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「回帰分析」で、“眠った”データから利益を生むマーケティング手法

マーケティングにおけるデータ活用で、忘れられがちですが有効なのが「回帰分析」。
ある事象同士の相関性を調べて、原因→結果となる方程式を組み立て、利益の最大化に役立てる事例が、米国を中心に出てきています。
通販化粧品で引き上げ率を改善したケーススタディも交え、収益改善のために“眠ったデータ”を活用する考え方をお伝えします。

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
解説資料はこちら
 
 

「CPOが上がって、困っています」

 

いきなりですが、化粧品・健康食品通販の会社様から、最近枕詞のようによく聞くお言葉です。

 

広告のレスポンスはもちろんですが、トライアル商品をオファーとする会社から伺うのは、本商品への「引き上げ率」が下がっているというケース。

 

先日、弊社の社員がある化粧品会社様から相談されたのは、20%代半ばを維持していた引き上げ率が、最近では20%を切ってしまったとのお話でした。

 

・サンプル・マニアが多いのか?
・競合商品が増えて、スイッチングしやすくなったのか?

 

そんな事態を打開しようと、初回同梱物やアウトバウンド、DMなど各社さまとも工夫を凝らして、施策をとられていますね。

 

そんななか、少し切り口を変えた施策で、同じような課題に取り組んだケースを思い出したので、以下にて抜粋・共有させていただきます。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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引き上げ率と相関のあった、ある商品の購入履歴

 

「対策を始めて3ヵ月後、大量のデータと格闘していた経営企画室の浜口が、興奮した面持ちで社長室に入ってきた。

 

ある洗顔ジェルを購入した顧客が<常連客>になりやすい、という意外なことがわかったのだと言う。

 

きっかけはちょっとした出来事だった。

 

毎夜の残業で作業に行き詰っていたとき、浜口がお客様からのアンケートをバラバラとめくっていると、洗顔ジェルのことをほめているコメントが多い。

 

しかも、文面から常連さんと思える方が書いている傾向があるように思える。
そこで、

 

『洗顔ジェルの購入履歴と<常連客>への引き上げ率に相関関係があるのでは?』と
仮説を立てて生データをあたってみたところ、実際に当たっていたことが、数値として証明された
というのだ。」

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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新規客への“お薦め商品”を徹底すると

 

唐突に「なんのことか?」と思われた読者様、いらっしゃいましたら失礼しました!

 

見込み客の引き上げやリピート顧客育成について書いた「顧客育成シナリオ 不在の罠」からの引用です。

 

 

ストーリー形式にまとめた、ケーススタディなのですが、元にしたのは、化粧品通販の現場で実際に起こった事例。

 

(本当はそのままレポートしたかったのですが、機密の関係上具体的なシチュエーションを変更して、エッセンスだけ残しました)

 

 

このケースの場合、「洗顔ジェルは肌へのうるおい効果をすぐに実感しやすい」ので、この商品をきっかけに、ファンになってくれたお客様が多いと予想されたとのこと。

 

そこで、新規客へのお薦め商品としてこの洗顔ジェルを買ってもらうよう誘導するのを、2回目購入促進のDMでもインバウンドのトークでも徹底したところ、

 

新規客が2回目購入、さらにリピート購入するまでの導線をスムーズに整備でき、「常連客」まで育つ割合が増えていったのでした。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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“A/Bテスト”だけではない!「回帰分析」によるデータ活用とは?

 

ダイレクトマーケティングは、「データベース」に基づいたマーケティングと言われますね。

 

そこでよく行われるのが、「A/Bテスト」です。

 

仮説をもとに実験してデータをとって、そのデータをもとに次の施策に活かす。

 

統計学では、これを「無作為抽出テスト」と呼びますが、もう1つ、データを使った分析手法が「回帰分析」です。

 

 

「ビールを買ったお客様は、おむつをよく買う」

 

スーパーマーケットの購入データから分かったそんな傾向を聞かれたことがあるかもしれませんが、

 

ある事象同士の相関性を調べて、原因→結果となる方程式を立てられないかを探る。

 

この分析手法を利益へと結びつけている例が、米国を中心に増えてきています。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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顧客対応を選別する、アルゴリズム

 

たとえば、米国最大のクレジットカード会社の一つ、キャピタル・ワン。

 

同社には、毎月250万人から電話がかかってきますが、そのうちカードを解約したいという電話の場合、統計的に裏付けられたアルゴリズムが働きます。

 

もしその顧客が「どうでもいい」人だったら、すぐに自動的なサービスに回されて、ボタンをいくつか押すだけで、解約手続きが完了。

 

一方、もしその顧客が収益源なら、コンピューターはその電話を「慰留専門家」にまわし、引き留めるために利息を下げる提案をさせる、という驚くべき仕組みができているそうです。

 

(出典:「そこの数学が戦略を変える」イアン・エアーズ)

 

 

同書には、「顧客を逃さずにどこまでお金を搾り取れるか」について、実に高度な予測を使っているカジノという、驚くべき例も載っていました。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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お客様の“懐の痛み”を調べるカジノ

 

カジノを運営するハラーズ社、その顧客の一部は、遊んだあらゆるゲームについて、磁気カードに記録されます。

 

この「ギャンブルデータ」と、その顧客の年齢や居住地、年収といった属性データが組み合わされて、

 

それぞれのギャンブラーが
「いくらまでならお金をすってもそれを楽しめて、またここに戻ってくるのか?」
を予測するというのです。

 

回帰分析によって導き出された、この損失の限界額を“痛みポイント”と定義したうえで、スロットマシンですってしまったお客様に、システムがこう「ささやく」というのです。

 

「今日はどうもツキがないですね。
店のおごりで、奥様と食事にでもおいでになってはいかがでしょうか。
当店のステーキハウスが好きなのは存じておりますし」

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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これまで蓄積してきたデータにも、収益アップのヒントが

 

と、最後は極端な事例を紹介してしまいましたが、今回お伝えしたかったのは、

 

テストをして未来のデータを集めるのに加えて、これまで蓄積しているデータのなかにも、収益アップのためのヒントが眠っているかもしれません、ということでした。

 

後半で例にあげた複雑なデータ分析については、文中で紹介した「その数学が戦略を変える」という本に「絶対計算」という手法が載っています。

 

ご興味ある方はご参照くださいませ!
 
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