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アンケートLPの質問、どう設計すればいい?コスメの“鉄板”と分析リサーチの手法

CVRの高いアンケートLPの作り方、基本パターンは前回の記事でお伝えしました。さらに初回購入のCVRだけでなく、CPOや引き上げ率までを見越して効率を合わせていこうとすると、アンケートの質問は「答えやすさ」重視だけは難しいこともわかってきました。鍵になるのは、回答しながら「私には、これしかない!」と思ってもらえる質問設計。今回はコスメを例にとり、テスト結果からわかってきた反応の良い“型”と、質問設計に必要な商品の分析リサーチの方法論についてお伝えします。

アンケートを「回答しやすく」すれば、CPAは下がるのか?

 
アンケート型のLPでよく見られるのが、「Yes/No」で答える形式です。
質問が全部で3問なら、回答に要する時間は10秒程度。
 
この形式には、ユーザーにとって読んだり考えたりする負荷が小さく回答しやすいのが特長です。
そのため、商品ページへの遷移率は高い傾向にあります。
 
私たちも過去にはこの「回答のしやすさ」を第一に考え、Yes/No形式を多く使用した設計で実施したこともありました。
たしかに遷移率は高まりますが、十分な商品理解を与えられず、記事型LPと比べてもCVRが低くなるという結果に。
 
そこで私たちは、商品LPでのCVRが低い原因の1つとして、商品の良さや必要性をユーザー自身に認識してもらう、いわゆる“刷り込み”が足りなかったのではという仮説を立てました。
 
仮説を検証するために、商品の魅力づけや購入意欲を高めるよう「考えてもらう」形式の質問を加えてテストを実施。
 
たとえば、
・現在△△について感じる不満をお選びください。
・✕✕✕な肌悩みにどんな対策をしていますか?
などの質問に対し、4~5種類の選択肢を提示します。
 
アンケートに答えるために普段の生活や対策を振り返るなど、ユーザーにとっては必ずしも直感的に回答しにくい質問もあえて用意します。
また質問の途中に挟む成分解説や、選択肢に載せる商品ベネフィットも合まってすぐには読み飛ばしづらい仕様に。
すると「考えてもらう」質問を取り入れたアンケートでは、Yes/No形式に比べ商品LPへの遷移率は下がりますが、遷移後のCVRを高いレベルで担保できることがわかりました。
 
 
質問形式の違いによる効果の比較

 
能動的に考えてもらうことによって、ユーザーの悩みを顕在化したり商品の良さを理解してもらう“刷り込み”が成功したと考えています。
 
現在わかってきた反応の良い質問の“型”は、潜在ニーズを掘り起こすような質問から、徐々に商品の魅力を伝えていくような設計です。
 
 
スキンケア化粧品で反応が良い質問の“型”(2019年秋時点)

 
このようにアンケート施策でCPAを下げるためには、ユーザーの回答しやすさとバランスを取りながらも“刷り込み”が大事な要素だと結論づけています。
 
 

引き上げやリピートにも、ポジティブな影響!

 
アンケート内で十分にニーズを喚起したことで、予想外のポジティブな影響もありました。
それは引き上げ率やリピート率も上がったこと。
 
アンケートLPでは、「商品をお得にもらえる・買えること」を動機付けとして、アンケートに答えてもらい、商品を購入してもらいます。
そのため、「お得感」を期待していたユーザーは、引き上げ率・LTVともに低い傾向にありました。
 
しかし、あるコスメ企業では質問形式を「考えてもらう」形式に変えたことで、アンケートLP経由のCVRがアップしただけでなく引き上げ率も約1.5倍に
 
成功要因としては、2つのポイントがあったと考えています。
 
①期待値を上げすぎない
 お試し商品を使用後の、ユーザーの感想まで想定して表現する
②効果をより実感してもらいやすくする
 成分情報や、他商品との差別化要素をアンケート内でしっかり伝える
 
これらの要因により、CPAだけでなく引き上げ率の改善にも繋がったと捉えています。
 
 

「他社の勝ちパターンをマネする」は成功するのか?

