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お友達紹介キャンペーンとは?やり方や成功事例、景表法についても解説

お友達紹介キャンペーンとは、顧客に商品やサービスを紹介してもらう手法です。 効果を発揮する理由や紹介が生まれにくくなる間違ったやり方、キャンペーン設計で大事にしたいポイントを実際の事例とともに紹介します。

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お友達紹介キャンペーンとは

 
友達紹介キャンペーンとは、プレゼントや特典をお礼として付与することで、顧客から友達(新規顧客)を紹介してもらうマーケティング手法です。
 
リファラルキャンペーンとも呼ばれるこの手法では、紹介した人と紹介された人の双方に特典などを与えます。お礼に渡すものは、デジタルギフトやサンプル、次回以降に使える割引クーポン・ポイントなどが一般的です。
 
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お友達紹介キャンペーンが効果を発揮する理由

 
お友達紹介キャンペーンは、新規顧客の獲得施策として大きな効果を発揮する可能性があります。その理由(キャンペーンを行うメリット)は以下の3点です。
 
 1. 商品・サービスの購入ハードルを下げやすい
 2. 集客コストを抑えやすい
 3. 広告で獲得できない顧客層にもアプローチできる
 
それぞれの理由をくわしくみていきましょう。
 
 

商品・サービスの購入ハードルを下げやすい

 
メリットの1つは、家族や友達といった身近な人に紹介してもらうことで、商品やサービスを安心して購入してもらえる点です。
 
企業からの広告やキャンペーンは、「本当に信用して良いのか」「セールストークで言っているだけで実はこちらが損をするのではないか」と疑われるリスクがあります。この疑いがない状態にするには、時間やコストをかけて信頼を得る必要があります。
 
一方でお友達紹介キャンペーンの場合、家族や友人などその人にとって身近な人が商品・サービスを勧めます。そのため、企業からの発信よりも、安心して商品・サービスを購入してもらいやすくなります。
 
実際、グリーの子会社が2,464名を対象に行なった調査でも、「商品の購入時に参考とする情報源」として友人・知人・家族を挙げた人の割合は30%弱です。Web広告やネットの記事、企業のHPなどよりも多い数値となっておりこのことからも、お友達紹介キャンペーンは新規獲得に貢献しやすい手法といえるでしょう。
 
出典:Glossom 【ソーシャルコマースに関する定点調査2022】
 
 

集客コストを抑えやすい

 
企業が広告やメルマガで集客する場合と比較すると、集客コストを抑えやすい点もメリットの1つです。
 
新規獲得では、広告やSEO、メルマガ、DMなどを活用しますが、これらの施策を行うには、コンテンツ(文章やイラストなど)の作成や媒体への出稿など一定のコストがかかります。
 
一方でお友達紹介キャンペーンでは、紹介が成立した場合にのみ特典やプレゼントを渡します。言い換えると、事務手数料や人件費などを除き、ほとんどコストは発生しません。
 
したがって、集客コストを成果につながった分だけに、抑えることが可能です。
 
 

広告で獲得できない顧客層にもアプローチできる

 
お友達紹介キャンペーンでは、広告から獲得できていない顧客層にアプローチできる可能性があります。
 
物心ついた頃からデジタルに触れて、広告慣れした世代が増えてきていることや、過激な表現が一部の広告で見られるなど広告自体に嫌悪感を抱く人もいます。そのため、一昔前と比べて広告経由でものを購入しない人は増加傾向です。
 
広告を好まないユーザーは、本当に良いものだけを使いたいと購入前にSNSで口コミを調べたり、自分と同じ悩みを抱えるインフルエンサーが使っている商品を選ぶなど、確信が持てる商品を購入しています。
 
このような消費者にとって、友人や身内など自分が知っている人がおすすめしてくれたものは不安や疑いの気持ちが払拭されやすいでしょう。
 
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紹介が生まれにくくなるケースとは?【事例で解説】

 
ここまでお伝えした内容だと、お友達紹介キャンペーンは集客手段としてメリットばかりに思われるかもしれません。ただ、紹介の仕方によっては、かえって紹介が生まれにくくなるケースもあります。
 
この章では、実際の事例をもとに、具体的なケースを紹介します。
 
 

