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”オウム返し”の意外な効果 −「ペーシング」を電話販売へ応用 −

「ペーシング」をご存知ですか?
相手のペースに合わせてコミュニケーションをとることで、相手からの親近感を築く手法です。
ある健康食品会社からかかってきた電話を録音して、スクリプトを解析したところ、このペーシングを電話での販売に応用している足跡が見つかりました。

アウトバウンドの通話記録を見返すと…

 

これまでの記事で何度か、アウトバウンドの調査についてご紹介してきました。

 

通販で商品を購入して、かかってきた電話を録音。

 

スクリプトを分析していたのですが、その通話記録を改めて聞き返していると、気づいたことがありました。

 

 

通常、トライアル購入者に対しての電話で多いのは、お得なキャンペーンのお知らせや、定期コースの案内など。

 

どうしても、商品や値段について、オペレーターからの説明がメインになります。

 

 

一方、↑に当てはまらないケースも。

 

話の流れを追っていくと、「商品」ではなく、「お客様」自身についての話題が多くなっているのです。

 

 

具体的に、どういうことかというと…

 

オペレーターがお客様に、肌や健康の悩みをヒアリングしています。
たとえば、以下の会話をご覧ください。

 

 

トライアル商品を購入して、かかってきた会話を再現

 

ある健康食品のトライアル商品を購入して、●日後にかかってきた電話の通話記録(抜粋)です。

 

 

○ オペレーター:
「お肌で何か気になってらっしゃるようなこと、おありですか?」

 

○ お客様:
「えーとですね、夕方になると化粧崩れが。」

 

○ オペレーター:
「左様でございますか、やはり気になりますよね。お化粧崩れはね。~~~」

 

 

オペレーターがお客様の肌悩みを聞き出して、それに合わせて話が展開されていきます。

 

お客様にとっては、「自分」が話の主役に。

 

そのため、商品の特徴や割引価格について、いきなり説明を聞かされるよりも、興味をもちやすいかもしれません。

 

このような会話が数分間続いた後に、定期コースのお勧めへと、自然な流れで購入への導線が引かれていきます。

 

 

お客様の“肌悩み”を聞き出すためには?

 

とはいっても…
悩みを聞きだすと、簡単に書いてしまいましたが。

 

お客様の立場から考えると、初めて話すオペレーターに自分の悩みを打ち明けるのは、心理的に抵抗があるもの。

 

 

信頼関係が作れていないと、悩みを聞きだして、そこから商品を薦めるというパターンに持ち込むのも難しいかもしれません。

 

 

では、どうやったら短い時間のなかで、お客様に親近感を感じてもらえるのでしょう?

 

 

いくつかの会話を注意して聞いていたときに気づいたことがありました。

 

お客様の話した内容の一部を、オペレーターもくり返して言葉にしてあげているのです。

 

 

たとえば先に紹介した会話では、「やはり気になりますよね。お化粧崩れは」ということで、お客様の話を確認しています。

 

 

相手の言葉を“くり返す”オペレーター

 

↓のアウトバウンド(化粧品)でも、お客様の出したキーワードを、オペレーターが自分の話に取り入れたうえで、話を進めています。

 

 

○ オペレーター:
「現在お肌について気になってらっしゃるところですとかこれから予防していかれたいところは、どのようなところでいらっしゃるんでしょうか?」

 

○ お客様:
「乾燥肌、毛穴の開き、Tゾーンのてかり、大人ニキビですね」

 

○ オペレーター:
「うーん、なるほどですね、かしこまりました。
では、たとえばその毛穴だったり、Tゾーンのテカリといったところですけど、」

 

 

このように相手の言葉をくり返すのは、実は“NLP”や“コーチング”といったコミュニケーションの専門領域では頻繁に使われるパターンです。

 

 

親近感を築くための“ペーシング”

 

相手と親近感を築くための方法論として、「ペーシング」というテクニックがあります。

 

ペーシングとは、一言でいうと「相手のペースに合わせる」こと。

 

たとえば、子どもと話をするときには、かがんであげて、目線の高さを同じにして話したほうが伝わりやすいのは、多くの方が実感されているでしょう。

 

同じように、格好やしぐさ、言葉使い、話すスピード、テンションなどを相手に合わせることによって、相手との親近感が生まれやすくなることが知られています。

 

 

この「ペーシング」の基本に、相手が言ったことをそのままくり返す、というものがあります。
この”オウム返し”。一見単純に聞こえますが、意外に効果があることが証明されているそうです。

 

 

“オウム返し”の意外な効果

 

あるレストランを舞台に、リック・ファン・バーレンによる研究のなかで、実験が行われました。

 

 

ウェイターが、お客様から注文を受けるとき、その言葉をまったく同じにくり返します。

 

言い換えも、うなずくのも、「はい」もなしで、ただその注文を一語一語くり返すだけです。

 

実験の前と比較すると、ウェイターに支払われるチップが、これだけで70%も増えたというのです。
(「影響力の武器 -実践編-」 N.J. ゴールドスタイン 他より)

 

 

通販とは状況が違うので、一概には言えませんが。。

 

もし、相手の言葉をくり返すだけで注文が増えるなら、試してみる価値もあるかもしれませんね。