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「目を止まらせる」キャッチコピー ―”売れている広告”は「売り込み」から入らない vol.1ー

1人あたり1日だけでも数千もの広告メッセージを見ると言われている現代では、大半の広告は意識の片隅に止まっただけで、見過ごされてしまうもの。

広告に注意を止めて見るか見ないかの判断をするのは、0.2秒とも言われています。

そのなかで重要になってくるのは、「いかに広告に目を止めてもらうか?」。

これが、「買う」まで到達するための第一関門です。

ターゲットに呼びかけるキャッチコピー

 

写真、イラスト、コピー…「パッと見」の要素はさまざまにありますが、なかでも一番影響を与えるのがキャッチコピーといわれます。

 

「目を止まらせる」ためのキャッチコピーとして、もっともシンプルなのは、「あなたのための情報」と明示することです。

 

たとえば、「ムダ毛や黒ズミでお悩みの方へ!」(化粧水)や「キレイを気にする主婦たちの間で大人気!」(青汁)、「何を飲んでもダメだった方へ」(関節サプリメント)など、「○○な方へ」とターゲットに呼びかけるキャッチコピーは多く見つかります。

 

当たり前ですが人は、「自分に対して呼びかけられている」と感じると、どうしても注意が向かってしまいます。
特に、ターゲットを絞り込めば絞り込むほど「まるで自分のことを言われているような錯覚」に陥り、広告に目を向けざるを得ない心理状態になるのです。

 

大量に新聞折込チラシを撒いていたある大手健康食品会社のチラシを集めてみると、以下のように対象を示すキャッチコピーがいくつも見つかりました。

 

・朝から元気が出ない女性の方へ
・驚いたことに、40歳になってガクッときた
・○○(商品名)を試食したい女性の方へ
・昔より食べないのに、太りやすくなった
・忙しいお母さんにこそ試してほしい

 

このようなターゲットへの呼びかけは、健康食品や化粧品に多い“悩み解決型商材”の場合、「○○でお悩みの方に」が最もストレートな言い方です。

 

広告を作る側としては、たとえば「シミ」や「膝痛」などの痛みを抱える方に商品を使ってもらいたい、そんな方にストレートに呼びかけたいという想いがありますが、一方、薬事法の制限のなかではそのような悩みを書いてしまうのが難しいケースも。

 

かつては、「シミでお悩みの方必見!!」と書かれていた広告も、時系列で出稿パターンを追っていくと、企業規模の拡大とともに「肌に悩む女性に大人気」や「美肌を求める女性に支持されて」と変化していった事例もありました。

 

 

読み手の“つぶやき”を代弁する

 

そんななかで、直接的に悩みを示さないでも「ターゲットの心中を代弁する」ことによって、彼らの心をぐっと惹きつけるコピーもあります。

 

・お腹のブヨブヨどうにかしたい!!運動に食事制限に頑張ってみたものの…
(ダイエット食品)
・「トイレに座ってる時間を短くしたい!」そんな願い、持っていませんか?
( 便秘ティー)
・ムダ毛処理は“面倒なもの”と思っていませんか?( ローション)
・テレビ・家族との会話を楽しみたい( 耳サプリメント)
・物忘れが増えたら要注意 最近なんだか、物忘れが(脳サプリメント)

 

その商材の対応する悩みを抱えている方なら、誰でも感じていることが、話し言葉で表現されています。そのようなつぶやきを代弁することによって、「私の悩みを分かってくれる!?」と注目させようという狙いでしょう。

 

 

「自分は?」を無意識に考えさせる

 

もう1つ、ターゲットに向けた表現としてよく使われるのが、チェックボックスです。

 

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上記は、あるフリーペーパーに載っていた関節系サプリメントの広告で目に飛び込んでくる記号です。
悩みを実感するときの生活シーンを記すことによって、当てはまる人に注目してもらおうと
いう狙いでしょう。

 

他にも、「こんな方にお薦めです」ということで、「坂道が苦手な方」「長い時間歩けない方」「よっこいしょ、という方」などを箇条書きで記すケースもありました。

 

人は質問をされると、どうしてもYes/Noを考えてしまう生き物。
「あなたは○○ですか?」と投げかけられると、「これ、自分は当てはまらないかな?」と無意識に頭を巡らせてしまいます。