お友達紹介キャンペーンの、意外な結果

 
ある健康食品会社で、お友達紹介キャンペーンが行われました。初めはオファーをつけなかったところ、約500件と上々の滑り出し。
 
「インセンティブが何もないのに、これだけ集まったなら、今度はオファーをつけたら、もっと数字がとれるに違いない!」と見栄えの良い景品をつけたところ・・・なんと、数値が変わらなかったそうです。
 
つまり、“オファー”と“お友達紹介キャンペーン”の獲得件数に相関がなかったということ。では、なぜ見栄えの良い景品をつけたにもかかわらず、お友達紹介キャンペーンの効果は発揮されなかったのでしょうか?
 
 

実は、自然な紹介が生まれにくくなっていた

 
効果が発揮されない理由として、自然な紹介を生みにくい訴求内容であることが挙げられます。「自然な紹介を生みにくい訴求」の例として、健康食品に同梱されたチラシに記載されることが多い以下の文言が挙げられます。
 

特典満載!あなたのお友達をご紹介下さい!
<あなたに>
お友達が○○○(商品名)を購入するともれなくもらえる500円分 QUOカード
<お友達に>
○○○(商品名)購入でもれなくもらえる「竹炭ギフト」

 
「お友達をご紹介くださったあなたには○○を、お友達には○○を差し上げます」というキャンペーンの典型的なメッセージです。よく見られるこのような訴求は、「賄賂提供型」と呼ばれるキャンペーン方式です。
 
賄賂提供型について、「口コミ伝染病」(神田昌典)では以下のように解説されています。 

「このキャンペーンは、分かりやすく言い換えると、『あなたに賄賂を渡すから、友達を売り渡しなさい』ということだ。」

 
顧客の心に、景品につられて“お友達を売る”という意識が浮かんでしまうと、それが自然な紹介を生みにくくすることがあります。
 
そのため、通販業界でよく聞く「普段は紹介が多いけど、紹介キャンペーンをやったら件数が減った…」というケースは、賄賂提供型のキャンペーンが原因である可能性が高いです。
 
反対に「紹介は大事だけど、普段は意識していない。短期的に追うのではなく、結果論として出るものだから」との考え方に基づいた方や企業様が、かえってお友達紹介キャンペーンを成功させている傾向が見受けられます。
 
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お友達紹介キャンペーンの効果的なやり方

 
前章で紹介した失敗要因を分析すると、お友達紹介キャンペーンの効果を高めるコツが見えてきます。この章では、お友達紹介キャンペーンのコツ(効果的なやり方)として、以下の5つを紹介します。
 
 1. 「十字軍結成型」のキャンペーンを行う
 2. 会社の「ミッション」を訴求する
 3. 紹介のメリットと特典は魅力的なものにする
 4. 様々な媒体を組み合わせて告知する
 5.  初回購入から時間が経っていない顧客を対象とする
 
以下では、それぞれのコツをくわしく見ていきましょう。
 
 

「十字軍結成型」のキャンペーンを行う

 
前述した書籍では、お友達紹介キャンペーンを「賄賂提供型」と「十字軍結成型」の2種類に分けています。お友達紹介キャンペーンを成功させるには、後者を実施する方がよいでしょう。
 
十字軍結成型のキャンペーンとは、「商品・サービスの紹介によってお友達を救ってあげよう」という働きかけを行う手法です。その事例として紹介されているのが、「塩素の水を飲んでいるお友達に『サンゴの力』を教えてあげませんか?」というキャンペーンです。
 
この「サンゴの力」とは、健康食品。水道水をおいしい水に変える粉末です。
 
お客様とこの会社とで共有されているのが、塩素を含む水道水は“健康に悪い水”、つまり“敵”という設定。その敵から友達を救うという崇高なる行為が、この「塩素の水からお友達を救ってあげよう」キャンペーンに参加すること、という意識になるそうです。これなら、紹介するお客様も「友達を売った」という感覚になりにくいですね。
 
もちろん、景品を渡してはダメという訳ではありません。ただ、同じ景品をつけるにしても、景品をもらうのが目的か、お友達を救ってあげるのをメインにするのかで、お客様もモチベーションが変わってくる、という仕組みです。
 
 

