単品リピート通販の事例から、

売れる仕組みのヒントをお届け

「でも・・・」解消して背中を押す ―売れている広告は、「想像」を促し”その気”にさせる vol. 3ー

商品への欲求が刺激されて、その商品の良さをお客様自身で理由付けしてくれたら、最後は購入へのハードルを乗り越えてもらいます。
「でも・・・」と気になっている障害を一つずつ取り除いて、「買おうかな」と思っているお客様の背中を押してあげるのです。

図書館で集めた地方新聞の掲載広告から出稿パターンを分析

高額サービスとの比較に“すり替える”

 

広告からの初めての注文の場合、一番の障害になりそうなのが価格です。
特に3000~4000円以上の本商品オファーとなると、気軽に「まずは試してみよう」とは踏み出してもらいにくいでしょう。

 

そこで有効なのは、他に高額なモノと比較して「実はたいして高くない」と思ってもらうことです。
白髪染めトリートメントの場合、お客様のなかにある別の選択肢は、美容院に通うこと。
そこで体験談に登場するのが、以下の記述です。

 

あれから半年以上、白髪はずっと自分で染めているんですよ。
美容院に通うよりも経済的ですし、(後略)

 

白髪染めトリートメントでは同様に、「1本で約15回分」「だから、1回の使用分は約200円で経済的」など価格の見せ方を変えるだけで、安く見せる工夫も見つかります。
同様に、「エステ」や「注射」など、より「高級」や「本格的」というイメージのあるサービスを引き合いに出す例もあります。

 

「自宅で手軽にボトックス効果を実感」という美容液の場合、ボトックス注射は「専門機関でしか扱ってないし、定期的に通う必要」があったのが、「この値段と手間で注射と同じ効果があるのなら」と思ってもらおうと意図しているのでしょう。

 

高額商品との比較

 

 

希少性を演出する仕掛け

 

お客様が注文しようか迷ったとき、「今じゃなくてもいい」「また後でにしよう」となってしまえば、結局忘れられてしまうもの。
そこで登場するのが、「限定」です。

 

「先着1000名様に 本日1週間 秋の美肌キャンペーン」(オリーブオイル)や「本日より10月末まで 初回限定2大特典 」(耳サプリ)など、個数・期間の限定を割引やプレゼントとセットにしたオファーもあります。

 

図書館で集めた地方新聞の掲載広告から出稿パターンを分析

図書館で集めた地方新聞の掲載広告から出稿パターンを分析

 

「今電話しないと、なくなってしまうかも・・・!」という気持ちを急き立て、広告に触れたそのチャンスに電話をしてもらおうという狙いでしょう。

 

ところが、「限定付き」の広告があふれ返ってしまった今、お客様には、「どうせまたキャンペーンをやるんでしょ」とうがった見方をされてしまうことも・・
そんななかで必要となるのは、「なぜ限定か?」をお客様に信じてもらうだけの、「真実味のある理由」です。

 

たとえば、「物理的に生産量が限られている」という事実は、説得力がある理由となるでしょう。
ある酵素サプリメントは、「すべてが職人による手づくり」「ゆっくりと一年二ヶ月かけてつくられています」とうたったあとで、以下の記述で希少性を演出しています。

 

大量生産はできませんので、品切れの際はお届けをお待ちいただくこともあります。
1本1本に込められた「健康への想い」「本物のこだわり」をどうぞ、味わいください。

 

職人一人ひとりの実名を出したうえで、
「機械で刈ると燃料の油を撒き散らしてしまうから」や
「微生物の発酵を促すために盆も正月も関係なく毎日、木ベラで樽をかき混ぜる」
など彼らのこだわりを紹介。リアリティが出る工夫もされています。

 

その他にも、

「○○(地域)で取れる実を絞ってできる、エキストラの量には限りがあるため、大量生産ができず、高価になってしまいます

(美容液)や、

「生産者の手間ひまを実感 小さな工場で手作り」

(洗顔石けん)と題して、生産現場を写真付きでレポートするなども。
生産量の少なさをアピールすることで、限定に真実味を持たせたり、価格に納得性を持たせたりする演出です。

