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アジア市場でD2C企業が売上100億円を目指すための、マルチチャネル販売戦略

アジア市場への進出に際して、話題になるのが「市場規模」。台湾や香港、シンガポールなど、日本より人口の小さな市場で売上を拡大するためにはどのような戦略をとるべきでしょうか。
ポイントは、自社ドメインでのEC通販だけでなく、ECモールや店舗への卸売など販売チャネルを広げること。売上アップの事例や、相乗効果を生むノウハウなどをまとめました。

アジア市場でD2C企業が売上100億円を目指すための、マルチチャネル販売戦略(サムネイル)

 
 

ドラッグストアなど販路拡大で、直販のみと比べ売上2倍にも

 
日本のD2C企業がアジア市場に進出した時、ぶつかるのが売上規模の壁。
人口は台湾が約2,300万人、香港は約700万人、シンガポールは約500万人と日本より少なく、EC通販の市場規模も人口に比例する傾向があります。
 
このような限られた市場環境で継続的に売上を伸ばすための方法の1つが、自社EC通販以外にも販路を広げて、複数カ国でのシェア拡大を図ることです。
 
私たちが支援させていただくなかで、海外売上が数十億円の規模に達した企業がいくつかあります。
しかし、自社ドメインのECでは売上比率は50%前後にとどまります。
残りの50%は、10%がECモール、40%がドラッグストアなど店舗からです。
つまり、一定以上の売上を目指すには、自社ドメインだけはなく店舗への販路拡大がポイントになってきます。
 

実店舗での販売イメージ

実店舗での販売イメージ


 

ポイント1:広告露出が店舗への卸売に有効

 
D2C企業が、顧客獲得のスタートとして行うのが自社ECでの広告やPRのための露出
これらは、認知度アップや自社ECの売上拡大以外に、店舗やモールでの販売にも有効に働くことがわかってきました。
 
弊社では、クライアントが運用している自社ECの広告実績を把握しています。
また、ECモールやドラッグストアなどから売上データをデイリーで共有してもらっているため、投資した広告の結果とCVの推移を照らし合わせることが可能です。
具体的には、広告を実施したメディアやクリエイティブ、投下額などのデータを集めそれらを元に、投資内容と売上の相関関係をより詳細に分析することができます。
 
これらの分析をするなかで、アジア市場は商圏の狭さや人口の少なさも相まって、広告投資額が店舗・モールでの売上に大きく影響することがわかりました。
日本で一般的な「通販企業」の戦い方とは異なる部分もありますが、市場が限定的であることを利用して、一気に認知度を高めシェアを伸ばす戦略が有効です。
 
 

ポイント2:実店舗の利益率の高さ

 
チャネル拡大にあたり抑えておきたいのは、実店舗への卸売りは利益率が高い点です。
自社ECの場合は、広告費の先行投資があるため、利益を出すまでに時間がかかります。
初年度は赤字覚悟で、LTVで回収していく事業モデルです。
事業開始から3〜5年後でも、営業利益率は数%にとどまることも少なくありません。
 
しかし実店舗での販売は、広告投資による認知度アップの効果をそのまま活用できるため、原価と卸値の差がそのまま利益となります。
場合によっては、営業利益率が20%近くになるケースも
 

チャネルごとの売上・利益比率のモデルケース
自社通販 モール・店舗 合計
売上 15億円 10億円 25億円
営業利益 3000万円 3億円 3.3億円
営業利益率 3% 20% 13.2%

 
自社EC以外に販路を広げれば、上記のモデルケースでは2.5倍、企業によっては3倍以上の売上拡大を目指せる可能性もあります。
さらに上の表を見ていただいても分かるように、利益への貢献は売上以上に大きくなります。
 
 

広告投資でCVとともに認知度を高め、店舗での販売と相乗効果

 
販売チャネル拡大のメリットを伝えてきましたが、一気に販路を広げるのは投資倒れになってしまうリスクも。
そのため、

  • 自社ECに注力して売れる仕組みを作る
  • 実店舗やECモールに販路を広げる

の2つのフェーズに分けて進めていきます。
 

販売チャネル拡大のフェーズ2段階

販売チャネル拡大のフェーズ2段階


 

