単品リピート通販の事例から、

売れる仕組みのヒントをお届け

レスポンス率2.4倍に!コピーライティングの前に実践した、「売るためのリサーチ」の手順を公開

反応率の高いチラシやコンバージョン率の高いLPなどに欠かせないのが、お客様の心をつかむコピー。
「売れるコピー」はどうすれば書けるようになるのでしょうか?
コピーの成果を左右する”リサーチ“について、小さな会社でも多額の費用をかけず手軽に始められる方法をお伝えします。

なぜ、いきなり「書いてはダメ」なのか?年間50億円の広告費を預かって分かったこと

 

広告コピーを作るとき、いきなり「書こう」としていませんか?

 

Wordを開いて思いついたフレーズを打っていく、あるいは付箋やマインドマップにアイデアを書き出していく・・
原稿を書くというと、そんな場面が思い浮かぶかもしれません。

 

私たち株式会社ファインドスターは、化粧品や健康食品など「単品リピート通販」と呼ばれる業態を対象に、主に広告の制作・媒体の支援をしています。

 

通販は、売上の30~40%は広告費に充てることも珍しくないなど、多額の広告投資を行う業界。
私たちも年間約50億円の広告費をクライアントから預かって、広告を出してその効果を検証するなかで分かってきたことがあります。

 

それは、コピーライティングの技術が、必ずしもレスポンスを左右するのではありません

 

広告コピーの善し悪し、つまりダイレクトマーケティングではレスポンスを決める要素としては、「どう書くか?」より「何を書くか?」の方が重要なのです。

 

通販広告では、訴求するメッセージ(=何を書くか?)によって、大きくレスポンスが異なります。
つまり、どんなに技術の優れたコピーライターが書いても、訴求するメッセージがお客様の心を捉えていなければ、まったく売れない広告原稿になってしまうのです。

 

したがって、コピー作りのうえで大事なのは、(いきなり)「書かないこと」。

 

鍵を握るのは、事前のリサーチと訴求の決定なのです。

 

 

中小企業でもできる、簡単リサーチと3C分析

 

とは言っても、「リサーチ」というとモニターアンケートやグループインタビューなど「手間もお金もかかる」という印象をお持ちの方も多いと思います。

 

多額の費用を投資できる大企業はともかく、中小企業はどうすればよいでしょうか?

 

そこで今回は、誰でも手軽に始められる、売れるコピーづくりのためのリサーチと分析方法をお伝えします。

 

私たちは通販のチラシ広告を制作するなかで、直近では「他社原稿の2.4倍のレスポンス」(健康食品)、「目標値の4分の1のCPRに改善」(化粧品)といった実績を出すことができました。

 

これらの広告原稿を制作する前に何を調べていたかと言うと・・
・競合他社
・自社商品
・お客様

 

この3つの観点から、手の届く範囲で分かることを徹底的に調べていました。

 

これは、経営戦略で言う「3C分析」にならった考え方です。

 

3Cとは、ご存知のとおり「顧客」(Customer)「競合」(Competitor)「自社」(Company)。
このフレームワークに沿って、「何を言えば買いたくなってもらえるか?」を洗い出していくのです。

 

というと難しく聞こえるかもしれませんが、やっていることは特別に難しいことではありません。
順に見ていきましょう。

 

 

競合:10社を一覧表にして、「売れている理由」を丸裸に

 

1つ目は「競合」です。

 

同じカテゴリーの商品の広告を、10社ほどはピックアップしましょう。
私たちは普段チラシを制作しているので、チラシを集めます。

 

弊社ファインドスターでは、各種媒体から通販会社の出稿したチラシを収集しているので、ライバルになりそうな商品を、そこからピックアップしてきます。

 

もし見つからなければ、成分名などでネットで検索して、上位に出てきた商品サイトのLPを検索するのも次善策としてはよいでしょう。

 

ライバル会社のキャッチコピー訴求やオファー、主成分・内容量やキャッチコピー、1日あたりの摂取量や価格などを一覧表にまとめ、丸裸にしていきます。

 

そうすると、会社ごとに訴求ポイントや売れている理由が見えてくるので、「この訴求でチラシを作っても、大手企業に負けてしまう」「ここを差別化ポイントとして出せば、いけるのでは」などと考えてを膨らませていきます。

 

 

ちなみに弊社では、全国の新聞をデータベース化したサービスとも契約して、「どの通販会社が、いつどの媒体の何面に、どんなクリエイティブを出稿していたのか?」も瞬時に調べられるようになりました。

 