 

このような問いかけに視線を止めてしまった時点で狙いは成功で、読み手は注目してしまっているのです。

 

この質問の効果を利用して、以下のように読み手にストレートに問いかけるキャッチコピーもあります。

 

・あなたの家族は大丈夫?( 野草酵素)
・あなたの脳年齢は何歳?( 脳サプリメント)
・あなたは大丈夫?毎朝スッキリしてる!?( 便秘サプリメント)

 

 

年齢のギャップでハッとさせる

 

年齢を大きく表示する広告も、最近多く見られる手法です。
これは、ターゲットの年代に呼びかけるという効果があるほか、見た目年齢と実年齢とのギャップでハッとさせるという効果も狙っています。

 

以下のプラセンタサプリの広告をご覧ください。

 

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この体験談に写真が登場する女性は、「40代?」と思えるような、非常に若く見える方です。
ですが、実はこの方の実年齢は63歳。

 

この年齢を写真と並べて大きく見せることで、インパクトを出してます。

 

このように、予想と現実に大きなギャップがあると“違和感”が生まれ、「どうして?」が気になってしまいます。
このような効果を心理学では、「認知的不協和」と呼びますが、同様のキャッチコピーを他に紹介します。

 

 

・50歳に見えない!と肌をほめられました( ジェルクリーム)
・肌年齢30歳!!58歳の私!! (コラーゲンゲル)
・本当は62歳 実感年齢48歳 (プラセンタサプリ)
・50歳のあの人がキレイな理由は秘密のゼリーにあった!?(コラーゲンゼリー)

 

 

コラム: 認知的不協和とは?

 

認知的不協和とは、自分の中で矛盾する考えを同時に抱えると人は不快感を覚える、という心理を解説する考え方のことです。
1980年代に米国の社会心理学者レオン・フェスティンガーによって、提唱されました。

 

この原理、ダイレクトマーケティングには、どのように応用できるでしょうか?
神田昌典氏の著書「あなたの会社が90日で儲かる!」で、その例が紹介されています。

 

彼が自身のセミナーの集客のために、ダイレクトメールを送ったときのこと。
通常のDMとは異なり、ピンク色の紙を使いました。
しかも、自身の顔写真も潰れて見えるように意識的にして、通常のDMとは大きく異なるデザインにしました。
これを手に取った方はまず、「なんじゃ、これ」という反応を起こします。

 

このように感情のバランスが崩れると、そのバランスを直さずにはいられません。
その結果、多くの方が怖いもの見たさで手紙を読んでしまったのです。
申し込みを殺到させるために、彼が利用した感情メカニズムの1つとして紹介されています。
(出典:「あなたの会社が90日で儲かる!」 神田昌典)

 

 

「○○だけ」で、なまけ者のツボを押す

 

“悩み“の訴求が多い健康食品と比較して、化粧品は「キレイになりたい」「いつまでも若く見られたい」という女性の“願望”を叶えてあげることを期待させるコピーも効果的です。

 

一番シンプルなのは、「シミ・シワ・くすみがみるみる消える!?」や「シワとクマがスッキリ消えた」など効果効能をうたうことですが、薬事法の範囲外の効果効能をうたうことによって、NGと判断されるリスクと隣合わせです。

 

そんななかで苦心の跡が見られるのが、以下のように「○○だけ」を主軸に据えたコピーです。

 

・えっ、化粧水だけなの?( 化粧水)
・塗るだけ簡単ツルツル肌に( ローション)
・1粒で実感!噂の塗るボトックス( 美容液)
・「美容液ファンデに変えただけで!」( 美容液)
・1日1カプセル飲むだけで 肌年齢がアッという間に( 美容サプリ)

 

効果効能はうたわないものの、「だけで」「だけなのに」と書いてそこで止めることで、読み手の頭の中で続きを、つまりどのように変化するかをイメージさせるという狙いでしょう。

 

さらに、「手入れが面倒」や「ケアにお金がかかる」など直接の悩みから派生する「二次的な悩み」(「共感してもらう」―”売れている広告”は「売り込み」から入らない vol.3ー)への解決策を与える、という効果もあります。