20世紀アメリカにおける通販コピーの巨匠、ジョセフ・シュガーマン氏。
若き日の彼が出稿した新聞広告で、“お買い得感”を演出して大反響を集めたことがありました。
行動経済学の「アンカリング効果」も解説しながら、オファーの価格を効果的に見せる方法をお伝えします。
チラシ広告で優良顧客を獲得するための方法を分かりやすくまとめました。
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価格表示の間違い、災い転じて福となり…
アメリカの通販コピーの巨匠、シュガーマンの本を先日に読み返していたら、面白いレスポンス比較(?)の話を見つけたので、共有させていただきます。
若き日の彼が電卓の広告を新聞(ウォール・ストリート・ジャーナル)に出したときに、大きな間違いを犯してしまったというのです。
(「シュガーマンのマーケティング30の法則」より)
本来は「69.95ドル」の商品を「49.95ドル」と値下げしたところ、「全国の取扱店から苦情が殺到している」という怒りの連絡が…
そこで小さな訂正広告を出したのですが、「数日間だけ元の価格で販売する」旨を記載しました。すると・・・
猶予の数日間のうちにたくさんの注文が。
訂正広告は、前に出した広告よりもごく小さかったのですが、反響は上回ってしまったとのこと。
ここで彼は、自分のミスでお客に期待以上のお買い得感を与えていたことに気づいたということです。
単に「49.95ドル」の電卓なら、高いのか安いのかが分かりません。
ところが、「69.95ドル」という比較対象ができたことによって、(さらに、訂正という真実味のある期間の限定が生まれたため)「今買わないと損」という気持ちが、注文した人に生まれたのでしょう。
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ルーレットの数字に、値段が引きずられてしまう!?
↑のような現象は、行動経済学の世界では「アンカリング効果」として説明されています。
最初に目に入った情報が基準となって、その後の判断が左右されるという意味ですが、不思議なことに、その基準値がたとえどんな価格であっても、見た人はその数字に引きずられてしまいます。
これを証明する面白い実験があるのですが、ショッピングをしているお客さんに、200から2000までの数字が刻まれたルーレットを回してもらいます。
数字が出た後に、「よくある普通のハサミ」を見せて、「このハサミは何円でしょう?」と質問したところ、
ルーレットで大きな数字の出た人(1200~2000)は小さな数字が出た人(200~1000)と比べて700円以上も高い値段をつけたそうです
さらにハサミへの評価を聞くと、数字の小さい人からは「見た目だけ」「100円均一で売ってそう」などが多く寄せられ、一方、数字の大きい人からは「材質がよい」「よく切れそう」などが聞かれたとのこと。(このブログを参考にさせてもらいました)
このようにルーレットで偶然出た数字を見ただけで、「いくら払ってもよいか?」が変わってしまうのは、不思議です。
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「○○限定割引」によりお得感を演出するも…
とここまで偉そうに説明してきましたが…
この「アンカリング」効果、通販でも日常的に使われていますね。
一番よく見られるのが値引き。
たとえば広告では…
「初回限定!特別割引 通常価格 1個1700円
→40%割引! 初回価格 1個1000円」(化粧品)
健康食品のサンプル請求者向けのDMでは、↓のような記述が。
「このご案内が届いてから10日以内にご注文の方に
もれなく20%増量プレゼント!お得な10%割引+送料無料セット」
ただ、これらの割引でやりにくいのが、どうしても自社商品との比較になってしまうことですね。
他のお客様との公平性を保つためにも、値引きには期間や対象者など限定をしなければなりません。
一方、前回のブログでも書いたように、限定にも真実味のある理由がないと、「後でまた値下げするんでしょ」と思われてしまうかも…
そんなことを考えていたときに、発想を転換させてくれた表現を見つけました。
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どうしてシャンプーは数百円でいいの?
「3秒で女を『買う気』にさせる魔法の言葉」(森洋子)という本で紹介されていたコピーです。
「老け顔のその原因はシャンプー選びにあった!」とドキッとするコピーの後に、顔と頭皮がつながっていることを説明。
さらに、以下の言葉でたたみかけます。
「顔には1万円のクリームを使うのに、
どうしてシャンプーは数百円でいいの?」
シャンプーというと、どうしてもドラッグストアで売られている数百円の商品が基準値(アンカー)となってしまいます。
ところが、このコピーによって、高額を出しやすい商品(化粧品)にアンカーをずらすことで、シャンプーへの出費を妥当に感じられるようになりますね。
これを読んだ後に、いろいろな広告を調べてみると↓のように他カテゴリの商品と比べている例がありました。
・化粧品(ジェルパック)とエステ
・サプリメント(プラセンタ)とプラセンタ注射
もちろん上記は一例ですが、皆さんの商品でも「価値を伝えにくい…」と思うときは、何か比較できるものを探してみてもよいかもしれませんね。
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