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レスポンスの獲れる広告媒体、選び方のポイントは「帰属意識」

通販で反響の良いニッチメディアの1つが、会員制組織への加入者に送られる会報誌。
数多くの商材で高レスポンスが記録される現象には、どのような原因があるのでしょうか?
「帰属意識」という耳慣れない言葉が、浮かび上がりました。

伝統芸能情報の会報誌、高レスポンスの理由は?

 

通販でレスポンスの良いニッチメディアのひとつが、ある「伝統芸能」の会員制組織への加入者に送られる会報誌です。
購読しているのは、40~60代の富裕層マダムが中心。

 

産直品や和菓子などの食品、高級化粧品を中心にチラシを出すたびに高レスポンス。
反応率が1.0%に迫るケースもたびたびあったとか。
そのため、商材によっては数ヶ月先まで枠の予約が埋まっていて、なかなか出稿できないこともあるそうです。

 

 

なぜこのように、さまざまな商材で高レスポンスがとれるのか?

 

「読者の“質”が良い」「会員の嗜好に合った商材を選んでいる」など思い浮かぶ理由のなかで、私たちも完全に把握できていないのですが、有力な仮説として浮かんでいるのが、会員の「帰属意識」です。

 

 

集団に所属していたいという欲求が高いほど

 

「帰属意識」とは、何かの集団やコミュニティに所属していたいという欲求のことです。
帰属意識が高い人は、その集団が薦める行動をしたり、モノを買いやすいのは容易に想像がつくでしょう。

 

会員誌にチラシが同梱される場合は、以下のようなコメントが記載されるケースもあります。

 

<○○会員の皆様へ>
今回、○○会員の皆様にご案内させていただくのは、△△△(商品)です。
(中略)是非この機会にお試しください。

 

 

ところが、会員や顧客に配布される冊子でも、会員の間で熱心に読まれているものもあれば、広告を出してもほとんど反応がないという媒体も

 

会によって異なる帰属意識。この違いを生み出すものは何でしょうか?

 

 

アメリカの「フラタニティ」と、トンガの部族社会に共通する加入儀礼

 

ここで、変わったエピソードをご紹介します。

 

アメリカの大学のサークルのような組織(フラタニティ)では、入会を希望する者に殴打を加えたり、寒い森のなかに半袖姿で置き去りにしたりなど、「地獄週間」と呼ばれる期間があるそうです。

 

ところが、このように厳しい新人いじめを受けたメンバーが、その団体を嫌いになるかというと逆で、自分が属する集団を魅力的で価値があるものに思うようになっていくそうです。

 

これは、海兵隊やトンガの部族などの組織でも同じ。
54の部族の文化を調べたところ、最も劇的で厳格な加入儀礼を持つ部族の連帯が最も強いという結果も出たようです。

 

 

これらの現象から分かるのは、「何かを得るために大変な困難や苦痛を経験した人は、同じものを最小の努力で得た人に比べて、自分が得たものに対して価値をおくようになる」という傾向です。
(出典:「影響力の武器」ロバート・B・チャルディーニ)

 

 

帰属意識が高い媒体を選ぶために

 

もちろん、現代の会員制組織で↑のような乱暴な加入儀礼などない場合がほとんどだと思いますが、ポイントは会員でいるために時間やお金など何らかのコストを自分が負担しているか、という点。

 

「会費を払っているか?」「会員は何らかの活動に参加しているか?」「入会審査があるか?(会員であることがステータスか?)」等々、帰属意識を見極める要素の一つかもしれません。

 

 

初めに紹介した伝統芸能会員情報誌も、会員は年会費を支払い、芸能鑑賞へ足を運びやすいような特典がついているとのこと。

 

一般にはなじみがないかもしれませんが、他にも「帰属意識が高い」といわれる会員を並べてみますと…

 

・冠婚葬祭の費用を積み立てる「互助会」会員
・カタログ通販の頒布会購入会員
・動物・自然保護協会への入会者
・クレジットカード会社のゴールドカード会員
・自然派食材宅配の定期購入者 等

 

今回ご紹介した「帰属意識」のほかにも、「オン・ザ・テーブル」や「顧客リスト」などのキーワードが。
会員向けに送られる媒体を使って高レスポンスを獲得するための媒体の選び方、また機会があればお届けしていきますね。

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