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【ヘアケア通販事例】競合が参入しても、広告の訴求を変えて売れ続ける方法

法規制の厳格化や競合の参入増加、またコロナ禍などもあってメイクアップ系を中心とした化粧品通販では“向かい風”が吹きました。一方、お家時間の増加に伴いヘアケアやスキンケア商品は新規顧客の獲得を伸ばす企業も。
直近のマーケット動向や、どのような広告を展開しているのかなど、オフライン広告の事例をもとに当たっている訴求・クリエイティブの傾向を解説します。

サムネイル_【ヘアケア通販事例】広告の訴求を変えて売れ続ける方法

売れるチラシクリエイティブを作る方法をまとめました。
解説資料はこちら
 
 

ヘアケア市場では、育毛剤のほかAGAや発毛剤など競合カテゴリーが強力に

 
4,5年前までは、ほとんどの消費者が薄毛の悩みへの対策商品として一番に想起するのは、「育毛剤」でした。
 
通販でも、大手メーカーなどが育毛剤を展開。店舗では買いづらいと感じる消費者も一定数いらっしゃる“コンプレックス商材”ということもあって通販との相性が良く、レスポンスも好調でした。
 
ところがこの数年間で、「AGA治療」のプロモーションをするクリニックが増加。
通常のカツラだけでなく、部分ウィッグをする人も増え、薄毛対策商品に抵抗を感じる消費者も減った印象です。
 
さらに、育毛剤より強力で、髪が抜け落ちた頭皮に新しい髪を生やす効果があるリアップやスカルプDといった「発毛剤」も、各社が発売。
 
逆に、ライト層に向けてアンファーや50の恵みのような、洗髪によって頭皮のダメージを緩和する「エイジングケアシャンプー」も、ドラッグストアを中心とした店舗販売で普及しました。
 
薄毛の悩み対策の選択肢の広がり
 
育毛剤に興味がある消費者であっても、「育毛剤一択」「どの育毛剤を選ぶか?」ではなくなり、商品カテゴリーの選択肢が変わるケースも出てきました。
 
つまり育毛剤を販売するプレーヤーにとっては、悩みの深さやニーズの顕在度が高い「上」方向にも、よりライトな「下」方向にも、競合となる商品カテゴリーが広がった状況です。
 
売れるチラシクリエイティブを作る方法をまとめました。
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競合の参入増加で、チラシの訴求表現も変化

 
このようなマーケット環境が変化するなか、どのように広告の訴求やターゲットを変化させてきたのでしょうか?
新聞折込や同封同梱など、チラシを用いたオフライン広告を事例に解説します。
 
 

パターン1:ライト層向けにターゲットと訴求ポイントをズラす

 
1つ目は、エイジングケアシャンプーの市場拡大などで広がった、ライト層を取り込むアプローチです。
たとえば、「薄毛に効くトリートメント」や「頭皮のためのトリートメント」、といった商品の伝え方で成功している事例もあります。
 
「育毛剤を使う」という行動は、「薄毛を認めてしまう」「家族に知られたくない」など、抵抗感を抱く消費者も多いようです。
 
そのような“ライト層”“ビギナー層”には、「美容液」や「トリートメント」という馴染みある商品カテゴリーになぞらえ、ハードルを低くすることでレスポンス率を高めようという狙いでしょう。
 
カテゴリーが増えて市場のすそ野が広がった分、ターゲットも広くとることで、成長市場で新規顧客を最大化する狙いがあるといえます。同じ商材の広告でも、潜在層に向けたクリエイティブと、後述する顕在層に向けたクリエイティブを使い分けているブランドも見受けられます。
 
これと同じ現象は、「血糖値」や「中性脂肪」「コレステロール値」に悩む方向けの健康食品のマーケットでも見られます。
 
悩みの顕在度がまだ浅い「ちょっと気になっている」層向けには、

  • “マル秘情報”など題した情報誌風のクリエイティブ
  • 消費者がよく抱く疑問をそのままキャッチコピーにする

などのクリエイティブを展開しています。
 
オーソドックスに競合優位性を強調するクリエイティブと比べて、レスポンスが上がった事例も出てきました。
 
具体的な事例を以下の記事にまとめましたのでこちらもぜひご覧ください。
健康食品通販のチラシ広告動向と、勝ちクリエイティブ事例
 
 

