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ネイティブ広告は「広告を見たくない人」をつかまえられるか

広告業界におけるネット広告の地位がこれだけ高まると、広告主も広告代理店もネット媒体・メディアも「ただネットに広告を出しているだけではダメだ」という気持ちになるでしょう。効果的なネット広告を模索する中で生まれたのが「ネイティブ広告」という考え方です。ネイティブ広告は、移り気なネット閲覧者・ユーザーの心をとらえることができるのでしょうか。

1.ネット広告の進化形としてのネイティブ広告

 

ネイティブ広告という考え方は、アメリカのインタラクティブ広告業界団体「IAB(The Interactive Advertising Bureau)」が「IABネイティブ・アドバタイジング・プレイブック」というレポートを出したことをきっかけにして広まりました。

 

(参照:http://www.iab.net/media/file/IAB-Native-Advertising-Playbook2.pdf

 

ちなみにインタラクティブ広告とは、ネット閲覧者・ユーザーにアクションを取らせる広告のことで、ゲーム機能付きの広告や、音声や文字で質問できる広告などのことをいいます。

 

IABはネイティブ広告を6つの類型に分けました。詳しい内容は最終章で紹介します。
まずは広告主、広告代理店、媒体・メディアが注目している「ネイティブ広告はどうすごいのか」について解説していきます。

 

 

ネットのコンテンツに溶け込み閲覧者の邪魔をしない

 

ネイティブ広告の最大の成果は、ネット媒体・メディアのコンテンツの中に、広告を自然に溶け込ませることに成功したことです。

 

多くのネット閲覧者・ユーザーは、広告が好きではありません。コンテンツを楽しんでいるときに、あのバナー広告が現れると興ざめするからです。

 

ネイティブ広告がコンテンツに溶け込み、閲覧者・ユーザーの邪魔をせずに商品とサービスのPRに成功したことは「偉業」といってもいいのです。

 

 

ステマの魅力を引き継ぎ、ステマの汚点を排除した手法

 

「コンテンツに広告を溶け込ませる」と聞くと、ステルスマーケティングを思い出すのではないでしょうか。消費者に広告と気付かせない形で宣伝するステマは、最初は画期的なアイデアと称賛されました。
しかし芸能人を使ったり上場企業が手を出したりしたことで、一気に批判の的となり「ゲリラ・マーケティング」と呼ばれるようになってしまったのです。

 

ネット広告界でもステマ手法は急速にしぼんでいきました。しかしステマには「ネット閲覧者・ユーザーが広告に違和感を持たない」という強力な長所があり、それを広告代理店やネット媒体・メディアが放置するわけがありませんでした。

 

ステマの長所を生かしながらステマの過ちを繰り返さない手法、それがネイティブ広告といえるでしょう。

 

 

正々堂々とさりげなくPRする

 

ステマの過ちとは、ネット閲覧者・ユーザーをだましたことです。ステマ広告の中には「私たちが提供しているこのコンテンツは、広告ではありませんよ」と言っているようなものまでありました。

 

こうした反省を踏まえて、ネイティブ広告はだまし討ちを徹底的に排除することにしました。サイト広告に「PR」や「広告」という文字を必ず入れるのはそのためです。

 

そしてネイティブ広告が引き継いだステマの長所とは、ネット閲覧者・ユーザーにとって有益な情報を提供することです。

 

例えば従来型の車の広告はこのような内容でした。
「この車には7人乗ることができます。たくさんの人が乗ってもグイグイ走る馬力もあります。家族が多いご家庭には、この車しかないでしょう」
車の広告なので車をぐいぐい推してきます。

 

しかしネイティブ広告は、こう言います。
「家族が多いご家庭はにぎやかでいいですね。東京近郊の穴場のキャンプ場を紹介しましょう。このキャンプ場は温泉施設もあります。そうそう、車選びに困っていませんか」
あえてあまり車には触れずに、ライフスタイルの提案に力を入れるのです。

 

ネイティブ広告は、ネット閲覧者・ユーザーが知りたい情報を提供します。宣伝したい商品やサービスは、ステマ同様に「さりげなく」登場させつつも、広告主とネット媒体・メディアは正々堂々と「これは広告です」と宣言しているのです。

 

 

バナー広告の限界

 

ネット広告といえば、従来はサイトにたくさんのバナー広告を置くことが「王道」でした。いまでも多くのバナー広告が存在しますが。

 

しかしサイト閲覧者はバナー広告に飽きています。バナー広告が出てきたら飛ばして読むという習慣が付いてきたのです。
習慣でいうと「サイトの中のものをむやみにクリックしない」という行動も根付いています。「これをクリックするとどうせまた名前をメールアドレスの入力画面が開くのでしょ」と見抜かれています。

 

バナー広告の魅力が落ちつつあることも、ネイティブ広告という新たな可能性にかける動きにつながっているのでしょう。

 

 

2.ネット広告の地位向上とネイティブ広告

 