フェーズ1:運用型広告からスタート、KOL活用やテレビCMなど展開

 
台湾や香港、シンガポールなどいずれの国に進出する場合でも、まずは自社ドメインのECサイトから始めます。
顧客を獲得する第一歩は、GoogleやFacebookなどのWEBの運用型広告。
広告やLPのブラッシュアップは、デジタルのみで行うことで効率的にPDCAを回し、売れる仕組みの「土台」を作っていきます。
その過程でヒットする訴求パターンが見つかり、広告のCPAが合うようになったら、プロモーションの種類を増やしていきます
 
たとえば、

  • 日本のインフルエンサーにあたる「KOL(Key Opinion Leader)」や芸能人にSNSなどで発信してもらう
  • テレビのバラエティー番組や美容番組などで商品を紹介してもらい、WEBへ誘導するといったPR広告(プレイスメント広告)

などの手法が盛んです。
PR広告で制作した動画素材をYouTube広告でも二次利用するなど、広告とPR内容に一貫性をもたせながら認知の定着化を測ります
 
さらに、最終的にはマス広告であるテレビにも展開。
「DCM(Direct CM)」と言って、レスポンスにつながりやすい短尺のテレビCMを実施します。
このように徐々に広告チャネルを広げていくことで、一定の直接CVを担保しながら、市場全体での認知度向上が可能になります。
 
ただし、この一連の流れを作るには時間がかかってしまうのが現状です。
スピードを優先する場合は、チャネルごとの連携を最初にまとめて設計することで一気に進めることができます。
 
 

フェーズ2:広告投資の波及効果で、店舗売上もアップと実証済み

 
広告チャネルのバリエーションを増やすのと連動して、販売チャネルもドラッグストアなどの実店舗や、ECモールに広げていきます。
 
たとえば台湾では、コスメド(COSMED)やワトソンズ(Watsons)といったドラッグストアがあり、日本でいうマツモトキヨシのようなものが実店舗にあたります。
 
商品を棚においてもらうために店舗のバイヤーに営業をかけますが、他の日本製の商品や現地のメーカーがブランドを確立しているため、既存商品との差別化が難しい場合は相手にしてもらえません。
ここで武器になるのが、自社ECでのプロモーション投資。
広告の露出先が増え、商品の認知度が高まっていれば、店舗でも売れやすくなるので、商品を取り扱ってもらえるようになります。
 
香港ではFacebookやGoogleなどのWEB広告は、店舗への波及効果が特に期待できます。
広告によってECの売上が増えるのはもちろんですが、店舗の売上もECの20-30%程度見込めます。
多少の幅はありますが、シンガポールや台湾でも、同等の効果が期待できるととらえて問題ありません。
 
店舗への影響は、オフライン広告でも同様です。
台湾へ進出したある企業の事例では、PR広告(プレースメント広告)の投資を増やしたあとから、自社EC(青グラフ)の売上が増え始め、その後、徐々に店舗卸し(緑グラフ)にも影響し始めているのが分かります。
 
さらに短尺のテレビCM(DCM)を投下したあとからは、自社EC・実店舗での卸売ともに全体的に成長しているのがわかります。
(以下グラフ参照)
 

プロモーション内容とその後の売上推移

プロモーション内容とその後の売上推移


さらに短尺のテレビCM(DCM)を投下したあとからは、自社EC・実店舗での卸売ともに全体的に成長しているのがわかります。
 
 

台湾・香港・シンガポールの3,500万人商圏で、認知度とシェアをとる

 
先ほどのグラフでは、台湾でのシナリオを例に説明しました。
しかし、このやり方はシンガポールや香港などのアジア各国でも成り立ちます。
 
アジア各国の人口は、日本より少ないことがほとんどです。
海外進出初期の日本企業がトライすることの多い台湾・香港・シンガポールの人口はすべて合わせても、約3,500万人。
一人当たりGDPは香港・シンガポールのほうが高いですが、国内総GDPとなると日本の約4分の1ほどの商圏です。
 
