定期コースを導入している通販企業では、お客様の継続率を上げるためにさまざまな施策を試みています。
メールやDM、同梱物やアウトバウンド。このような販促のコミュニケーションに限らず、ちょっとした工夫で定期継続率を上げることができます。
あるECサイトからかいま見えた、定期継続率を高めるための“裏の戦略”をご紹介します。
300社以上の支援実績からロイヤル顧客を育てる方法をわかりやすくまとめました。
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「推奨 クレジットカード」の謎
先日に、あるサプリメント(主に女性にとってのすっきり系)のECサイトで「お支払いについて」のページをみていたところ、不思議に思ったことがありました。
画面の左上から目に飛び込むのが、「推奨 クレジットカード」の大きな文字。
下へとカーソルを合わせると、「決済手数料が無料です」が黄色の蛍光マーカーで強調して表示されるほか、以下の注記まで赤い文字で。
「セキュリティがかかりますので番号がもれる心配はございません。
弊社もお客様のカード番号を一切見ることができませんのでご安心ください。」
その他に選択肢としてあげられていた「代金引換」や「後払い(郵便局・コンビニ等でのお支払い)」(NP後払い含む)と比べても、クレジットカードでの支払いを選択しやすいように明らかに意図をもって、ページが設計されていたのです。
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決済方法によって、LTVや継続率が・・?
興味をもって、化粧品・健康食品他社のECサイトをいくつか調べてみたのですが、支払い方法については、優劣はつけずに並列で記載されているのが一般的。
冒頭の事例のように、クレジットカードでの決済を強調するのはどうしてなのだろう?
そんなことを考えていたときに思い出したのが、弊社グループで決済サービスを通販会社様に提供している同僚から聞いた言葉でした。
「支払い方法を、クレジットカードの自動引落しにすることによって、定期顧客のLTVや継続率が、大きく向上することがある」
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定期顧客の継続率が2倍に
定期通販専用システムの販売を手がけるスタークス(株)によると、決済方法ごとに定期顧客のKPIを追っていったところ・・・
代引きと比べて、クレジット決済は定期継続率が2倍高いというデータも出ているとのこと。
これまでの記事で何度かお伝えしているとおり、ヒトは、今がとりわけ嫌な状態でない限り、あえて普段と変わった行動をとるのを回避するもの。
人間の行動に意識せずとも働く、このような“慣性”(行動経済学では「現状維持バイアス」と呼ばれています)とクレジットカードでの自動引落しは、マッチしているのでしょう。
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「クレジット払いは500円OFF」
もちろん、クレジットカードでの買い物には、特に年齢層が上がるほど抵抗をもつ方が増えるのも事実。
そのためか、あの手この手でカード番号を登録してもらおうとする工夫が見つかります。
通販以外の月額課金サービスの事例です。
・新聞購読
「購読代金はクレジットカード決済がお得です!
毎月、カード会社のポイントだけでなく、さらにTポイントがたまります。」
・通信教育
「代引(代金引換)かクレジットカード払いを当塾では推奨しております。
(振込手数料はお客様ご負担ため、手数料無料の代引、クレジットカード決済がお得です。)」
その他にも、「お支払い方法の指定をしてください」の質問項目にカード支払いに、デフォルトでチェックが入っていたり、なかには、「クレジット払いは500円OFF」など特典をつけている事例までありました。
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サンプル顧客の引き上げにも?
この数年伸びている有料メルマガや、盛んにネット広告の出ている動画視聴サービス等も、同じ原理を利用しているのでしょう。
「お客様の2週間の無料期間後、毎月980円が課金されます。」
というように、無料でのお試し登録(=通販での無料サンプル)時にクレジットカード番号を登録してもらうことを条件に、有料サービスへのスムーズな引き上げを狙っています。
サンプル顧客からの引き上げも、定期顧客の継続率アップも、健康食品・化粧品では各社とも工夫を凝らしている課題ですが、このように「決済」と連動することで、工夫の余地が残っているかもしれません。
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