つまり、ある商品の広告が複数パターンのクリエイティブを出稿しているのも分かるので、どの訴求が失敗して、どの訴求が成功したか?も見当がつくようになりました。

 

ある健康食品の広告をつくったときも、「成分訴求」「権威者訴求」「シーン訴求」などいくつかの訴求が考えられましたが、予算が限られていたため、すべてをテストするのは難しい状況でした。

 

そこで、データベースから競合企業のクリエイティブをみて、実際にレスポンスがとれている当たっている訴求の当たりをつけました。
“勝ち馬”に乗るようなカタチで、1・2番目の訴求で広告を制作したところ、初回から目標値に近いレスポンスを出すことができました。

 

 

自社:「良いところ100選」で、意外な訴求ポイントが見つかる

 

続いては、自分たちの会社の製品の「良いところ」を100個洗い出します。

 

広告原稿でアピールできる、「コピーの種」を探すことが目的です。

 

「100個」と聞くと多いと感じられるかもしれません。
ですが、一般的な良いところは、その商品を販売している方なら「分かったつもり」でいるでしょう。

 

「良いところが思い浮かばない」という状態になって初めて、「実はこれも、ベネフィットと言えるのでは」「そういえば、お客さんからここを褒められた」など隠れた長所に目を向けるようになるのです。

 

たとえば、ある化粧品の広告を制作したときに洗い出した「100選」の例です。

 

・ボトルとキャップが一直線で小柄なので、旅行やお出かけの際にも持ち運びしやすい
・他社と比べて多くの植物由来エキスを配合
・定期お届けのサイクルが30日後・45日後・60日後から自由に選択できる

 

これらのように、普段は気にしていなかったちょっとしたメリットでも、書き出してみると、そこから広告で訴求できる材料が見つかることがあります。

 

 

ある化粧品企業では、「製品の認知度が低い」や「オファーの価格が高い」など、レスポンスを出すための条件がまったく揃っておらず、依頼を受けた時点では「反響のある訴求が作れるのか」と頭を悩ませていました。

 

ところが、「良いところ100選」の作業をしてみると、「実は、成分に希少性があるのは逆に価値なのでは?」「オファーも、このセット内容で4,000円なら、見せ方によっては、お得さが伝わるかも!」と可能性を見いだすことができました。

 

その結果、4,000円のオファーでCPR7,000円台と、初回テストで合格値を出すことができました。

 

 

顧客:ネット上の“赤裸々な悩み”がヒントに

 

最後に最も重要なのが、「顧客」です。
ターゲットとなるお客様は何を求めているのか?を、より具体的に洗い出していきます。

 

一番分かりやすいのは、お客様の生の声を聞くこと。

 

ある健康食品会社様では、会報誌に載せるお客様インタビューの取材のため、社長自らが定期的にお客様のご自宅まで足を運んでいます

 

また別の化粧品会社様は、愛用者の声を聞くため、東北から関西まで取材に回りました。
私も取材に同行しましたが、「キレイになるより、健康でいられる方が大事」など、思いもしなかった声も聞けて、コピーライティングのうえでも大きな気づきをもらいました。
(ちなみに、その方々の体験談を載せた広告原稿は、取材から3年たった今でも反響があり、継続的に使われています。)

 

 

販売を始めたばかりの場合や、協力してくれるお客様が見つからない場合は、ネットからでも拾う方法はあります。

 

肌悩みや美容についてのアンケート結果で、定量的な傾向を確かめられます。
また定性的な情報としては、「@コスメ」や「ポーラ研究所」、「Yahoo!知恵袋」といった口コミサイトで、ターゲットに近い層の方々が、どのような悩みや疑問を抱えているのか?も「生の言葉」で知ることができます。

 

ある育毛剤の広告をつくったときに参考にしたのですが、「薄毛」の悩みについて次のような投稿がありました。

 

“33歳女性。薄毛で悩んでいます。私は昔から髪が少なく、天然パーマの猫っ毛でした。分け目がすごく広くて目立 ちます。最近、分け目以外にも禿げてきたような気がして悩んでいます。(中略)昨年の夏から、洗髪時に急に抜け毛が増えたような気がして、数えると70本〜100本くらいあったようですが、就寝時に枕に抜け落ちたりとい うことはなかったので、あまり気にしないようにしていました。ですが、濡れた時の髪の厚みが随分減ったような気 がしていて、3ヵ月程前に合わせ鏡で自分の後頭部を見てみたところ、頭頂部がスカスカになっていて、自然に髪をおろしていると分け目以外にもところどころ筋のように地肌が見えているのです(中略)これは加齢のせいでしょうか?それとも、髪が伸びて重たくなったから、もともと少なかったのが目立つようになったのでしょか???泣きたいです…。(Yahoo!知恵袋より)

