休眠顧客とは、過去に商品・サービスを購入してくれたものの、その後一定期間、購入がない顧客のことです。休眠顧客の掘り起こしのためにメールを送ったけれど、なかなか購入につながらないという経験はないでしょうか。そのような通販企業の悩みを解決するために、メールやDMの文面例、休眠顧客掘り起こしの手順を解説します。
※2013年の記事です。
休眠顧客を掘り起こすには、メール文を改善する以外にも重要なポイントがあります。
300社以上の支援実績をもとに、ロイヤル顧客を育てるCRM施策をまとめました。
⇒解説資料はこちら
休眠顧客とは?
休眠顧客とは、過去に自社の商品・サービスを購入していたものの、現在は購入していない顧客のことを指します。
休眠顧客の具体的な定義は、企業や業界によって様々です。たとえば、1ヶ月に1回商品を購入することが多い化粧品や健康食品などを扱う通販業界においては、「最終購入日から6ヶ月」もしくは「1年間」購入しない場合はを”休眠顧客” として定義している企業が多いようです。
休眠顧客を掘り起こす理由
休眠顧客を掘り起こした方がよい理由は、広告費をかけて新規顧客に購入いただくより、過去購入していた顧客にもう1度商品を購入いただく方が、費用がかかりにくいからです。
近年、各社のデジタル広告への参入が激化したことで、広告のCPAはかなりの上昇傾向にあります。さらに、店舗を持たずオンラインで完結できるという理由から、通販企業自体も多くなっています。新規顧客を広告で獲得することのハードルがあがっているため、より過去購入いただいていた休眠顧客へのアプローチの重要度が上がってきています。
多くの顧客リストを持っている企業ほど、休眠顧客掘り起こしの成功パターンを作れれば、収益へのインパクトも大きくなります。
休眠顧客を掘り起こすには、メール文を改善する以外にも重要なポイントがあります。
300社以上の支援実績をもとに、ロイヤル顧客を育てるCRM施策をまとめました。
⇒解説資料はこちら
休眠顧客の掘り起こしに使えるメール文4選
実際に休眠掘り起こし施策を行う際、多くの企業がメールやDMといったチャネルで行うことと思います。この章では、メール・DM両方で活用いただける文章を4パターンご紹介します。
初回特別価格で再度購入を促す
定期購入を一度休止したお客様へ、初回と同じ価格でもう一度購入できるご案内をします。お得感を演出し再度再開する際のハードルを下げることができるので、商品に対して大きな不満がなかった方に対して有効でしょう。ここではお得感と限定感を全面に出すことが重要です。
・メールタイトル
【◯/◯まで限定】初回特別価格1,000円で◯◯をもう一度ご注文できるチャンス!
・本文
◯◯様
いつもご愛顧いただきありがとうございます!◯◯ショップです。
今回特別オファーをご用意したので、ご紹介させていただきます。
◯/◯まで限定で、初回価格でもう1度◯◯をご注文いただけます。
————————————————————
商品画像と初回限定価格の記載があるバナー
————————————————————
初回特別価格でご注文できるのは今だけです!
◯/◯を過ぎますとオファーが使えなくなってしまうので、お得なこの機会に、
もう一度◯◯を使い始めてみませんか?
ポイントをプレゼントする
上記の初回特別価格と同様に、お得感を演出して再度購入を促す訴求です。初回特別価格と違う点は、ポイントをプレゼントすることで「保有効果」の誘発を狙うこと。「保有効果」とは、自分の所有しているものに対して高い価値を感じ、手放すことに抵抗感を覚える心理現象のことです。つまり、「せっかくポイントを持っているのだから、この機会に使わなくちゃ!」という状態になってもらうためのメール文です。
・メールタイトル
【◯月◯日まで】◯◯ショップで使えるポイント「500pt」をプレゼントしました!
・本文
◯◯様
いつもご愛顧いただきありがとうございます!◯◯ショップです。
「最近、◯◯で困っている…」
「友だちから◯◯と言われるようになった…」
こんなお悩みを一度は感じたことがある方は、生活習慣の見直し時かもしれません。
そこで今回は、皆様を応援したく◯◯ショップでご使用いただけるポイント
【500pt】をプレゼントいたしました。
ぜひこの機会に◯◯をお試しください!
商品リニューアルのご連絡
商品リニューアルをきっかけに、再度購入を促す施策です。特に、商品に対して不満があった方に対して有効です。たとえば、「商品の効果が感じられなくて辞めてしまった」という方に対して、「商品の成分を改善して、より効果を実感しやすくなったので定期購入を再開しませんか?」という内容をお送りするイメージです。
・メールタイトル
【限定販売】◯◯様のために商品をリニューアルしました!
・本文
◯◯様
いつもご愛顧いただきありがとうございます!◯◯ショップです。
以前は◯◯をお使いいただきまして、ありがとうございました。
お客様から「◯◯の成分をもっと配合してほしい!」と
多くのお声をいただき商品改良を進めてまいりました。
そしてこの度、何回も試行錯誤の末、新商品がようやく完成しました!
以前ご購入いただいたお客様で
「イマイチ効果が実感できなかった…」
「少し高いから続けられない…」
とご使用をやめてしまった方に、ぜひ新商品を使ってみて頂きたいです…!
この機会に1ヶ月使用してみてはいかがでしょうか?
