日本の通販企業が台湾市場に進出したとき、初めに立ちはだかる難関が、広告による新規顧客の獲得です。
「日本で蓄積したノウハウは、海外でも通用するのか?」ある化粧品企業は、進出直後に出稿した広告で、“MR1.99”という驚異的なレスポンスを挙げました。
テストによって検証された“意外な事実”をお伝えします。
※2014年当時の事例です。
台湾事業の始め方と新規獲得の方法についてわかりやすくまとめました。
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目次
通販の”成功方程式”は、海外(台湾)と日本で同じ?違う?
こんにちは、スタートアジアの藤原徹平です。
昨年4月に台湾に事務所を開設し、私自身が実際に移住して1年が経ちました。
これまで数社に絞って、台湾での通販事業立ち上げをお手伝いするために、貿易や薬事申請、物流、また商品検討、制作、実施とその後の効果分析など、ほぼすべての工程を、お任せいただいてきました。
その結果、分かったことですが、台湾での通販においても成功のために重要な要素は、日本とさほど変わりません。
まずは効率のよい「新規顧客の獲得」、そして「リピート購入の促進」、この2つのバランスに限ると思います。
海外(台湾)での通販事情はどうなのか?果たして成功するのか?
このあたりを知りたいクライアント様が多いことから、今日はこの2つにテーマを絞り、具体事例を共有したいと思います。
台湾事業の始め方と新規獲得の方法についてわかりやすくまとめました。
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日本語の広告原稿を、“丸ごと翻訳”しただけで、台湾では通用する?
台湾への進出支援を始めて、「商品が売れるのか?」を実証するべくまずは新規獲得施策を進めていきました。
「本国で蓄積したノウハウが、海外でも通用するか?」を日本から進出するなら、知りたいはず。
我々のクライアントからも、日本で制作して出稿している広告を翻訳してテストしてみたいという要望をいただきました。
しかし私自身、「日本人の感覚と台湾人の感覚は違うので、ただ翻訳をしただけの広告は、当たらない」と考えていました。
(日本でも、外国の方が作った看板を見て「何かおかしい??」と感じることがありますよね。)
そこで、日本の広告翻訳版に加えて、台湾で0から作ったオリジナル版の2つでスプリット・ラン・テストを行うことにしました。
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MR1.99!圧倒的なレスポンスを記録して、分かったこと
実施5日目までは、圧倒的な差で“台湾オリジナル版”が良かったものの、その後ぐんぐんと“日本翻訳版”が伸びます。
最終的には追い抜いて、台湾版の1.3倍のレスポンスで着地しました。
しかもこの時に出たMR(費用対効果)が、脅威の1.99。
かけた広告費用に対して、199%の売上を広告だけで上げる、というすごい結果になったのです。
ここで学んだことは、
「台湾人の感覚は違うから、ただ翻訳するだけでは売れない」
という既成概念の方が、逆に通用しないということ。
同時に、日本で数多くのテストによって吟味されてきた広告はノウハウが詰まっているので、そのノウハウは台湾でも使うことができる、ということが実証されたように感じられて、勇気をもらいました。
さらに、広告の反響でお客様から商品の注文をいただいた際に、とれたデータにも、台湾ならではの特徴がありました。
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台湾のお客様が、携帯電話番号を簡単に教えてくれる理由
それは、1)携帯電話番号を連絡先に教える人が90%以上である
2)受注時間帯がほぼ均等にバラバラ、という2点です。
<時間帯別の受注件数>
・9:00~9.59 : 7.0%
・10:00~10.59 : 8.5%
・11:00~11.59 : 7.7%
・12:00~12.59 : 7.2%
・13:00~13.59 : 6.8%
・14:00~14.59 :12.1%
・15:00~15.59 : 9.7%
・16:00~16.59 : 7.7%
・17:00~17.59 : 7.7%
・18:00~18.59 : 7.0%
・19:00~19.59 : 7.7%
・20:00~20.59 : 7.0%
・21:00~ : 3.9%
これは後日に、物流会社とのミーティングで分かったのですが、台湾では共働き率が高いため日中、家は不在にしていることが多く、物流会社が商品を届ける時には、必ず先に電話確認をしてから配送するそうです。
だから90%以上もの人が携帯番号を教えていたのです。
受注時間帯も、それぞれが空いている時間に注文する場合が多いので、必然的にバラけるということです。
ちなみにこのデータは、この後のリピート施策でとても活きることになります。
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SMS(ショートメール)を活用した、“台湾流”CRMの威力
しばらく広告展開を行って、新規獲得のめどがついた頃、この受注時間帯のデータに着目して、あることを考えました。
移動中や昼食時、帰宅後にも・・など、携帯電話に接触する時間が長くなっているのは、台湾でも日本でも同じ。
ちなみに、携帯電話の「普及率」は、日本の103%を大きく超える、124%にまで高まっています。
私の携帯にも、2,3日に一度は、銀行や通信会社からショートメール(SMS)が届くのですが、注文時に携帯番号を教える率が90%以上もいるのなら、SMSをマーケティングに活かそうと考えました。
テストしてみたのは、DMを送る前に、2回のSMSを配信。
その後に、DMが到着するという企画です。
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レスポンス14%!予想外のスピードで大成功
SMSで配信したのは、以下のような短い文面です。
祝(商品名)台湾上陸一周年記念。VIPお客様セール。先着100本限定、特別割引価格、シークレットプレゼントを提供。シークレットプレゼントの内容は、http://(URL) 。数量限定、商品の確保、予約は0809080×××
貼り付けていたURLからは、プレゼントとして付けた“ポーチ”の写真を見れるようにしたのですが、配信直後、1時間も経つ頃には・・
配信数に対して、12%ものお客様がURLを確認していたのです。
その後、この2回のSMSだけで約3%ものレスポンスを獲得。
郵送DMも含めた企画全体としては、レスポンスはなんと14%にも。
大成功となりました。
と、ここまで成功事例をお伝えしてきましたが、もちろん苦労したことも、たくさんありました。
たとえば、台湾では化粧品や健康食品の定期コースは存在しません。
その分、継続的な売上予測を立てにくいのが、台湾で通販事業を行ううえでの難点なのですが、
「日本の通販会社の根幹を支えている、この定期購入モデルを台湾でも定着させたい!」
とクライアントと一緒に挑戦を始めています。
また進捗があれば、お伝えしてまいりますね。
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