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反応率50%アップ!A/Bテスト事例を、「ホイラーの法則」から読み解くと

ある化粧品通販会社で、広告のキャッチコピーを変更しただけで、反応率が50%もアップした事例がありました。
人を行動へと突き動かすコピー、そのコピーづくりの裏側には何があったのでしょうか?
セールスの古典「ホイラーの法則」から、「ユー能力」や「シズル」という考え方と合わせて紹介します。

化粧品のチラシ広告、A/Bテストの背景

 

事例として掲載のご許可いただいたのは、弊社が広告の制作・実施をお手伝いした、ある化粧品のトライアルセットのチラシ広告。

 

 

・内容:クレンジングオイル、オールインワンジェル、クリームファンデーション

 

・価格:1,980円

 

・特長:高名なメークアップアーティストが開発。
特にファンデーションは、プロがメイクしたような仕上がりに

 

 

テレビ出演等で知名度の高い、メークアップアーティストが開発した商品ということで、彼のブランド力を前面に押し出した訴求表現をとることにしました。

 

初めにテストしたキャッチコピーが以下です。

 

 

・コピーA:
「あの○○○○○○が、この価格で試せる」

 

※○○○○○○は、メークアップアーティストの個人名

 

 

キャッチコピーを変えただけで、反応率が1.48倍に

 

この原稿では“合格点”のレスポンスが出たのですが、続いて2回目の出稿。キャッチコピーだけを変更したパターンをつくり、A/Bテストを行いました。

 

 

・コピーB:
「まさに-10歳肌!誰でも簡単プロメイク」

 

 

結果は・・・なんと、コピーBのレスポンスは、コピーAの1.48倍に。

 

キャッチコピーを変更しただけで、50%近くもの差が生まれたのです。

 

 

実は、1回目のテストの後、制作チームが確かめたかったのは、「○○○○○○」というブランドを押し出した訴求が本当に一番有効なのか?という疑問でした。

 

 

チラシの右隅、アンケートでわかった意外な結果

 

1回目のテストの際に、お客様の声を拾うために、チラシ裏面「注文用ハガキ」にアンケート欄をつけました。

 

 

<アンケート欄の文言>

 

チラシで気になったのは何ですか?
気になるものにチェックをお願いします

 

□ ○○○○○○ (※メークアップアーティスト名)
□ 特別価格
□ アーティストのお墨付き
□ 簡単にプロ仕上げ

 

 

当初の仮説どおりなら、メークアップアーティスト名にチェックが入るはず。

 

ところが、有効回答のほとんどにチェックが入っていたのは、「簡単にプロ仕上げ」でした。

 

 

お客様にとっての“シズル”を探り当てる

 

また、意外だったのは「購入者の年齢層」。

 

当初想定していたよりも10歳ほど高くて、50~60代が多く、シミ・シワなどの肌悩みをしっかりカバーしたい層だと判明したのです。

 

 

お客様は、メークアップアーティストのブランドに魅力を感じているのは前提として、実は
「その化粧品を使うことで、どのように自分が変わるのか?」
を求めているのかもしれない・・

 

 

このような、お客様への調査と洞察から生まれたのが、先ほどの
「まさに-10歳肌!誰でも簡単プロメイク」
のキャッチコピーだったのです。

 

 

このケースを読み返して、読者の皆さまにも「ぜひ共有させていただきたい!」と思ったのが・・・

 

聞いたことがある方も多くいらっしゃるかもしれません、以下の言葉です。

 

 

「ステーキを売るな、シズルを売れ」

 

 

販売スタッフに必須の、「You能力」とは?

