単品リピート通販の事例から、

売れる仕組みのヒントをお届け

なぜ台湾では、「お友達紹介」キャンペーンが日本以上に売れるのか?

新規顧客獲得のうえで、費用対効果が高く良質な顧客を集めやすい施策として知られる「お友達紹介」。日系通販企業の進出が進む台湾で、このお友達紹介が日本以上に有効に機能することが分かってきました。その背景にある台湾特有の事情と、お友達紹介キャンペーンの事例、さらにはCRMとも連動した新たな販売モデル構築への取り組みについて解説します。

「招待券」を付けたお友達紹介のチラシ

「使い切らないうちから、まとめ買い」不自然な購買行動の裏側には?

 

きっかけは、ある化粧品通販クライアントの購入データを分析していて、奇妙な傾向に気づいたことでした。

 

台湾では、「まとめ買い」が盛んです。
「2本」「3本」と一度に購入する顧客の比率が日本よりは高いのですが、その頻度が不自然に高い顧客群が見つかったのです。

 

商品の使用期間は、通常の使い方をしていれば約1ヶ月間のはず。
それなのに、つい先日に1本購入した顧客が、1ヶ月も経たないうちに3本もまとめ買いをしていました。

 

不思議に思った私は、「お客様に直接聞いてみよう!」とクライアントに頼み、何名かの顧客にインタビューをさせてもらうことに。
そこで判明したのが、「商品を気に入ると、家族や親戚、知人友人に“おすそ分け”するためにまとめて買う」という顧客が、少なからずいるということでした。

 

 

台湾で暮らし現地の方々と話していると、「誰かに勧められて、モノを買った」というエピソードをよく聞きます。

 

特に中華圏ということもあって、家族や親戚など「身内」の絆が強いのは日本以上
自分が使って「良いもの」と思うと、「親戚の集まりで配る」や「家族にプレゼントする」というのはよく見られる光景だそうです。

 

 

CPO換算で2,000円台!お友達紹介キャンペーンは上々のスタート

 

このように「気に入った商品を、まわりに薦める」という習慣があるならば、これを利用しない手はない!

 

そう考えた私は、新規獲得の1つのチャネルとして、「お友達紹介」を提案することに。
既存顧客30,000人近くに、2ヶ月間限定のキャンペーンを実施しました。

 

割引価格のほか、「紹介された人」と「紹介した人」に共通してノベルティをプレゼント。
専用のLPを用意してメールやSMSから誘導するオンラインの施策に、定期商品発送時にチラシを同梱するオフラインの施策も合わせてテストしました。

 

「招待券」を付けたお友達紹介のチラシ

「招待券」を付けたお友達紹介のチラシ

 

その結果、紹介から新規に購入してくれたお客様は150件以上
CPOに換算すると約600元(約2,400円)で目標値の半分近くと、初回にしては上々の滑り出しとなったのです。

 

※数値やクリエイティブについては、クライアントの特定を避けるため多少加工・調整しています。成果については、実際の結果と近い数字を入れています

 

 

FacebookやLINEからの拡散を、顧客DBと紐付けて効果検証できるように

 

この結果を受けて、複数の通販企業でお友達紹介キャンペーンを実施させてもらいましたが、いずれも良い結果に。
これを受けて私たちが考えたのは「紹介施策を一時的なキャンペーンではなく、新規獲得の仕組みに落とせないか?」ということでした。

 

たとえば、新規顧客に送るステップメールやSMSの末尾で「お友達紹介のプレゼント」を告知。
FacebookやLINEなどで拡散するボタンを設置して、拡散しやすい環境を作りました。

 

 

施策にあたって欠かせないのは、効果測定です。

 

単にソーシャルボタンを設置するだけなら、「どの顧客からの紹介でコンバージョンしたか?」が分かりませんが、顧客データベースと連動して既存顧客1人につき固有のタグを発行。

 

LINE・Facebookの口コミを既存顧客固有のタグを発行して「見える化」

LINE・Facebookの口コミを既存顧客固有のタグを発行して「見える化」

 

「どの顧客が、何回拡散したか?」「誰からの紹介で、何人が買ってくれたか?」を、オンラインで可視化できる仕組みを構築しました。

 

この結果はまだ出ていませんが、PDCAを重ねていき、「お友達紹介」を新規獲得の計算できるチャネルとして開発していくのがこれからの目標です。

 

顧客管理システムで、紹介した顧客とされた顧客を追跡

顧客管理システムで、紹介した顧客とされた顧客を追跡

 

 

今回ご紹介した「お友達紹介」の仕組み、通販ビジネス固有の仕組みというよりは、「訪問営業」や「ダイレクト・セリング」など別のビジネスで発展してきた販売方法と、考え方としては近いでしょう。
これらの売り方も、対人チャネルを活用したダイレクトマーケティングの一種と位置付けることができるかもしれません。

 

日本の単品リピート通販で培われてきた良いところを取り入れつつ、台湾独自の商習慣や購買行動に合ったさまざまな売り方を、これから開発していきたいと考えています。