パターン2:競合優位性を伝え選んでもらう

 
2つ目は、効果への期待や信頼感など優位性をしっかりと伝える訴求です。

  • 既に育毛剤を使ってきたユーザー
  • 他に良い育毛剤がないか?と様々な製品を試すアンテナ感度の高い層

などに向けた表現です。
 
たとえば、皮膚科や医療関係者を活用した『権威性』、それぞれの企業や商材のもつ『アピールポイント』を大きくキャッチコピーにして打ち出していきます。
 
育毛剤自体でも競合の参入が増えたなかで重要なのは、「研究機関がしっかりしていて信頼できる」あるいは「CMで印象に残った」など、他商材と比較されても選んでもらえるような差別化要素や競合優位性をしっかりと打ち出すこと。
 
繰り返し出稿されているクリエイティブを収集すると、

  • 医療機関や資格取得者が関わった研究開発
  • 「髪に良さそう」なイメージのある、自然由来の原料や成分
  • 大企業や有名ブランドなどよく知られた固有名詞
  • 販売実績や受賞歴など、社会的な評価の証拠

などを勝ち筋としてを訴求した表現が見つかります。
 
これと同じ考え方は、他の市場、たとえばシワ対策などのスキンケアコスメでも見られます。
 
スキンケアコスメ市場は、大手の主要プレーヤーが広告を出しているフロント商品の場合、ほとんどが医薬部外品を取得。「シワ改善」や「シミ予防」など効果効能を謳えるようになった反面、どの広告も「言えることは同じ」になりました。
 
成熟した市場のなかで勝つため各社とも、企業のネームバリューや研究開発、販売実績など差別化ポイントを強調。競合優位性を効果的に伝えることで、レスポンスを高めています。
 
あるスキンケアコスメでは、以下の4パターンの訴求をテスト。
 

  • A:悩みと効果効能をストレートに表現
  • B:「オールインワン」とカバー範囲を強調
  • C:Aをベースに、研究開発の実績を追加
  • D:研究開発の実績とターゲットの年代を掛け合せ強調

 
今までは、悩みと効果効能のストレート訴求や、すべてをカバーするオールインワン訴求が勝っていましたが、パターンDのレスポンス率が最も高くなる事例が出てきました。
 

ターゲット別の訴求の違い
訴求1訴求2
ターゲット潜在層顕在層
悩みの深さ浅い深い
訴求のポイントハードルを下げる、疑問を解消する競合優位性を強調して差別化
訴求の例 ・馴染みあるカテゴリーに置き換える
・消費者の疑問をそのままコピーにする
・ネームバリュー
・研究開発の詳細
・販売実績 など

 
売れるチラシクリエイティブを作る方法をまとめました。
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ABテストによる仮説検証を、オフラインでも繰り返す

 
これまで見てきたように、ターゲット層のニーズや競合他社の打ち出し方、間接的な競合となる他商品のカテゴリーなどによって、レスポンスの獲れる訴求やクリエイティブは商材ごとに異なってきます。
 
また、「A社では潜在層向けのライトな打ち出し方がよかったが、B社では優位性を強調した訴求が勝った」といったように、同じ商材であっても企業やブランドによって逆の結果が起こるケースもあります。
 
そこで重要なのが、ダイレクトマーケティングの基本である「テスト」です。
 
弊社でチラシを制作する場合、ターゲット層の悩みの深さや商材への顕在度など、初回のテストでは仮説を広めに設定。それぞれに応じて異なる訴求をつくり、4パターン前後のクリエイティブを制作します。
 
ABテストによる仮説検証
 
初回のテストで、商材ごとにフィットする訴求を確かめていきます。その結果をもとに、2回目以降のテストでは、コピーやビジュアルなど表現方法を複数パターン試して、“勝ちパターン”に近づけていきます。
 
ちなみにオフライン広告でのABテストは、印刷物の入稿や媒体社への納品など、デジタル広告に比べプロセスが煩雑です。
 
また電話やハガキ、QRコードなど注文の受け皿が多様である分、効果測定もデジタル広告ほど簡単ではありません。
 
そのなかで弊社では広告主の負荷なくワンストップで、クリエイティブの仮説検証を回していける体制を整えてきました。
 
「オフライン広告で、これまでとは異なる顧客層にアプローチしたい」「自社の商材に合う訴求や表現方法をテストしていきたい」といった場合はぜひお声かけください。
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