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現代の通販広告に蘇る、“ピアノコピー”と“ツァイガルニック効果”

1920年代の米国で、驚異的な反響のため伝説になった「ピアノコピー」。
このピアノコピーは、現代の通販広告にも応用されていました。
新聞にくり返し出稿されている化粧品広告の事例に、「ツァイガルニック効果」と呼ばれる心理学の知見を加えて、ピアノコピーが読み手の心を惹き付ける原理を解説します。

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
解説資料はこちら
 
 

ある“体臭用せっけん”の新聞広告に、思わずドキリとしてしまいました

 

新聞やフリーペーパーに何回も出稿されている広告を、弊社では収集・分析しています。
と以前に書きましたが、そのなかに、思わず惹きつけられてしまったコピーがあったので、紹介させていただきます。

 

<ヘッドコピー>
私が父に、あんな気持ちになるなんて初めてでした。

 

<サブコピー>
父と娘の間で起きた“この話”に秘密が…

 

 

ある男性向けの体臭防止用石けんの新聞全面広告から引用させてもらいました。
ターゲットであろうお父さん世代の方なら、思わずドキリとしてしまいそうですね。

 

リード文を読み進めると、これもまた面白いのです。

 

「この商品が○万個も売れている」という実績を紹介した後に、その理由として、「ある父と娘の間で起きた話が話題になっている」という前フリ。
続くのは・・・

 

 

実態を調査すべく、本社のある○○に向かい、そのある話の体験者(女性社員)に話を聞くと…。
『そんな事が!』と驚いてしまうような話を教えてくれた

 

本文コピーに目をやると、初めの見出しが「すごい事、言っちゃった…私」ということで、やはり読みたくなってしまいました。。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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驚異的な反響で伝説になった、「ピアノコピー」とは?

 

↑を見て私が思い出したのは、「ピアノコピー」です。

 

これは、1920年代の米国で活躍した驚異的に反響が良かったということで伝説になっているキャッチコピーです。
(参考:「ザ・コピーライティング」 ジョン・ケープルズ)

 

「私がピアノの前に座るとみんなが笑いました。
でも弾き始めると・・・!」

 

米国の音楽学校の通信講座の広告として、大成功したのみならず、新聞の風刺記事にもなるようなお決まりのセリフになったとのこと。

 

 

さらに驚きなのは、フランス語の通信講座の広告に、これと同じ型で中身だけ替えたコピーを採用したところ、これもやはり反応が良かったことです。

 

「私がウェイターにフランス語で話しかけられると、みんなニヤニヤして見ていました。
でも返事をすると、今度はあっけにとられたのです。」

 

 

このようなコピーが、普遍的に人をひきつける理由は…?

 

と考えていたときに知ったのが、「ツァイガルニック効果」と呼ばれる心理学の法則です。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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答えを“寸止め”されると記憶にこびりつく?「ツァイガルニック効果」の原理

 

「ツァイガルニック効果」とは、未完結な情報や途中で中断された情報は記憶に残りやすく、反対に完結している情報は忘れやすい、という理論のことです。

 

たとえば… 友人から話を切り出されて、「やっぱりやめた」と言われた時の「えっ、気になるから最後まで言ってよ」というモヤモヤ感。
テレビ番組で、「ここで犯人の顔が!」というときに、「続きはCMの後で」となると、ついつい気になって、その後も見続けてしまう…というようなこともあるかもしれません。

 

このように、「~~~とは?」という問いかけをして、その答えをわざと与えないままにしておくと、不快感が生まれます。

 

こうなると、そのゆがんだ状態を解消するため「疑問を解決したい」という欲求に駆られます
これが、広告の本文を読んでみよう行動を起こさせる感情エネルギーを生むわけです。

 

通販事業の現場で使われているKPIを新任担当者でも分かるようにまとめました。
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“続きが気になる”コピーは、通販広告の至るところに・・・

 

「ピアノコピー」の型に限らず、あえてすべての情報を見せずに“ちょい出し”や疑問提起によって、続きを読みたくなるように意図していると思われるコピーは、他にも見つかりました。

 

 

・ただの物忘れだと軽く考えていないだろうか?
(脳の栄養サプリメント)

 

・私、○○○○(名前)、44歳、パート主婦。夫と子供2人。
久々に会った友達も環境はほぼ同じ…なのに
なんで?見た目がこんなに違うの?
(美容シャンプー)

 

・誰も教えてくれないニオイを人知れず…
(口臭サプリメント)

 

 

商品について理解してもらうのも大事ですが、1人の人間が、一日に何千件もの広告メッセージに触れる現代では、まずは、「読んでもらわないと始まらない」

 

ということで、読む人の感情を揺さぶり、本文まで視線を向けてもらうのに、これらのコピーは成功しているのかもしれません。

 

私は次にコピーを書くときに応用してみたいと思います。
皆様もよろしければ、参考にしてみてください!
 
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