回数の縛りはございませんので、初回だけでもご解約が可能です!
直筆のお手紙をお送りする
ここまでお得感や機能性についての訴求でしたが、最後はお客様の「感情面」に訴えかける施策です。この施策は、元々何回も定期的に購入いただいていた「ロイヤル顧客」だった方が、定期購入をやめてしまった際に有効です。多くの場合、定期購入をやめたとしても企業や商品そのものを嫌いになってやめた訳ではありません。直筆+お客様のことを想った文章で「ここまでしてくれるなら、また再開してみようかしら」と思っていただくことが狙いです。
・本文(手紙のため、本文のみ)
◯◯様
いつの間にか日中は汗ばむような季節となりましたが、◯◯様はいかがお過ごしでしょうか。
初夏のこの時期、◯◯(商品名)は冷たい飲み物と一緒にお召し上がりいただくと、
◯◯(商品名)のスッキリとした味わいがより引き立てられます。
まだ冷房を使うには勿体なさを感じるこの時期でも、冷房いらずで清涼感が得られますので、
ぜひお試しください。
◯◯様からのご連絡、社員一同心からお待ちしております。
休眠顧客を掘り起こすには、メール文を改善する以外にも重要なポイントがあります。
300社以上の支援実績をもとに、ロイヤル顧客を育てるCRM施策をまとめました。
⇒解説資料はこちら
休眠顧客を掘り起こす3つの手順
ここまで具体的なメール文例を紹介してきましたが、休眠顧客にアプローチする前準備も重要です。最後にこの章では、実際に休眠顧客の掘り起こし施策を行う際の具体的な手順を3つに分けてご紹介します。
①休眠顧客を定義
休眠顧客といっても、企業や業界によって定義は様々です。冒頭では、通販業界においては、「最終購入日から6ヶ月」もしくは「1年間」と定義している企業が多いとご紹介しましたが、あくまで一例ですので全ての企業に当てはまる訳ではありません。
では、どのように休眠顧客を定義するのかというと、「RFM分析」を活用してそれぞれの状況に応じた定義をしていきます。RFM分析は、最終購入日(Recency)、購入回数(Frequency)、購入金額(Monetary)の3つのセグメントを用いて、顧客を分析する手法のことです。最終購入日が直近かつ、購入回数が多い顧客の方が、休眠顧客の中でも復活の可能性が高いと言われています。
自社でRFM分析を活用して、休眠顧客を定義してみましょう。
②アプローチする媒体を選ぶ
休眠顧客を定義したら、アプローチする媒体を選んでいきましょう。大きく分けて3つのアプローチ方法があります。それぞれの特徴を解説していきますので、自社商材と親和性が高い媒体を見極めましょう。
メール
メールで掘り起こしを行うメリットは、配信コストが低い点です。メール文章を作り配信をするだけで、休眠顧客にアプローチできます。また、「定期購入を休止してから、6ヶ月後にメールを送信」という設定をしておくことで、自動化できるため工数も最小限に抑えられます。
一方で、結果が出づらいというデメリットもあります。ご自身のメールボックスを開いていただければ想像しやすいと思いますが、日々たくさんのメールが休眠顧客にも送られています。その中で、自社が送ったメールを開いて、再開する確率は低いでしょう。そのため、メール文の例でもお伝えしたひと工夫が必要です。
また、メール以外でもLINE公式アカウントから休眠顧客へアプローチすることも有効でしょう。
DM
DMのメリットは見てもらえる確率が高い、という点です。メールの説明の際に記載したように、最近ではメールでの休眠顧客へのアプローチが一般的になってきており、顧客側も慣れてきてしまっています。一方で、DMは直接ポストに届くため顧客の目に触れやすく、再開につながる可能性が高まります。
ただ、発送のコストがかかるため、費用が高くなってしまうことがデメリットです。費用が高くなる分、手書きにするといった工夫で、反応率を高くすると費用対効果が合いやすいでしょう。
電話
電話でのアプローチは、メールやDMに比べて相手に伝える内容の自由度が高いことがメリットです。電話口で休眠顧客の悩みやニーズをヒアリングした上で商品やサービスを提案できるため、購入に繋がりやすいでしょう。
しかし、メールやDM以上に費用がかかってくることがデメリットです。そのため、休眠顧客の中でも再度購入いただける可能性が高い方に絞った上でアプローチすることで、採算が合いやすいでしょう。
③クリエイティブを作成する
最後に、メール文4選でご紹介したようなメール文章や、DMのデザイン、電話のトークスクリプトなどのクリエイティブを工夫していきます。ここで重要なことは、顧客の視点に立つことです。
いくら自社で良いと思っていたクリエイティブでも、顧客側からすると魅力的ではないということがあります。忘れてはいけないのが、自社都合の売り方になっていないかということ。顧客は、「企業から売り込みをされている」と思うと購入に対して前向きな気持ちになれません。そのため、「ただ1人のあなたのためを想ったご案内です」という姿勢で、顧客から見て魅力的なクリエイティブになっているか、を意識しましょう。
この記事が休眠顧客の掘り起こしの際の参考になれば幸いです。
休眠顧客を掘り起こすには、メール文を改善する以外にも重要なポイントがあります。
300社以上の支援実績をもとに、ロイヤル顧客を育てるCRM施策をまとめました。
⇒解説資料はこちら