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お客様の“期待値”を下げる、意外なインバウンド

多くの通販会社がアップセルのために活用しているのが、電話のインバウンドです。
安価なサンプルを目玉に、広告から電話をかけてもらい、会話のなかでオペレータが本商品へと引き上げる。
そんな戦術をとっている会社もあるなか、ある健康食品のサンプルを注文したときに、オペレータから返ってきた言葉に驚いてしまいました。
お客様の期待値をあえて下げる、インバウンドの意外なトークを紹介します。

300社以上の支援実績からロイヤル顧客を育てる方法をわかりやすくまとめました。
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“肩透かし”を食らった、あるオペレーターの言葉

 

この健康食品、広告でメインで表示されるのは、10日分お試しが1,000円と安価なオファーです。

 

本商品は、3000円超(1ヶ月分)。
「電話で引上げようとしているのだろうか?」
と訝りながら、注文してみました。

 

 

ちなみに、電話でのスクリプトでよく見られるのは、お客様の声や自分の使った感想も交えながら、「素晴らしい商品!」と説得する手法。

 

ところが、今回は…

 

お試し品の注文でお届け先を言い終わるとオペレータから伝えられたのは、

 

「今回は10日分ということでわずかな量でございますので、良さを実感してもらうのは難しいと思います」

 

と意外な言葉でした。続けてのトークをまとめると…

 

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期待値をあえて落とすトークとは?

 

「健康食品ですので、飲み心地とかそういった部分で10日分を見ていただくとしまして、継続していただけるようでしたら、定期コースをお薦めしております。

 

お値段は初回は1,500円で1ヶ月分、わずか500円の違いで、1ヶ月分ご注文いただけますので。

 

2ヶ月目からも通常よりも500円安くなっていますし、また、定期コースはいつでもストップできます。」

 

 

お客様のなかには、「これを飲むだけで治るはず!」と過度な期待で、電話をかけてくる方もいるでしょう。

 

ところが「すぐに実感は難しい」の一言で、まずこの期待の基準値、すなわち「期待値」が下がります。

 

 

そこに「定期コースなら、1ヶ月分半額」で、
「たった500円足しさえすれば、効果が出るかもしれない。1日当たりの価格も随分得になるし…!」と浮かびます。

 

定期コースはいつでもやめられるので、
「それなら、まずは1ヶ月分。効果が出れば続けてみよう。」
という心境へと至りやすいのかもしれません。

 

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「美味しいと評判」のお店で、ガッカリ…

 

このように「お客様の期待値をあえて下げる」という手法は、多くの販売や接客などで使われています。

 

 

皆さまがお客として店に行くときも、「美味しいと評判だから」と期待に胸を膨らませているとガッカリしたり、逆にたいした店ではないと思っていたら、意外に美味しくて感動したり。

 

営業マンの巧みなトークに乗せられて発注したら結果が散々で、「もう二度と仕事を頼まない!」と思ったり。

 

このように、「期待値」しだいで人の心は動くもの。
サービスの満足度が変わった、リピートの可否が決まった、といったご経験があるかもしれません。

 

 

別の記事「「ビタミンCが、レモン○個分」 数字の見せ方1つで、イメージを作り出す」とも重なりますが、人間は絶対的な大小より、ある基準値からの相対的な変化によって、その価値を判断するという性質があるのです。

 

(参考:人は変化率に反応する-『ダニエル・カーネマン心理と経済を語る』

 

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相手の心の“基準値”を上回るサービスが、感動を生む

 

そのため、商品やサービスとのバランスから無理のない期待の「基準値」を、お客様の心のなかに作ってあげる。

 

そのうえで、その基準値を上回る価値を提供すれば、お客様には感動が生まれるのです。

 

 

ところが、このとき心配なのが、期待値を下げすぎると、買ってもらえなくなることでしょう。

 

ということで、数ある競合商品のなかから、まず自分たちの商品を選んでもらうために、広告ではめいっぱいその商品の素晴らしさを売り込んだうえで、

 

いざお客様に自ら手をあげてもらってから、徐々に期待値を下げていく、といったやり方が、(販売サイドからは)理に適っているのかもしれません。

 

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短期間での「効果は期待しないでください」

 

その1つが、冒頭の例のようなインバウンドです。

 

お試しセットを注文したお客様に、オペレータから
「健康食品なので、短期間での効果は期待しないで」
と伝えるトークは、他にも見られます。

 

 

「お試しセットなんですが、7日分ということで、効果というよりは飲み心地をお確かめいただくためのものになるんですね」(酵素サプリメント)

 

「1週間分ということで、○○が食品ということもありまして」(にんにく卵黄)

 

 

期待値を下げたところで、「このお電話でご注文のお客様だけの特典」ということで本商品を紹介

 

「1か月分をご注文いただくと、お試しセットもプレゼント」
といったオファーで本商品へと引き上げる、という手順でした。

 

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「体験談みたいにすぐには…」で、リピートを

 

さらに、商品の同梱ツールや会報誌を使う例も見られます。

 

ある便秘ティーの初回同梱ツール。
写真付きで大きく取り上げられている体験談には…

 

 

「でも実は、飲み始めてからも広告や会報誌の体験談のように、
すぐにスッキリできなかったんです。

 

全く変化がないわけじゃなかったけど、
ウサギと同じようなコロコロしたものが出るだけ。
ドッサリを体感できるまで、半年はかかったと思います。」

 

 

お客様によっては、即効性を期待して買ったけど、
「なかなか効果を実感できないからやめてしまった」
という方も出てくるでしょう。

 

こういった方に、「皆がすぐに実感できるわけではないけども、いずれは変化がある」という意図が伝われば、「私も続けてさえいれば…!」と継続率のアップにつながるかもしれません。

 

「期待値を上回る」といえば、サプライズでのお礼状やプレゼントがお客様に喜んでもらえるのも、同じ原理ですね。

 

相手の期待値を想定して、それを上回るアウトプットを出す、私も実践してみようと思います!
(今回のブログは、皆さまの期待値に沿えたでしょうか??)
 
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