ゲームの技術やメカニズムを利用する“ゲーミフィケーション”。マーケティングへの活用が前編「リピート顧客がはまる、“ポイント”の仕組み」からの話。人がゲームにハマる要素として大事なのが、「可視化」「フィードバック」そして、ソーシャルゲームの急成長からもわかるように、「友達」です。具体的な事例を挙げてみると…。
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目次
“ゲーミフィケーション”とは?
さて、前編「リピート顧客がはまる“ポイント”の仕組みと『ゲーミフィケーション』」の最後で簡単に説明したっきりになってしまったのは、“ゲーミフィケーション”という概念。
人がゲームを楽しんだり、のめりこんでしまうノウハウを、ゲーム以外の領域、たとえばマーケティングで使う動きが最近増えてきています。
たとえば、くら寿司が「5皿食べたらルーレット!」と「当たると“ガチャガチャ”のようなおまけがもらえる」という単純な仕組みを使って、注文皿数を増やしている、という事例は前回で紹介しましたが、
他にも、米国ではスターバックスが、来店頻度の高いお客様に特典をつけるため、「マイスターバックス・リワード」というプログラムを用意。
(参考:「ゲーミフィケーション」井上明人 )
購入回数に応じて“スター”が貯まったり、カードの色が変わったり、それに応じてドリンクを無料でもらえたりなど、来店頻度を高める施策を行っています。
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人がゲームに“はまる”ために、欠かせない要素
このように、人がゲームにはまっていくために、欠かせない要素として、前編では“可視化”を紹介しましたが、2つ目に大事なのが、“フィードバック”の有無。
「ランクが上がる」や「ご褒美がもらえる」など、すなわち自らの行動に対して何らかの“報酬”を受けられることです。
ところが、その“報酬”が思わぬ逆効果となるケースも報告されています。
デシという米国の心理学者が1970年代前半に行った実験を紹介します。
テトリスのようにブロックを組み合わせるパズルで、被験者には遊んでもらいます。
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金銭的な報酬が、やる気をそいでしまう!?
2つのグループのうち、1つのグループには特に条件を与えずに遊んでもらうのですが、もう1つのグループには、1つ課題が解けるたびに、1ドルの報酬を与えることにしました。
報酬を与えることによって、普通ならば、ゲームへのやる気が、ますますアップするように思えます。
ところが、両グループを比べてみると・・・
1ドルの報酬を与えたグループの方が、ゲームに取り組む時間が減っていた、つまりモチベーションが落ちてしまっていたのです。
この実験結果は、“内発的”に意欲がもてる課題に、“外発的”な報酬をつけてしまうと、「好きだからやっている」という気持ちを阻害してしまう根拠として知られています。
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「特別なお客様」という気持ちをくすぐる、上手な手法
通販でも、前編で紹介したポイント制度やシールを貯めてのプレゼントなど、“お金”と直接に結びついたインセンティブを用意している会社は多くありますが、
一方、悩ましいのが、
「これを買ってくれたから、○○をあげる」
という“交換条件”として、お客様に意識されてしまうと、本来の購買意欲を下げてしまう恐れがあること。
そんななか、ハッと思い出したのが、リピート育成の上手な会社が、ロイヤル顧客に対して行っている施策です。
・手書きのお礼状を届ける
・誕生日に花をプレゼント
・特別な顧客のみが参加できる会への招待
など、金銭的な報酬と切り離したうえで、「特別なお客様」という気持ちをくすぐりながら、精神的な満足を上手に与えていますね。
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ソーシャルゲームが、数百億円と急成長した裏側
ちなみに、ゲームにのめりこんでいくため、もう1つ大事な要素が、“友達”の存在。
ゲームを一緒にプレーしている同士が話をすることで、感情が高まって夢中になりやすくなったり、自分の友達を呼び込むことで、新規プレーヤーを獲得したり。
そんな仕掛けを通じて、ソーシャルゲームは、短期間に数百億円の業界へと急成長しました。
(参考:「ソーシャルゲームはなぜはまるのか?」 深田浩嗣)
そんな“ソーシャル”な機能を販売に取り入れている、新しい動きが上述の本に書かれていました。
たとえば女性向けファッションECサイトでは、一人ひとりの顧客が気になった商品を「マイクローゼット」に並べて、それを他の顧客もWeb上で見られる仕組みを用意しています。
もう1つ、私が面白いと思ったのは、ユナイテッド航空のマイレージプログラム。
マイルが貯まると、カードの色が変わったり、優先搭乗ができるなど、他の人にも自慢できるような特典が用意されているのですが、なかには「チームバトル」というキャンペーンも。
複数人でチームを組み、チームメンバーの獲得マイルの合計数が前年と比べてどのくらい増えたか?を競うというものです。
この取り組みは、優れたロイヤリティプログラムを表彰する「フレディアワード」で賞を授与されたそうです。
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女性に多い「友達と一緒に」は、ポイント制度に活用できる!?
通販でも、お客様に話を聞いてみると、
「ママ友と共同購入して、ポイントを貯めていた」
「洗顔石けんでまとめ買いの割引があると、近所の人たちと一緒に買う」
「プレゼント交換をするときのために、
半分は自分用、半分は友達のために買った」
など、他の誰かと“一緒に買う”という局面が、(特に女性は?)多いんだなと気づいたことがありました。
たとえば、お客様同士が共同で貯められるポイントを用意する、そんな販売施策も、考えられるのかもしれません。
アイデアまでですが、「試してみよう!」と思われる会社様、もしくは「既にやってるよ」という会社様、
いらっしゃいましたら、教えていただければ幸いです。
ではでは、今回も長文を失礼いたしました。
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