 

 

「 ダマされはしない」に太鼓判を押す

 

信頼性を示すために各社が取り入れているのは、「第三者の推薦」や「販売実績」などです。
特に、「第1位」や「○万個販売」などは、「売れているのだからよい商品のはず」や「流行に乗り遅れたくない」という顧客心理を刺激するもの。
「注目するに値する情報ですよ」と示すアイキャッチとしても使われます。

 

安心材料

 

既にさまざまな広告で、「口コミサイト第1位」や「モンドセレクション受賞」など表記されているという懸念も浮かびますが、安心材料としては有効でしょう。

 

特に名前の知られていない会社の場合、「注文しても商品が届かない」「粗悪品を売りつけられる」等の心配も浮かびがち。
「ちゃんとした会社」「まっとうな商売をやっている」という証拠がほしいお客様のために、他者から認められた印を具体性をもって並べるのが大事になるのです。

 

他者から認められた具体性

 

また、広告を見て「びっくりした」「初めは怪しいと思った」と体験談で語られる例も、少数ですが見られます。

 

商品のすごさが大げさに書かれている広告が氾濫している今、お客様の頭に刷り込まれているのは、「広告では、こんなこと言っているけど、そんな大げさな・・・」という疑いでしょう。
それを逆手にとるのが、「私も初めは半信半疑だった」というコメントです。
たとえば、以下の事例をご覧ください。

 

この○○○(商品名)の紹介記事を拝見した時に、「素手で簡単に染められる」というタイトルが飛び込んできまして。正直、白髪染めなのに本当に手で使えるのかしらと半信半疑でしたが買ってみたんです。そうしたら、~~~(白髪染めトリートメント)

 

他にも美容サプリの体験談では、「どう見ても30代ぐらいの女性が載っていて、年はなんと私より上の58歳!『ウソでしょー!』とまず疑ってしまいました」と語った体験者が、「でも試してみたいのが女ゴコロで」ということで商品を買うという筋書きも。

 

「ホントなの!?でも、私と同じように思っていた人もそう言っているのだから、もしかしたら・・・信じてみようかしら」という気持ちになってもらうことを意図しているのでしょう。

 

 

“自分への言い訳”を用意する

 

お金を使うことには、多少なりとも “罪悪感” を伴うもの。
それを消してあげるのも、“最後のひと押し”では有効になるかもしれません。

 

シニア向け健康食品で、フリーダイヤルのすぐ上に飛び込んでくるのが、アフリカの子ども
の写真
。違和感とともに目にやると、以下の文言がセットになっていました。

 

○○○が子供の命を救います。
アフリカでは、母親が妊娠・出産時に、命を落としているという事実があります。
お客様が○○○を購入された売上の一部を寄付し、1人でも多くの母親と子供の命を守ることを目指しております。

 

「本当に効くのだろうか?」と迷った場合でも、「このお金で恵まれない子どもが救われるなら」と思い切って注文する方も、特にお年寄りにはいるのかもしれません。

 

同じくシニア向け健康食品で、2009年11月23日の新聞朝刊に「勤労感謝のお祝いに!!」という文言が、大きく見つかりました。

 

添えられていたのは、「家族や自らのねぎらいとして健康にも着目してみてはいかがだろうか」という言葉。
「プレゼントとして(自分へのご褒美として)買ってもいいか」という感情の喚起を意図しているのでしょう。

 

 

最後に: “言わなくても伝わる”表現を

 

本稿では、読み手に「想像を働かせてもらう」をコンセプトに、直感的に「ピンと」きてもらいやすい表現の工夫を取り上げてまいりました。

 

事例としていくつか掲載した、“言わなくても伝わる”仕掛け。
「この言葉を伝えたい。でも言えない・・・」 そんなジレンマを抱えながら広告を作られる方にとって、何らかの考えるきっかけとしてご活用いただければ幸いです。

 

次回の事例研究は、「オファー」をテーマとする予定です。