市場規模は日本ほど大きくないですが、プロモーションの投下量を抑えて、各国の大半の消費者に知ってもらうことができます。
つまり、かかる費用も日本と比べると割安に実施できます。
 
さらにこの3ヵ国は華人(中国系)の割合が高い地域です。
そのため、1つの国で認知度がアップすれば、メディア報道やSNS・口コミなどで他の国にも評判が広まりやすくなります。
 
国内の認知度が高くはないスキンケアやヘルスケアのブランドでも、このマルチチャネル戦略は成功しています。
実際に、台湾で90%以上の認知度を誇り、売上数十億円まで伸ばした事例が出ています。
 
日本でも、ECからスタートして店舗展開を目指す新興企業も増えてきましたが、ブランドの「認知度」や「シェア」にフォーカスするには多額の投資が必要となります。
年商100億円など一定ラインまでは「自社EC主体で売上を伸ばす」がセオリーです。
 
しかしアジア市場は、自社ECでの伸び幅が限定されてしまうことを逆手にとって、小さな市場1つずつの「シェアをおさえる」戦略が有効だといえます。
 
 

日本の「通販ありき」の成功パターンに固執しない

 
ただしこのマルチチャネル戦略は、ECのみを展開する場合は考慮する必要がない点にも配慮が必要になるため、実行の難易度は高くなります。
たとえば、

  • 価格コントロール
  • プロモーションのタイミング
  • 広告の訴求内容

などを自社サイトとECモール、実店舗で揃えなければなりません。
 
具体的には、広告投下が集中する時期やキャンペーン期間であれば、店頭の在庫切れに注意しつつ、広告露出の増加に備えて店舗内の目立つ場所に棚を作ってもらいます。
その他にも、ドラッグストアや自社EC以外の販売先で想定外の値下げが起こらないように価格のコントロールも重要です。
 
訴求内容についても、自社EC・短尺のテレビCM・店頭の販促物など消費者に触れる可能性があるものすべての訴求物を揃えることがポイントです。
芸能人を起用したテレビCMを展開しているのに、店舗の販促物の訴求が異なってしまうと、マス広告のイメージを最大限に活用できません。
芸能人の写真や広告のメッセージを強調したPOPに作り替えるなど工夫することで、実店舗での売上アップに成功した事例も出ています。
 
このように各販売チャネルと、WEBやテレビなどの広告チャネルに目を配りながら、全体最適をはかり売上を高めていきます。
 
それらを複数国で展開するには、「コントロールタワー」となるディレクターが必要です。
 
スタートアジアでは、広告・PRからインストア・プロモーションまで、ワンストップで実行支援を行っています。
WEB広告での勝ち筋が見つかり、各チャネルへ展開していく際には20-30人のプロジェクトチームを組成。
テレビCMやPR、キャスティング、インストアプロモーションなどの専門家が集まり、ECモールや実店舗での販売・オフラインの販促などを代行します。
 

マルチチャネルでの海外事業構築を代行

マルチチャネルでの海外事業構築を代行


今回紹介したように、ECだけでなく店舗などあらゆるチャネルを使って、1つの国や地域での市場シェアを高めていくことがアジア進出の鍵になります。
 
複数国展開も行い、売上30億円を超えた企業も出てくるなど、アジア市場でD2C企業が、売上100億円を超えるまでのロードマップが見えてきました。
 


 
今回紹介した方法論は、日本での「単品リピート通販」の拡大セオリーとは異なるものです。
弊社が8年間アジアでビジネスをするなかで痛感したのが、日本で従来拡大してきた手法に固執しないことの大切さです。
逆に言えば、現地に合わせてビジネスモデルをローカライズできない企業は失敗してしまうといえます。
「アジアで通販事業を展開する」ではなく、これからは「アジア市場で売上を拡大する」ための支援をさらに強化していきたいと考えています。

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