ネイティブ広告はとても手の込んだ広告手法で、制作にとても手間がかかります。
ネット媒体・メディアのコンテンツに溶け込ませるためには、コンテンツと「似せたつくり」にしなければなりません。その上、閲覧者・ユーザーを飽きさせない内容にしなければならないのです。

 

そこで次に「なぜそうまでしてネイティブ広告をつくらないとならないのか」と「なぜネイティブ広告をつくることができるのか」について考えてみたいと思います。

 

 

なぜそうまでしてネイティブ広告をつくらないとならないのか

 

ネイティブ広告をつくる目的は、広告効果を向上させることです。「当たり前ではないか」と考えないでください。

 

例えばテレビCMという広告は、まだまだ「ネイティブ広告化」する必要がないのです。有名芸能人が商品を持って「いいでしょ、これ」と言うだけで、消費者の心をつかむことができるからです。
きらびやかなモデルや著名な歌手たちを、洋服や自動車のCMに起用すれば話題性を勝ち取ることができます。

 

しかし、ネット広告はそうはいきません。
ネット上のサイトの数は、テレビ局の数の何億倍にもなります。ある人があるサイトの広告を見る確率は、とても低いのです。

 

あるサイトの広告が、閲覧者・ユーザーに一瞬でも「つまらない」と思われたら、もう二度とその人とコンタクトできないかもしれないのです。
ネット広告は、ネイティブ広告化して「面白いもの」に仕上げないとならないのです。

 

 

なぜネイティブ広告をつくることができるのか

 

飽きられないネイティブ広告にするには、コンテンツ並みにつくり込まなければなりません。それにはコストがかかります。
広告主と広告代理店がコストを度外視してネイティブ広告をつくるのは、広告全体に占めるネット広告の地位が格段に上がっているからです。

 

国内の1年間の広告費は、大体6兆円と言われています。新聞・雑誌・ラジオ・テレビのマスコミ4媒体の広告費は少しずつ減っているのですが、ネット広告費は増えています。2016年にはネット広告費が初めて1兆円を突破しまいた。

 

つまり広告主たちは自社の広告予算を、マスコミ4媒体からネット広告に移しつつあるのです。広告費が上がることで、ネット広告の製作費にも余裕が出てきて、それでネイティブ広告をつくることもできるようになった、と推測することができます。

 

 

3.ネイティブ広告のメリット

 

広告主にとってのネイティブ広告のメリットは、ネット閲覧者・ユーザーにストレスを与えないことです。
広告が消費者にストレスを与えてしまうと、広告主にも媒体にもメディアにもダメージを与えてしまいます。

 

 

閲覧者の邪魔をしない

 

テレビCMを「邪魔」と感じている人は少なくないでしょう。テレビCMはドラマのいいところで割りこんできます。CMを飛ばすために、ブルーレイに録画した番組しか見ない人もいるくらいです。
また大自然の中に清涼飲料水の自動販売機があればメーカーの派手なロゴが景観を損ないます。

 

このような広告が持つ「邪魔と思わせる効果」を排除したのが、ネイティブ広告といえます。ネット上のネイティブ広告には「広告」または「PR」という文字が書かれてあるため、その広告を見たくない人は簡単に広告を回避できるのです。

 

 

潜在顧客に届く

 

ネイティブ広告は最新のIT技術やAI(人工知能)を使っているので、広告主が「こういう人に届けたい」というターゲットに広告を届けることができます。
例えばネットでキャンプ情報を探している人に、キャンプ用品の広告だけでなく、ペット関連の商品の広告を見せることもできます。
もし閲覧者が「キャンプ場にペットを連れていったら楽しいだろうなあ」と想像したら、そのペット関連広告が潜在顧客に届いたことになります。

 

 

話題になる

 

そしてネイティブ広告らしいメリットは「話題になる」ことです。
ネイティブ広告はコンテンツに負けないくらいつくり込みますので、閲覧者・ユーザーから面白いと評価されれば拡散が期待できます。

 

 

目的を細かく設定できる

広告には「目的」があります。最大の目的はもちろん「買ってもらうこと」ですが、消費者を購買まで導くには、その手前にいくつか小さな目的を設定し、それをクリアしていかなければなりません。
ネイティブ広告には、小さな目的に合わせたアレンジがききやすいという特長があります。
例えば、広告主が「アプリのダウンロードを増やしたい」「ブランディングをしたい」といった要望を出しても、ネイティブ広告ならいくらでもデザインできます。

 

 

4.ネイティブ広告のデメリット

 

ネイティブ広告にはデメリットもあります。

 

 

制作が大変、企画づくりからつまづくことも

 

ネイティブ広告づくりでは、どうやって面白い内容にするか、という難問にいきなり直面します。
純粋なコンテンツですら、記者やライターや編集者やクリエイターたちが全精力を傾けて制作しても話題にならないことがあります。
一方、広告主や広告代理店は、コンテンツのつくり手としては「素人」です。しかもネイティブ広告には商品またはサービスの宣伝も潜りこませなければならないのです。

 

 

コストがかかる

 