会社の「ミッション」を訴求する

 
2つ目のやり方は、会社の「ミッション」を訴求する手法です。「私たちは、この問題の解決のため、商品を販売します」という訴求により、お客様にとっての“敵”と戦う姿勢を見せることで、会社とお客様には“同志”のような連帯感が生まれます
 
たとえば、急成長してきた海外の化粧品会社、「アヴェダ」や「THE BODY SHOP」では・・・
 

  • アヴェダ
    :「真の美しさは行動を伴う」
    (オーガニックにこだわり、環境保全を重視)
  •  

  • THE BODY SHOP
    :「美しさへの道は、自然の中にあると信じています」
    (化粧品の動物実験に反対)

 
という明確なミッションがあり、しかもそれが、行動で体現されています。
 
あなたの会社は、お客様の悩みや社会の困り事で、、「どうしても解決したい!」ことはありますか?その“美容”や“健康”などへの想いを顧客に訴求することで、お友達紹介キャンペーンの効果を高めることにつながるでしょう。
 
 

紹介のハードルを超えるメリットを提供する

 
お友達紹介キャンペーンの効果を高めるには、紹介する側のメリットが紹介のハードルを超えないといけません。
 
たとえば、商品・サービスを気に入っている顧客でも、「紹介するのは面倒」、「紹介して関係を崩したくない」などの理由で、紹介を躊躇するケースはあります。こうした顧客を後押しするためには強い動機付けが必要であり、その手段として「ハードルを超えるためのメリット」が機能します。
 
同様に、紹介される側に対しても、「会員登録などの手間がかかっても加入したい」と思ってもらえるように、メリットを準備することが重要です。
 
メリットの具体例としては、「商品やサービスの割引クーポン」や「次回以降使えるポイント」などが挙げられます。先程紹介した「十字軍結成型」のキャンペーンと併せて、「商品の紹介によってお友達を救おう、今なら始めやすいクーポンも付きます」と訴求すると効果が高まるでしょう。
 
また、「メリットの伝え方」を工夫することも重要です。たとえば “特典” というと無料のイメージがありますが、ものによっては「無料」にすることで「タダでもらえるから価値が低い」と感じられてしまうこともあります。
 
こうしたことを防ぐには、無料特典の「本来の価格」を知ってもらう施策が効果的です。たとえばスポーツジムを1週間無料で利用できる特典であれば、「本来3,000円相当の利用分を無料でご提供」などと記載することで、「価値のある特典」とよりメリットがある印象を持ってもらえます。加えて、「期間限定」や「1人あたり1回限り」などと希少性を訴求すると、より効果が高まるでしょう。
 

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様々な媒体を組み合わせて告知する

 
お友達紹介キャンペーンを行う際には、様々な媒体を組み合わせて、多くの顧客に訴求しましょう。ここまで紹介した3つのコツを押さえたとしても、それを顧客に知ってもらえなければ、新規顧客を紹介してもらえません。
 
媒体に関しては、「アプローチできる顧客数」や「キャンペーンの対象者(紹介する側の顧客層)」を基準に検討しましょう。アプローチできる顧客数の多さは重要ですが、それに加えて効果を高めるには対象者を絞る必要があります(詳しくはこのあとの章でお伝えします)。
 
アプローチする顧客数を増やすには、DM(ダイレクトメッセージ)やSNS、販促チラシ、公式ホームページなど、顧客が見る可能性がある媒体を複数活用しましょう。
 
キャンペーンの対象者を絞る際には、インタビューやアンケート、CRM施策で得たデータをもとに、対象の層がよく活用する媒体に絞り込むのが良いでしょう。たとえば若者をターゲットとしたい場合は、LINE公式アカウントなどのSNSでの宣伝が効果的なケースが多いです。
 
「アプローチできる顧客数」や「キャンペーンの対象者」のどちらに比重を置くかはケースバイケースです。予算の範囲で費用対効果が最大になるよう媒体を組み合わせられるとよいでしょう。ただし、1回目のキャンペーンから成功するのは難しいため、継続的に施策の改善を繰り返し、段々と効果を上げていくことが一般的です。
 

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初回購入から時間が経っていない顧客を対象とする

 
実際にお友達紹介キャンペーンを行う場合には、紹介者の熱量が高いかどうかも踏まえて実施できると良いでしょう。具体的には、初回購入から時間が経っていない顧客に紹介を担ってもらうことがおすすめです
 
