単品リピート通販の事例から、

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単品通販の海外事業、多国展開は3ステップで !“鉄板”の台湾に続き、香港・シンガポール・マレーシア・・

この数年間、単品リピート通販でも盛んになっている海外展開。

アジア市場に進出するなら、どの国からスタートして、どう広げていけばよいのでしょうか?

台湾や香港、シンガポールにマレーシア、中国(本土)など国・地域別の展開法を、3つのフェーズに整理してお伝えします。

他国展開の他社事例

初めての海外進出なら、日本企業の成功事例が多い台湾に

 
もし海外進出をこれから始めるなら、最初に販売するのは台湾がおすすめです。
 
この記事でも書いたように、2010年代前半から化粧品や健康食品など日本の単品リピート通販企業の台湾進出が相次ぎました。
弊社だけでも、30社以上のEC通販企業の進出をサポート。
 
「4年間で年商10億円」「売上7.5 億円を達成」など売上を急速に伸ばす事例が相次ぎました。
(参考:単品通販でアジア進出するならどこがよい?台湾市場の実情と、日本企業の最近のKPI
 
単品通販商材では、日本企業が最も多く進出しているマーケットです。
 
先行事例が豊富にあるため、事業の見通しも立てやすいですし、「商品やブランドが、アジア市場(特に中華圏の消費者)に受け入れられるか?」の判断も付けやすいでしょう。
 
参入が重なると、この2,3年間でマーケットでの競争も激化。
新規獲得効率も悪化しましたし、先行者利益によって爆発的な成長を遂げられる時期も過ぎました。
 
マーケット規模からも、日本と同レベルの売上を望むのは厳しいでしょう。
 
台湾マーケットの概観

台湾マーケットの概観

※1出典「台湾財政部財政情報センター、台湾行政院、台湾資訊工業策進会」


 
それでも、新規獲得の効率は日本と比べると「約3倍の費用対効果(MR)」が水準と、断然に高いのは事実。そのうえで・・
 
・中国語(繁体字)の販促物は、香港やシンガポールでも応用可能
・法人税率が20%と日本(40%)の半分の低さ
 
といったように、アジア事業の足がかりとして台湾に拠点を置くメリットが大きいことは、前述の記事でもお伝えしました。
 
 

「台湾の次」は?アジア市場“攻略”は、3ステップで

 
台湾はじめ1カ国目での販売が軌道に乗ったら、次はどの国に展開していけばよいでしょう?
 
私たちも現時点では、台湾や香港での成功パターンが見えてきた段階。
シンガポールやマレーシア、タイなど、通販企業の進出をお手伝いして軌道に乗せられたケースももちろんありますが、まだ個々の成功事例にすぎません。
 
ですが、アジア展開に向けて、大まかには以下のような見取り図ができてきました。
 
他国展開の他社事例
 
 

ステップ1:台湾・香港

 
第1の進出国として台湾を選ぶべきはこれまで述べたとおりですが、第2の進出国としては香港が適切でしょう。
 
経済水準の高さやEC市場の発達はもちろん、中国語(繁体字)が通じるので、台湾での成功パターンをそのまま応用できるのも魅力です。
さらに顧客層を広げるためには、もう1つの公用語である英語のクリエイティブも、テストします。
 
もし台湾に拠点があれば、初めは現地に拠点は設けずに、越境ECでテスト販売するのが得策です。
 
日本から商品を発送する場合は、送料だけで1,000円程度がかかってしまいます。
一方台湾からですと、国内発送が約300円。香港についてはプラス約100円の400円程で送れます。
 
送料を安く送れるのも、台湾に拠点を置くメリットです。
 
 

ステップ2:シンガポール・マレーシア

 
続いては、シンガポールとマレーシアです。
 
同じく中国語(繁体字)が通じる人口の割合が高く、特にシンガポールは英語が通じやすいなど、言語のハードルが低いのが魅力。
(マレーシアは、英語の後に現地語のマレー語のクリエイティブをテスト。)
事業モデルや顧客ニーズなど手探り段階ですが、日本企業の進出もこの1,2年間で増えつつあります
 
・シンガポールは、製品輸入や広告表現の規制が緩やかなので、現地法人または代理販売向き
・マレーシアは、健康食品は輸入の時間がかかるので、越境ECからテストから開始が多い
 
といったように、ローカルの事情に合わせ進出の方法を計画します。
 
 