 

ネットだからこそ、リアルで面と向かっては言えないような赤裸々な悩みをつづれるのかもしれません。
「頭頂部がスカスカ」や「泣きたい」など、私の想像力では及ばなかった生々しい症状や感情を知り、制作にあたって大きなヒントになりました。

 

 

ある化粧品会社の広告を作っていた時に、「すっぴんでいられる」をメインにした訴求を前提に議論していました。
「すっぴんになりたい」女性が一般的に多いのか?と疑問に思い、オンラインでアンケートをとったところ、「60%の女性が、ファンデーションを面倒と感じている」という結果が出ました。

 

調査結果から、「すっぴん」は一般的な女性にはハードルが高い印象があるものの、潜在的なニーズはあることを改めて確認
クライアントのご担当者とも意見を出し合って、「すっぴん」を別の角度から表現して、「ファンデの要らないキレイな肌になる」を強調したコピーにしたところ、レスポンスを改善することができました。

 

このように思わぬ発見が生まれるので、先入観や思い込み、これまでの勝ちパターンにとらわれずに、顧客のリサーチをすることをお勧めします。

 

 

+α:薬機法などの法令で、「言えるライン」を見極める

 

これらの3Cに加えて、法令規制のレベルを確認しておくとよいでしょう。

 

化粧品や健康食品の場合、特に薬機法や景品表示法などの観点から適切な広告表現であるか?が特に問われます。
「広告表現でどのラインが適正なのか?」「どこまで言えるか?」もリサーチします。

 

たとえばダイエットサプリでは、合理的根拠なしの「体重の増減」や「ダイエット」の表記はできません。

 

ただし、ダイエットに関心のある方にこそ役に立てるという想いがあるので、コピーの代替となる暗示表現を工夫する、モデル写真のビジュアルの強さで補う、漫画やイラストで表現する、など工夫します。

 

これらがどこまで許されるのか?のラインを見極めるのです。

 

弊社では、コンサルティングサービスを契約していて、制作した広告が薬機法などの観点から問題がないか?をチェックしてもらえるのですが、これを広告を作る前に活用しています。

 

何をやるかというと、競合他社のチラシを広告制作前に提出するのです。
そうすると、問題がある箇所を指摘してもらい、またコピーの言い換え案を提示してもらいます。

 

これをたたき台として、「どんな表現を使うか?」「この言葉がダメなら、こんな案はどうか?」をクライアントと作戦会議をするのです。

 

 

法令で言える範囲を過度に狭く解釈して、コピーが弱まってしまっては、レスポンスが悪くなりますし、かといって冒険をしすぎて、法令の範囲を逸脱してはいけません。

 

したがって法令遵守という前提のもと、リスク許容度と目標CPAを天秤にかけて判断をします。

 

 

お客様との出会いが生まれる広告を

 

これまで「自社」「顧客」「競合」、加えて法令規制の4つの観点から、広告を作る前の準備段階のリサーチで何をすべきか?を具体的にご説明してきました。

 

リサーチができたら、「何を書けばよいのか?」、つまり広告の訴求メッセージについては、いくつかの案が自ずと浮かんでくるでしょう。

 

最終的に売れる広告ができるまでは、この「訴求の作り方」や「テストの設計」、「コピーの流れ」「デザインの技法」など、さまざまな技術がありますが、また機会があれば解説したいと思います。

 

 

今回ご紹介した技術の一部には、弊社で契約しているデータベースやコンサルティングサービスなどにもとづいた方法もありますが、多くは読者の方でも実践できるものです。
あなたの会社でも、ぜひ広告づくりに役立ててください。

 

このような地道なプロセスを実践して、私たちは次のような実績を出すことができました。

 

・健康食品
他社原稿の2.4倍のレスポンスで、CPRを4,500円〜7,500円(オファーは3,000円)まで改善

 

・化粧品
:チラシのレスポンス率が約0.4%、CPR2,900円(オファー1,500円)。目標値の4分の1程度のCPRにまで改善

 

その他にも、全体にレスポンスが悪化していると言われる紙媒体(チラシの同封同梱広告)で、0.1%を超える反応率を連発するなど、2015年7-12月には初回テストを実施した全クライアントで目標値を達成することができました。

 

競合を踏まえたうえで、自社(商品)の強みをもう一度洗い出し、顧客の声を聞く。

 

このプロセスを意識的に行うことによって、あなたの会社とお客様の出会い・つながりが生まれる、素敵な広告ができるよう、願っております。