たとえば化粧品やサプリメントの場合、購入から1〜2ヶ月後に初めて効果を実感するケースが多いです。商品・サービスに対する好感度やテンションが最も高いタイミングであるため、自らに起きたポジティブな変化を誰かに伝える目的で、商品・サービスを紹介してもらいやすくなります。
 
実際、弊社が支援した化粧品会社によるお友達紹介キャンペーンでも、初回購入から時間が経過していない顧客による紹介率が高くなりました。反対に、購入回数の多いお客様からの紹介は想定に反して少ない結果となりました。
 
データで実証されていることからも、紹介購入から時間が経過しておらず、商品・サービスに対する好感度やテンションの高い顧客を紹介者の対象とするのがおすすめです。
 
以上より、初回購入から間もない顧客に絞ることで、紹介者の数を増やさなくても、より多くの新規顧客を獲得できるようになります。効率的にキャンペーンを行うためにも、紹介者の全体数を増やすだけでなく、紹介者の質にもこだわると良いでしょう。
 
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お友達紹介キャンペーンの成功事例

 
お友達紹介キャンペーンは、様々な企業で実施されています。この章では、成功事例を3例取り上げ、特典の内容や、キャンペーンの特徴を解説します。
 
 

パルシステム

 
パルシステムは、生協が展開する宅配サービスです。
 
パルシステムのお友達紹介キャンペーンでは、紹介コード(URL)経由で入会が完了した場合に、以下の紹介特典が付与されます。
 

パルシステムのお友達紹介キャンペーンの例
特典の詳細
紹介者1名紹介ごとに1,000円値引き
被紹介者・最大4,000円分のクーポン
・お料理セット・お米5%オフ
・人気商品10%オフ

 
パルシステムのキャンペーンのポイントは2つ。1つ目は、紹介・加入の導線がスムーズな点です。紹介するためには、ページ内のボタンから専用の紹介コード・URLを発行し、それをLINE・メールで知人に送付するだけです。そこから加入・登録してもらえれば、紹介特典を受け取れます。(詳細な条件は公式サイトでご確認ください)
 
2つ目は、通常の加入とは別に、「おためし宅配申し込み」のプランも用意されている点です。無料体験した上で正式加入を検討できるため、紹介を受ける側のハードルが低くなっています。
 
出典:お友だち紹介|生協の宅配パルシステム
(※2024年2月時点のキャンペーンです)

 
 

ティップネス

 
ティップネスは、ジムやプールなどを兼ね備えた総合フィットネスクラブです。
ティップネスのお友達紹介キャンペーンでは、LINEアプリまたはメールからの紹介で、以下の特典が付与されます。
 

ティップネスのお友達紹介キャンペーンの例
特典の詳細
紹介者月会費が3ヶ月間割引
※金額は紹介人数によって変動(以下は3ヶ月の合計割引額)
 ・1人:3,300円
 ・2人:6,600円
 ・3人:9,900円
被紹介者月会費が3ヶ月間割引
※合計3,300円割引

 
ティップネスのキャンペーンのポイントは、「家族や友達などの親しい人と一緒にフィットネスを楽しもう」という訴求を全面的に押し出している点です。
 
単なるダイエットの場としてではなく、「家族や友人などとの楽しい時間を過ごす場所」というイメージを想起してもらい、周りの人と過ごす時間の使い方の1つとして提案しています。
 
また、会員による紹介だけでなく、複数人での新規入会も特典付与の対象としている点も特徴です。家族や友人と一緒に入会する場合にも特典を付与することで、より一層入会しやすい仕組みづくりをしていると言えます。
 
出典:一緒ならで割 | フィットネスクラブ ティップネス
(※2024年2月時点のキャンペーンです)

 
 

よなよなエール

 
よなよなエールは、ビールを販売しているD2C企業です。
 
ここまでは直接的な友達紹介キャンペーンを紹介してきましたが、ここでは弊社の憶測も入りますが間接的に友達紹介キャンペーンになっている「父の日限定ギフト」の事例を紹介します。
 
