電話やWebなど通販で商品を購入するためにはさまざまな方法がありますが、得に年配の方に今でも支持されているのは「ハガキ」です。
この申込ハガキにミシン目を付けただけで、チラシからの反応率が17%もアップした事例がありました。
A/Bテストの結果と、レスポンスが変化した理由について「アフォーダンス理論」をもとにした考察をお届けします。
2011年の記事です。
チラシ広告で優良顧客を獲得するための方法を分かりやすくまとめました。
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目次
ハガキ/電話 受注で重視するのは?
今日は初めに、チラシを使った比較テストの結果をお伝えします。
チラシを見たお客様が注文する方法は、電話をはじめ、ネット(検索)、モバイル(QRコード)などありますが、特に年配の方から注文が多いのが、ハガキです。
注文用ハガキは、付いているチラシとないチラシがありますが、
・ハガキを付けて、電話からの受注を減らし、コールセンターの工数を削減する
・逆に、ハガキをあえて付けず、電話からの受注に集中させて、インバウンドでのアップセルを狙う
など、チラシからの受注手段1つをとっても、各社のフルフィルメントやCRMを見据えた戦略が反映されています。
ところで、ハガキを付けることで、レスポンスは本当に変わるのか?
A/Bテストした事例があるので、共有いたしますね。
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健康食品で、注文件数が約40%アップ
ある健康食品のチラシでの、初回半額のオファー。
電話をかけてくれたお客様に、オペレータがまとめ買いをお勧めするのが成功していたため、あえてハガキをつけていなかったのですが、電話での注文を厭うお客様もいることを懸念。
今回、ハガキをつけたチラシとつけないチラシを半数ずつ印刷して、同媒体で配布しました。
A/Bテストといっても、厳密にはハガキを付けたチラシでは、その分だけ商品説明のスペースが減ってしまったのも事実。
訴求力が弱まるのも予想されましたが、結果は・・・
<A:ハガキ無> 約200件
<B:ハガキ有> 約280件
と、ハガキをつけただけで、注文件数が約40%もアップ!
CPOも3割近く削減され、心配されたまとめ買いの人数も減っていなかったのです。
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ハガキからの注文を、もっと増やすために
注文しようと思っても、「電話で会話をしたり、もっと高い商品を押し付けられたりするのがイヤだ」というお客様については、これまでは電話への受注に誘導することで、機会ロスを起こしていたのかもしれません。
その意味で今回、有効性が実証されたハガキですが、このハガキからのレスポンスを、もっと上げられるかもしれない方法が、実はあります。
それは・・
ハガキの切り取り線に、「ミシン目」を入れることです。
ミシン目とは、カレンダーやチケット等を切り取りやすいように、点々と入っている切れ目。
これがあると、ハガキを手でキレイに切り取れるのですが、そんな些細なことが、レスポンスに影響するのか?
このミシン目を入れているチラシと、入れてないチラシで、A/Bテストをした事例があります。
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ミシン目が入っているだけで・・!
あるチラシのAパターンとBパターンの違いは、ミシン目が入っているか?の、たったそれだけ。
ところが、ミシン目が入っているBパターンは、従来の入っていなかったAパターンと比べて、レスポンス率が17%も上がっていました。
ミシン目を入れるのは特殊な印刷となるため、もちろん印刷費も上がってしまいます。
そのため、レスポンスが増えても必ずしも費用/効果が合うわけではないのですが、
この場合は部数が数十万部単位と多かったので、そのコストに見合うだけの注文の増加があり、
費用/効果も改善されたのです。
では、なぜミシン目を入れただけで、このような反響の違いが生まれたのでしょう?
この事例を聞き、私が「もしかしたら!」と思ったのが、「アフォーダンス」という心理学用語です。
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プチプチを潰したくなる不思議な習性、「アフォーダンス」とは?
たとえば、商品の梱包などに使われるプチプチ。
このプチプチを見ると、ついつい潰してしまう。
そんな経験はないですか?
他にも、無意識でドアの取っ手を引っ張ったり、みずみずしいトマトがあれば指で押してみたくなったり。
(袋とじがあれば破いてみたくなったり、ビンゴの台紙の穴をすべて開けたくなったり・・?)
このように、「そこにあるものに自然に反応する」という人間の性向を、アフォーダンスと呼びます。
(参考:プチプチを潰したい – マーケティング・ブレイン )
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Webから学ぶ。人の行動を誘発するデザイン
上記のような人の行動を誘発するデザインは、特にWebでは工夫されていますね。
・クリックボタンを、枠で囲ったり凸型に見えるようにする
(いかにも押せそうな、ボタン型のデザインにする)
・メニュー切り替え機能を、タブを模したデザインする
などなど、自然にアクションを起こしうてもらうための工夫が細部にわたって散りばめられています。
(参考:アフォーダンスを意識する – Website Usability Info )
紙媒体でも、今回紹介したミシン目の事例のように、何か小さな工夫で、レスポンスの上がる余地は残されているのかもしれません。
もし皆様でも、何か思いあたる例があったり、テストしてみたりされたら、ぜひ教えてください!
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