 
反応が良い質問の“型”をテンプレートとして、そのまま他の商材に横展開すれば、どんな商材でも成功を見込めるでしょうか。
 
結論から言うと、勝ちパターン通りに質問設計するだけでは、成功を再現しにくいことがわかっています。
質問設計のポイントは、「この商品を使うしかない!」とお客様に思ってもらうこと
逆を言えば、「他の商品を使ったり、何も対策しないことは適切ではない!」とさえ認識してもらうことです。
 
アンケート施策でCVを獲得するには、商品の良さを自分ごととして理解してもらう“刷り込み”が大切です。
最も効果的に“刷り込み”を行えるのが、ユーザーの悩みと商品をリンクさせた後の質問時
このタイミングで、商品独自の魅力が伝わるような選択肢を用意できるかが肝になります。
 
購入意欲を最も高めるベネフィットは何か、どんな表現か。
そして、それがピンポイントで響くのはどのような顧客層か、という点を細かく分析していくと質問も選択肢も、商材によって自ずと異なってくるはずです。
アンケートが進むにつれて、ユーザーは悩みに関する質問に答え、成分についての挿入コンテンツを読み「たしかにこういうことある!」「私のケアは間違っていたかも!」と心境も変化していくでしょう。
 
 

ユーザー心理の変化イメージ


 
そこで、後半では新情報を加えてさらに商品のベネフィットを強く訴求します。
選択肢には商品の魅力的な特長を用意。
「商品の魅力はこれ!」とユーザー自身が選ぶというプロセスを通して、その商品への欲求を高め、前のめりの状態で商品LPへと遷移する流れを作ります。
 
このような導線設計は、商品ベネフィットやターゲット顧客によってそれぞれ異なります。
そのため「他社の勝ちパターン」や「頻繁に露出されている広告」を、テンプレートとしてそのまま横展開したとしても、同じような成功を再現するのは難しいでしょう。
 
一定の“型”は前提に置くとしても、最終的にはオーダーメイドのアンケート開発が求められます。
 
 

コスメ特化で、3C分析とカスタマージャーニー設計まで

 
それでは、どのようにして商品オリジナルの質問をつくればよいのでしょうか。
 
オーソドックスではありますが、私たちは3C分析を行っています。
・コスメ市場で狙うべきはどの“顧客層”か(Customer)
・“競合”商品との効果効能や価格、ブランドイメージなどの違いはなにか(Competitor)
・“自社”商品だけが言える優位性・差別化ポイントはどこか(Company)
 
その商品の狙うべき顧客層、競合商品との違い、商品独自の魅力を具体的に洗い出していきます。(参考記事
 
このフレームワークと同時に、商品を実際に使用するなどして、商品が届く前の気持ちや使用体験、効果の実感など、いわゆるカスタマージャーニーも形作っていきます。
顧客の心理変化を可視化することにより、アンケート内でユーザー共感の創出が可能になり、お客様にどのような体験をしてもらいたいかが明確に。
その上で引き上げや継続までを見越し、「盛りすぎ」とならない範囲で、期待感を形成できるように商品独自のベネフィットを導き出していきます。
 
このように私たちは、商品ごとの3C分析・カスタマージャーニーの可視化から、無理なく効果的な“刷り込み”がなされる質問を設計しています。
 
 
社内で利用しているコスメ市場のカスタマージャーニーマップ(潤い系コスメ一部抜粋)

 
アンケート施策では、これまで100回以上のA/Bテストを経て、商材への理解を少しずつ蓄積してきました。
 
今回は、コスメ商材のアンケートに絞ってお伝えしましたが、私たちは健康食品・コスメの単品リピート通販業界に特化して支援しています。
この他にも、「コスメ市場の捉え方」や「ターゲット顧客別に響く広告表現」など体系化して研究を重ねていますので、また機会を改めてお伝えしたいと考えています。
 

コスメ市場の製品情報を社内で体系化している資料(一部抜粋)