D2C、サブスクリプションなど
マーケティング関連の役立つ情報をお届けします。

「母の日」「父の日」「敬老の日」、プレゼントDMに込められた“裏の欲求”

お客様の誕生日にDMを送ると、反応率が高くなるとよく言われますね。
そのためか、多くの会社からこぞってバースデーDMが届きます。
それ以外の記念日、「父の日」や「母の日」「敬老の日」の前に届く健康食品のDMで、面白い事例があったのでご紹介します。

「敬老の日」の前に届くDM、「毎年ご好評」の理由は?

 

ある会社の青汁を注文したところ、↓のような記念日の前に、DMや同梱ツールなどにプレゼントキャンペーン情報がきまって告知されていました。

 

・母の日(5月10日)
・父の日(6月21日)
・敬老の日 (9月21日)

 

そのうち9月初旬に届いたハガキDMに書かれていたのは…

 

「敬老の日。いくつになっても元気でいてほしいから。
オリジナル包装&メッセージカード
大切な方にはいつまでも健康でいてほしいもの。贈る方の真心を大切に、
オリジナル包装紙で、丁寧に包み、カードを添えてお届けします。」

 

 

これを初めて見たときは、
「ふーん、変わった販促策があるんだな」
と流してしまっていたのですが… 最近になってふと見返してみると気づいたのが、隅にあった「毎年ご好評をいただいている」という文字。

 

毎年繰り返し実施されてきたということは…
販促策として費用対効果が合っているということなのでしょう。

 

 

何が良いのか?と1週間くらい頭の隅で考えていたところ、まず思い浮かんだのが、「緊急性」を自然に演出していること。

 

「敬老の日」に届けるためには、締め切りが当然に決まるので、「○月○日まで」という限定が真実味をもって設定できますね。
(最近は「期間限定」が乱発され、「またか」と思うお客様もいるので)

 

 

続いて思いついたのが、新規顧客の獲得。
自然な形で商品を試してもらい、気に入ってくれたなら、今度は自分で注文してくれる方もいるでしょう。
「サンプル配布」または「お友達紹介」に近いですね。

 

 

プレゼントを選ぶ手間を肩代わり?

 

とここまで考えて、まだしっくりこなかったのですが、「ひょっとして!?」と思ったのが、「プレゼントを選ぶ手間を肩代わりしてくれる」です。

 

「○○の日」は1年に何回もあるので、プレゼント選びも大変。

 

「今年も何かあげなきゃ、何を選ぶと喜んでくれるかな?」
と考えつつ、忙しさにかまけてどうしても直前にパッと選んで済ませてしまった、という方もいるでしょう。(正直に言うとすみません、私がそうです…)

 

 

そんなときにこのDMを開けると、「○○の日」プレゼント専用の商品が。

 

青汁ということで、「いつまでも元気でいてほしい」というお父さんやお母さんへの想いが込められます。
自分が使っているので、商品の良さも語れますね。

 

そのうえ、無料でのオリジナル包装、メッセージカードに手書きで自分の名前を代筆してくれると、至れり尽くせり。
(メッセージカードを買って、筆ペンで書くのもヒト手間ですし)

 

しかも、添付の返信用ハガキに記入すれば、あとは○○の日に届くのを待つだけ、というのですから楽チンです。

 

 

数あるプレゼント候補のなかから、この青汁がベストだと選び抜いて注文するお客様ももちろんいらっしゃると思いますが、

 

あまりたくさんの候補を考えられないまま、「選ぶのが面倒」「煩わしさから逃れたい…」と無意識に思っている方にとっても魅力的に映るんでしょうね。
(ひねくれた見方をしてしまって、申し訳ないのですが。。)

 

 

”裏の欲求”をくすぐることによって

 

ちなみに、私が↑のようなことを思ったのは、「口コミ伝染病」(神田昌典)という本に載っていた事例を思い出したからです。

 

紹介されていたのは回転寿司屋のチラシなのですが、寿司の写真が1点もありません。
並んでいるのは手書きのきたない文字…
(チラシを見たい方は、↑の本のp119をご覧ください)

 

それなのに反響が良い理由は、お母さんに対するねぎらいの言葉(以下)が共感を呼んでいるからといいます。

 

「今日は特別な日で、お姫様はお休みです。
お姫様とは、お母さん、あなたのことです。」

 

 

この場合、寿司屋に行く“表の欲求”は「(家族みんなで)おいしい寿司を食べたい」でしょう。
一方、“裏の欲求”は「家事をしたくない」です。

 

しかし家事をしないことは罪悪感を伴うので、それを認めてくれる言葉を見つけると、
「私のことをわかってくれる」と共感する
というのです。

 

 

「○○をしないで済む」など他の商品に応用すると?

 

先ほどの青汁の例では、表の欲求は「お父さんやお母さんにプレゼントを喜んでもらいたい」です。一方、「プレゼント選びに手間をかけたくない」という“裏の欲求”を持つ方もいらっしゃると思います。

 

“表の欲求”を適えてあげたうえで、“裏の欲求”も十分に満たしてあげる。
これをイヤらしくなく表現するのが上手だな、なんて思いました。
(あくまで、勝手な想像です…)

 

 

他の商品でも、「実は○○をしないで済む」など”裏の欲求”をくすぐる訴求ができると、せっかくの良い商品をもっと買ってもらいやすくなるかもしれませんね。

 

たとえば化粧品では…?
まだまだ具体的には思い浮かばないのですが、私もいろいろとアイデアを練ってみようと思います!

お問い合わせ
広告・CRMなど、各分野の専門家が
お答えします
フォームからのお問い合わせ
お問い合わせフォームはこちら
お電話でのお問い合わせ
TEL: 03-6435-0337 (受付時間:平日 9:30-18:30)