ネイティブ広告の制作チームには、コンテンツづくりのプロを加える必要があるかもしれません。そうなれば人件費がかさみます。
またネイティブ広告は、ネット広告の強みを最大限に生かすためIT技術を惜しみなく投入する必要があります。「広告」と「コンテンツ」と「ネット閲覧者・ユーザーの動向」の3者を連動させるITシステムづくりにはお金がかかります。

 

 

5.米IABの定義「6つの類型」

 

それでは次に、ネイティブ広告の概念を確定させた、アメリカの広告業界団体IABの「ネイティブ広告6類型」について解説します。
ネイティブ広告の形態は、大体次の6つに分かれます。

 

 

インフィード型

 

コンテンツとコンテンツの間に置く広告のことをインフィード型といいます。
フェイスブック、ツイッター、ニュースサイト、動画サイトなど、ほとんどすべてのサイトがインフィード型を使っています。

 

 

検索連動(ペイドサーチ)型

 

検索連動型はリスティング広告とも呼ばれます。
グーグルやヤフーなどの検索エンジンでキーワードを検索すると、そのキーワードにまつわるネイティブ広告が、純粋な検索結果と同じ位置に出てきます。

 

 

レコメンドウィジェット型

 

レコメンドは「おすすめする」という意味で、ウィジェットとは「サイト内の好きな場所に広告を設置できる機能」のことです。
レコメンドウィジェット型のネイティブ広告を掲載する媒体・メディアは、サイト内にレコメンド広告用のスペースを確保しておく必要があります。
またレコメンド広告には、広告内容が閲覧者・ユーザーによって変わるという特長があります。
コンピューターが「この閲覧者・ユーザーならこの広告が効果的なのではないか」と予測して広告を掲示するのです。

 

 

プロモートリスティング型

 

プロモートリスティング型を採用している代表的な媒体・メディアは「楽天」と「食べログ」です。
例えば楽天で「電動自転車」を検索すると、おすすめの電動自転車の紹介より先に、楽天の「自転車保険」の紹介が現れます。その楽天の「自転車保険」の紹介には「PR」印が付いているのですが、それ以外はおすすめ電動自転車の紹介とまったく同じ形態です。
「食べログ」も人気店より先に、広告を出している飲食店が出現します。

 

 

ネイティブ要素を持つインドア(IABスタンダード)型

 

上記の4種類に当てはまらないものの、ネイティブ広告の要素を持つものを「IABスタンダード」型といいます。
コンテンツと似た内容の広告を表示する仕組みをもったネイティブ広告が、これに当てはまります。

 

 

カスタム型

 

カスタム型で有名なのは、LINEの企業スタンプです。広告主のキャラクターをラインスタンプにアレンジしたもので、見る人が見れば「あの企業のキャラクターだ」と分かりますが、ラインユーザーはキャラクターコンテンツとして楽しむことができるので、立派なネイティブ広告といえます。
記事広告もカスタム型に分類されることがあります。記事広告とは、記事と同じ体裁で広告主の製品やサービスをPRしていく手法です。

 

 

ネイティブ広告と認定されるための条件

 

以上の6類型は、フォーマット別の分類でした。つまり「ネイティブ広告とはこのような体裁をとっています」という解説でした。
しかし、体裁さえ整えばネイティブ広告というわけではありません。ネイティブ広告と呼ばれるには、以下の条件をクリアしていなければなりません。

 

・ネイティブ広告は、それが掲載される媒体・メディアのコンテンツと同じ形態を取っていなければなりません。つまり、広告の制作者は媒体・メディアごとに形態を変えていかなければならないのです。

・ネイティブ広告と呼ばれるには、広告の掲載ページが、コンテンツ掲載ページと同じ機能を持っていなければなりません。「クリックしたら広告が立ち上がっただけ」という形態はネイティブ広告と呼べません。

・ネット媒体・メディアの全ページに載っているような広告は、ネイティブ広告とはいえません。ネイティブ広告は、そのほかのコンテンツと同様に「サイト内のそこだけにしか存在しない」という形態を取っていなければなりません。

・ネイティブ広告の効果の評価は、閲覧時間で計測されなければなりません。通常の広告は、クリック回数やコンバージョン回数で計測されますが、ネイティブ広告はエンターテイメント性を持っていなければならないので、閲覧者・ユーザーがどれだけしっかり読んでくれたかが重要になります。

・そしてこれが最も重要かもしれませんが、ネイティブ広告は閲覧者・ユーザーに「これは広告である」ということを認識させなければいけません。広告であることを告知しないと、その瞬間にステマと認定されかねません。

 

 

まとめ

 

ネイティブ広告は、広告制作チームにとって魅力的な手法といえるでしょう。
最近ではテレビCMでも、ストーリー性を重視したシリーズものが増え、視聴者を飽きさせない工夫が施されています。
こうした取り組みがネット広告でできるので、広告クリエイターたちの腕が鳴るはずです。またネット閲覧者・ユーザーにとっても、広告がエンタメ化すればよりいっそう楽しみが増えます。

 

「WIN-WIN」の関係を築くことはビジネスの基本ですが、ネイティブ広告はたくさんの「WIN」を並べることができるでしょう。

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