よなよなエールが発売している父の日限定ギフト
 
「父の日限定ギフト」は2004年に発売を開始し、楽天市場の「ビール・洋酒」ランキングで2023年までの10年連続で1位を獲得。さらに、ギフトを受け取ったお父様を対象にした2022年のアンケートでは、96.6%の方に「非常に満足」「満足」(7段階評価の上位2段階)と回答をもらっています。
 
父の日限定ギフトの影響もあり、3年間で売上1.9倍になっています。
 
ここから読み取れることは、父の日ギフトは「十字軍結成型」に似た友達紹介キャンペーンとして機能しているのではないか、ということです。
 
今回の場合は仮想敵は作らないものの、利他的な行動からスタートしているという点は似ています。息子もしくは娘から「美味しいビールを父親に飲んでもらいたい」という気持ちからスタートし、「自分の子供からオススメしてもらったのだから」とギフトを楽しみ、実際に気に入れば自分から購入するようになる、という仕組みです。
 
ギフトをもらったお父様からの評価が高く、かつ3年間で売上1.9倍という事実を並べると、上記のように推測できます。
 
出典:3年間で売上1.9倍 「よなよなの里 2023年父の日限定ギフト」 販売中
 
キャンペーン施策以外でも、CRM施策でLTVを高める方法があります。
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お友達紹介キャンペーンと景表法

 
お友達紹介キャンペーンの実施の際は、「景品表示法(景表法)」に抵触しないかどうかはチェックしておきましょう。この章では、景表法におけるお友達紹介キャンペーンの扱いに関して、基本的な論点を解説します。
 
※当記事は、消費者庁や弁護士事務所のページを参考に記載しております(2024年1月時点の情報)。
 
 

お友達紹介キャンペーン自体は適法

 
景表法において、お友達紹介キャンペーンの実施自体は禁止されていません。ただし、特典の内容が「景品類」に該当する場合には、景表法の規制対象となるため注意が必要です。
 
 

まずは景表法の「景品類」に該当するかどうかを確認

 
前項でお伝えしたとおり、お友達紹介キャンペーンは、実施が禁止されていないものの、場合によっては規制対象となる施策です。したがって、まずは特典内容が「景品類」に該当しないかどうかを確認しましょう。
 
判断基準は、消費者庁の「景品類ではないもの | 消費者庁」Q31に記載されています。その内容は以下のとおりです。
 

景品類に該当しない(原則)自己の供給する商品または役務の購入者を紹介してくれた人(紹介者)に対する謝礼(既存顧客以外も含む)
景品類に該当紹介者を自己の供給する商品または役務の購入者に限定する場合の謝礼

 
 

景品に該当する場合の規制

 
特典内容が景品類に該当する場合、通常は景表法における「総付景品の規制」を受けます。具体的には、下表のとおり提供する特典(景品類)の最高額に制限が設けられています。
 

特典(景品類)の最高額
取引価額景品類の最高額 
1,000円未満200円
1,000円以上取引の価額の10分の2

 
なお取引価額は、消費者庁の資料では「通常、景品類の提供を受けるために必要な取引のうち最低の金額」と定義されています。たとえばキャンペーン対象とする定期購入コースのうち、最安値のプランが1万円であれば、原則として取引価額は1万円となります。この場合、紹介特典の金額は2,000円(1万円×20%)が上限となります。
 
見てのとおり、景表法の規制対象かどうか、上限額がいくらなのかを考えるには、法律の専門的な知識が必要です。例外的な取り扱いも多いため、実際にお友達紹介キャンペーンを実施する際には、専門家である弁護士や消費者庁にご相談ください。
 
出典:
景品類ではないもの Q31 | 消費者庁
総付景品について Q110 | 消費者庁
景品規制について Q59 | 消費者庁
お友達紹介キャンペーン!と景表法(よつば総合法律事務所)
そのおまけは景表法違反かも?総付景品規制の4つのポイントを解説!(topcourt)
 
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お友達紹介キャンペーンのまとめ

 
お友達紹介キャンペーンは、コストを抑えて新規顧客を増やすことができる手法です。ただし、その紹介キャンペーンは本当に紹介するメリットがあるか、どのフェーズの顧客に働きかけるかなどしっかりとした設計が必要です。
 
本記事で紹介した事例や効果的なやり方を参考に、キャンペーンを企画してみてはいかがでしょうか?
 
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