 

“シズル”とは、ステーキをジュージューと焼く音のこと。

 

「お客がそれを買いたくなる主要な理由」です。

 

そのシズルを見つけ出すために大事なのが、見込み客の「で?」という質問、すなわち・・

 

 

「それをすることで、私にどんな良いことがあるのか?」

 

に答えること。
「ホイラーの法則―ステーキを売るなシズルを売れ!」(E・ホイラー)という本に紹介されている事例を、紹介します。

 

 

舞台は、20世紀前半のアメリカ。

 

題材となる商品は、“洗濯ばさみ”です。

 

従来から売られていた“丸型”に代わり発売された“角型”ですが、「お客様にとって何がメリットになるか?」を考えあぐねていたそうです。

 

 

新商品を“幾百万と売った言葉”が生まれた偶然

 

「この商品のシズルは何だろうか?」

 

ふと、洗濯ばさみを落としてしまったホイラー氏。

 

そのとき彼の脳裏に思い浮かんだのは、洗濯ものを干している1人の婦人の姿
彼女が同じように、洗濯ばさみを落としたシーンです。

 

 

「彼女は片腕にいっぱい洗濯ものをかかえ、もう一方の濡れた手に洗濯ばさみを持ち、口にもそれをくわえて、台所から外へ出ようとしている。

 

突然洗濯ばさみが床に落ちた。

 

そのはさみは丸型だったため、コロコロと転がって、暖炉の下へもぐりこんでしまった。(中略)

 

(洗濯ばさみを見失ってしまった婦人は、)
新しいものを取りに、もう一度引き返さなければならない。」

 

 

ご婦人たちに“ピン”ときた、7文字の簡単な言葉

 

そこで浮かんだ“シズル”がこちらです。

 

 

「角型洗濯ばさみは、床に落ちてもころがりません。

 

万一落としたとしても、かがんで拾い上げるだけの手数です。

 

少しも仕事の邪魔になりません。
あちこちと探しまわる必要はないのです。」

 

 

ホイラーはこの言葉を練り直して、7文字にまとめ直しました。

 

 

「ころがりません!」

 

 

店員には、この7文字を2秒間で話せる「保証付きの売り言葉」として教育。

 

その結果、お客様であるご婦人たちに“ピン”ときて、幾百万と売れる大ヒットへと結びついたそうです。

 

 

販売スタッフに必須の、「ユー能力」とは?

 

“シズル”の本質は、
「それが、私にどう役立つのだろうか?」
という、お客様の心をよぎる質問に答えること。

 

そのために売り手に大事な能力が、「ユー能力」と著者は言います。

 

 

「ユー能力」とは、垣根のあちら側に立つ能力、「ユー」すなわち「あなた」の側に自分を置く能力である。

 

いいかえるならば、人の目には見えない「シズルのめがね」をかけて、お客の目を通して自分の商品を見る能力である。

 

また別の言葉でいえば、「ユー能力」とは、「私」のかわりに「あなた」という能力であり「シズル」をお客が重要だと思う順序に並べる能力である。

 

 

「お客様の立場にたって」考え続けるために・・

 

「お客様の立場にたって考えるのが大事!」

 

よく言われる言葉ですね。

 

ですが、企画を立てているとハッと気づくのは、いつのまにか、販売する側の視点に、凝り固まってしまっていること・・・

 

 

どうすれば、この「ユー能力」を普段から発揮できるのか?

 

なかなか難しいですよね。

 

 

そんなことを考えながら、弊社のクレド(社員の行動指針)を読み返していたある時、改めて目に止まった項目がありました。

 

「私たちは、相手の立場に立って行動します。

 

相手の立場に立つとは、『相手に何をしたら喜ぶのか』を考えることです。

 

相手の立場に立って行動することで、円滑なコミュニケーションが生まれ、仕事をスムーズに進めることができ、深い信頼関係を築くことができます。」

 

 

こんな風に、相手の立場にたって考えることをなかば強制的にでも習慣付けられるのは、販売者の観点から、貴重な機会なのかもしれない!と思いました。

 

 

皆さまも、「ユー能力」を高めるため、何か意識されていることありましたら、教えていただければ幸いです!