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「ゴシゴシ洗顔は美肌の大敵」 “共通の敵”を設定して、お客様の心をつかむ

「ゴシゴシ洗顔は美肌の大敵」
売れていると言われる通販広告に登場する表現から、“共通の敵”を設定して、お客様の心をつかむマーケティング手法について、考察しました。

「あなたの○○は間違っていた!」というコピー

 

最近、当たっていると言われる広告を眺めていると、目に付いたのが、
「間違った○○(美容法・健康法など)のせいで、あなたの△△は効果が出てなかった」
と訴える、挑発的ともとれるような表現です。

 

 

たとえばある洗顔石けんの広告でよく登場するのが、「ゴシゴシ洗顔は美肌の大敵」という記述。

 

洗顔の際、肌の汚れを落とすために、顔をゴシゴシこすっていると、肌が傷ついてしまいます。
そのため、陽射しなどのダメージを肌の中まで受けやすくなり、老けた肌の原因になるということが、わかりやすく語られます。

 

 

この広告で「ゴシゴシ洗顔」が果たしているのは、ある意味、“敵”としての役割。

 

「敵の敵は味方」ということわざがありますが、“共通の敵”を設定すれば、自分たちは“味方”だとお客様に捉えてもらいやすくなります

 

これによって、親近感を抱いてもらおうという狙いでしょう。

 

 

ダイエー創業時の大反響チラシ

 

お客様の共感を得るために、あえて“敵”を設定するというのは、実は昔からあるマーケティング手法です。

 

秀逸なのは、創業時のダイエーで当時の社長、中内功氏が書いたというチラシの文句。
(「口コミ伝染病」神田昌典 より)

 

 

「見るは大丸、買うはダイエー
百貨店は歌舞伎座。ゆっくり商品を見る場所。
ダイエーはストリップ劇場。掛け値なしの裸の値段。
同じ品なら必ず安い。」

 

このキャッチフレーズが、大反響を巻き起こしました。

 

 

中内氏は、当時に不安の種だったインフレを“敵”に見立て、一方、ダイエーは主婦の味方であると強調しました。

 

このように単純化した「善悪二元論」の説明はわかりやすく、人々の心をとらえやすいのかもしれません。

 

主婦は、自分たちの“敵”に立ち向かう姿に共感。
自分もダイエーの店で買い物をしたというのです。

 

 

”過去の自分”という金縛り

 

このように否定を伴った表現手法は、うまくいけばお客様の心に刺さる武器になりますが、注意も必要です。
というのも、人は過去の自分の言動、価値観、行動などと、一貫性を保つように振舞うことを好むからです。

 

 

「○○が実は悪かった」「間違っていた○○」などと言われると、どうしても働いてしまうのが、自己防衛本能。
「自分が失敗したのを認めたくない」「正しかったはず」という気持ちが生まれ、共感どころではなくなってしまうでしょう。

 

 

中高年向けに健康食品や化粧品を販売する会社にとって特に困るのは、↑の傾向が特にお年寄りに強いこと。

 

ステファニー・ブラウンらの研究によって歳をとるにつれて人は、一貫性へのこだわりが強くなっていくことも明らかになっています。
(「影響力の武器 – 実践編 –」 M・J・ゴールドスタイン 他)

 

 

「一貫性の原理」を逆手にとると

 

そんななかで共感を得やすいのが、お客様の立場から過去の自分の失敗を語ってもらう“体験談”なのかもしれません
失敗談には、体験談に感情移入して読みこんでもらいやすいでしょう。

 

さらに、ある商品を使い続けて失敗していたお客様に対して、広告の商品が、救いとして差し伸べられる、という構図の場合、お客様はある事実を“知らなかった”だけなので、たとえ“間違い”に自分が当てはまってしまっていても、過去の自分自身を否定せずにすみます。

 

なので、悔しさの感情はへとスムーズに過去に使っていた商品に向かい、広告の商品には共感を抱いてもらいやすくなるのかもしれません。

 

 

ちなみに、一貫性にこだわる方への対処法として、先述の「影響力の武器 -実践編-」に書かれているのは、
「その時点では間違っていなかった」
と伝えること

 

その選択をしたのは、そのとき相手が得られた情報からすれば正しかったと認めてあげることで、相手の「一貫性」が保たれるようにしてあげるというのです。

 

 

お客様を認めてあげて、“共感の土壌”を作りながら、商品の提供する、相手の知らなかったメリットを教えてあげる。

 

肯定と否定の絶妙なバランスが、共感を生むのかもしれませんね。

そんななかで共感を得やすいのが、お客様の立場から
過去の自分の失敗を語ってもらう“体験談”なのかもしれません