みなさま、こんにちは。通販保健室、林田七恵です。
本日よりコラムを担当させて頂きます。
宜しくお願いいたします。
目次
「林田七恵の通販保健室」
コンサルタントのお仕事がお医者様だとすると、それよりももう少し身近で相談しやすい保健の先生のような立場で今までの経験に基づいて、通販のあれこれをお手伝いさせて頂いています!
ちょっと自己紹介をしますと、1998年に先輩たちと5人で会社を起業し、5年で年商100億円、JASDAQ上場を果たしました。
商品は化粧品、健康食品がメインで、私は創業から企画、通販事業の責任者をしてきました。
その後前職の社長と今の会社を立ち上げ、自社通販と他社の通販支援事業を行っています。
当初はまだ通販のノウハウが書かれた本も、メルマガも皆無でしたからアメリカのダイレクトマーケティングの本を翻訳してもらって読んだり(英語がわかりません 笑)総合通販さんのやり方をアレンジしたり、本当に手さぐりでオリジナルな実験を繰り返してきました。
ですので、失敗経験も山のようにしていますし、形のない中からやってきている分、例えば今よく言われているステップメールも、どういうところから派生して、一般小売りの何を参考にしてどうして定着したか、なども知っているつもりです。
今回はこちらでコラムを書かせて頂くことになり保健体育の授業が普段当たり前と思っている自分の体のことを改めて学ぶように、普段はあまり改めて考えない
そもそも通販ってなんだっけ?
通販は小売業の一部だよね、
戦略とは、マーケティングとは?
広告とは、なんだっけ?
そんな投げかけをしていければと思っています。
通販はすでに過密市場になりつつあり、これからは他の小売業がそうであったように、業態転換を強いられる場面が近い将来に来る可能性があります。
そんなそう遠くはない未来に向けて、自分たちがしている商売を、目の前のノウハウとしてだけでなく本質的に、そもそもなんだっけ??
と考える習慣を持つことがこれから生き延びていく知恵となるのではないかと思います。
そんなことを皆さんと一緒に私自身もコラムを通して考えるきっかけになればと思っています。
どうか宜しくおお願いいたします!!
「第一回:小売業の歴史(1)」
さて、これからは4回にわたって「小売業の歴史を通してみる、通販」と題しまして、100年くらい前にさかのぼりながら、皆さんと今の通販にたどり着くまでを見ていきたいと思います。
お店じゃ売れないから通販でもやってみるか、では売れません。
「通販が儲かるらしいぞ!」「5年で100億目標だ!」
と、異業種からの参入やメーカーさんの参入が相次いでいる通販。
ツーハン、ツーハンとまるで直ぐに儲かる特殊なもののように、魔法の言葉のように使われていますが、ツーハンとは、単なる「通信技術を使った無店舗販売」、でしかありません。
お客様に物を売る商売、ということに変わりはないですから
「うちの商品は普通のお店じゃ売れないから、通販でもやってみるか。」
ではもちろん売れません。
イメージしやすくいえば、街角の実演販売のように道を歩くお客様を呼び止め、その前で商品を持ってプレゼンし、それを買って頂けるだけのノウハウがなければならないのです。
この小売業の原則。
・道を歩く人の中から呼び止める人を見極める(ターゲッティング)
・注目してもらい足を止めてもらう。(注意)
・その商品の必要性に興味を持ってもらう。(関心)
・その商品を買う理由を納得してもらう。(欲求・記憶)
・その商品を負荷なく今すぐ買ってもらう。(行動)
つまり、その商品がどんなターゲットに対してどんなニーズを満たすものなのかが明確であるということ、またそれをどう伝えれば伝わるのかが分かっているということ。
これがとても大切になってきます。
今から小売業の歴史を話しますが、実はその時代時代で流行った業態は、この商品が売れる原則と同じような原則で説明することができます。
また、時代時代の業態が、どんなニーズを満たして成長・衰退していったかを考えることで、今通販がなぜもてはやされているのか、今後どうなりそうなのか、その通販という業態で自社の商品はさらに誰にどんなニーズを満たすものなのか、そんなことを考えるきっかけになればうれしいです。
100年も前からある百貨店の小売業の原則は・・・
では先ほどの小売業の原則にそって、説明をしていきましょう。
まず私たちが今使っている小売業と呼ばれるものが誕生したのは、今から100年前、1904年までさかのぼります。
最初に生まれたのが、ご存じ百貨店です。
そこからスーパー、コンビニ、総合通販、専門店チェーン、単品通販、複合型ショッピングセンターと時代に合わせて変遷していくのですが・・・
まず近代小売業の中で最初に生まれた百貨店を見ていきましょう。
一番最初は100年前に開店した日本橋三越です。
当時の百貨店業は先ほどの原則に基づいて説明すると、下記のような特徴がありました。
(ターゲッティング)
=電車が出来たことによって活動範囲が広がり、都心に遊びにくるようになった人々に
(注意)
=ここに来れば西洋文化のすべてが見える、買える、と新しさをPRし
(関心)
=西洋文化を取り入れるための洋服や洋食をわかりやすく説明し
(欲求・記憶)
=そこでしか手に入らないから、百貨店ですべてそろえるべきだと納得してもらい
(行動)
=親切な店員を置いて丁寧に買い方を教えながら購入に導く
という新しいニーズをとらえるビジネスモデルで、急速に伸びていきました。
戦前には呉服屋等から発展した専門の会社がそれぞれ伸長し、戦後には鉄道会社が百貨店事業に進出し、地方都市にも次々に百貨店が出来ていきました。
が。もちろん、ニーズは変化していきますから、寿命があります。
そこで次のニーズを見たし、百貨店を衰退に追い込んでいったのがスーパーです。
小売の業態変化や今の通販のドライバーになっているのは○○
一番最初のスーパーが出来たのが、1963年。ダイエーです。
1972年には三越の売り上げを抜き小売業界TOPに躍り出ました。
この間、10年足らず。戦後高度成長のこの時代、どれだけ変化が激しかったかが想像できますね。
スーパーの特徴は
(ターゲッティング)
=社会進出し始めた女性や、選択眼を持ち始めた女性たちに。
(注意)
=近くに安くて効率的に商品が買える場所が出来たとアピールし
(関心)
=メーカーと組んでTVで新製品情報を発信して関心を引き
(欲求・記憶)
=新製品やその他の商品を豊富な品ぞろえとロープライスにして
(行動)
=セルフ方式で手間なく自分のペースで買える仕組みを用意する。
ここで百貨店とスーパーを比べてみると、女性の社会進出とマスメディアの登場が大きく影響していることがわかります。
これから先の業態変化や通販においても戦後から今までのキーワードはやはり
・女性のライフスタイルの変化
・メディアの変化
これが大きなドライバーになっていきます。
次回ではその2つのドライバーがどう影響して通販という業態が生まれていったのか、小売業の歴史の現代までをお話していきますね。
第一回のまとめ
1.小売業の原則は・・・
- 道を歩く人の中から呼び止める人を見極める(ターゲッティング)
- 注目してもらい足を止めてもらう。(注意)
- その商品の必要性に興味を持ってもらう。(関心)
- その商品を買う理由を納得してもらう。(欲求・記憶)
- その商品を負荷なく今すぐ買ってもらう。(行動)
2.小売業の業態変化のドライバーは2つのキーワード
- 女性のライフスタイルの変化
- メディアの変化