顧客ターゲットに合った形で選定できたこと