ステップ3:多国展開

 
ステップ2まで3-4ヶ国で事業が軌道に乗ったら、別の国への展開の可能性も広がります。
 
よく名前の挙がる中国(本土)ですが、市場規模は大きくECも発達しているものの、「天猫商城 (Tmall)」や「京东商城(ジンドン)」はじめモールでの販売が主流です。
単品リピート通販の事業モデルは、現時点では成り立ちにくいと、私たちは判断しています。
(モールでの展開は私たちもサポートしていますし、自社通販についてもこの数年間で変化する可能性も大いにあるでしょう。)
 
他にも、ベトナムやタイ、インドネシアなど東南アジア諸国も候補です。
商材によっては、アメリカやヨーロッパも検討できるかもしれません。
 
越境ECでリスクを抑えて、市場性をテスト。
相性が良さそうな国が見つかりしだい、「自社で現地拠点を開設」や「パートナーによる代理販売」などで本格的に進出する、という進め方をとるとよいでしょう。
 
 

ゼロベースで進出先を探すとき、経済規模のほかチェックすべきは?

 
先ほど挙げたフェーズ3については、進出先には多数の選択肢があります。
私たちもオーダーメイドで進出先を議論していくこともありますが、その時に検討している項目を紹介します。
 
 

ポイント1:マーケットのサイズは、十分にあるか?

 
真っ先に調べるのが、当たり前ですが、国や地域のマクロな経済規模です。
具体的には、「人口」と「1人あたりGDP」を比べましょう。
 

アジア圏 GDP上位10カ国の人口・一人当たりGDP

アジアでのGDP上位10カ国の人口・一人当たりGDP

※2出典「国際通貨基金、国際連合」


 

台湾の人口は約2,400万人に過ぎないですし、ステップ1や2のテスト段階では、必ずしも規模が大きくないマーケットを選択するのも、合理性があります。
ですが、ステップ3以降で本格的に展開するに際しては、規模のあるマーケットを目指すことを推奨しています。

 
 

ポイント2:ネット通販という業態が、儲かりそうか?

 
この点では、「EC市場の規模」や「EC化率」といったデータをまずは調べるとよいでしょう。
日本ではAmazonや楽天に相当するような、大規模なECモールが存在するか?もヒントになります。
物流や決済など、インフラの整備も不可欠です。
 
(参考)「通販EC企業が初めての海外進出先を選ぶときにチェックしたい、5つのポイント
 
とりわけ単品リピート通販という業態では、新規顧客を獲得するのに適した広告メディアが存在することも大事です。
台湾では、Facebookのアクティブユーザー率が人口の80%近くと高いのが奏功し、Facebook広告が新規獲得チャネルとして大きな役割を担っています。
「ネット広告市場が大きいか?」や、「SNSなどメディアを利用するユーザーの人口比率が高いか?」もチェックしましょう。
 
 

ポイント3:日本企業が、ビジネスをやりやすいか?

 
マクロの経済規模や、ネット通販市場の事業性が合格ラインだったとしても、さらに検討すべきが、日本企業が競争で勝ちやすいか?
 
一般的に日本企業が、その国に進出をしている度合いを調べましょう。
「商習慣がマッチするか?」「日本語を使える人材がいるか?」「対日感情が良いか?」などは、異業種でも共通するからです。
 
特に「親日感情」という点では、台湾での販売に際してポジティブに少なからず働いたと捉えています。
 
消費者の対日感情については、公開されているアンケート調査のほか、訪日観光客数も1つの指標です。
健康や美容といった分野に絞っては、「ドラッグストアや百貨店など店頭で、日本製品を見かける頻度は?」も参考になります。
 
 

最後に:「先行者利益」の果実を得るには、リスクもともなう

 
このように進出先選びの論点を整理してきましたが、海外マーケットという性質もあって、不十分な情報で決断しないといけないこともあるでしょう。
台湾で少なくない企業の通販事業立ち上げを成功させてきたうえで、私たちが痛切に感じていたのが「先行者利益」。
 
今10億円前後の売上を上げている企業も、「この市場で、事業が成り立つか?」分からない段階で、リスクをとって市場の開拓にチャレンジされたことで、日本では考えられないような急速な成長を経験できました。
 
先の読みやすい国内市場と比べて、失敗する確率も低くはない分、事業立ち上げに成功した時にはリターンも大きくなるのです。
「リスクをとって新たな市場を開拓していく」という志を持たれる企業と二人三脚で、「定期通販」という文化をアジアに広げていきたいと考えています。