単品リピート通販の事例から、

売れる仕組みのヒントをお届け

定期コース引き上げ、アップセルがうまくいく意外な“キラーワード”とは?

通販で定期顧客を増やすために有効なのが、「引き上げ」と呼ばれる手法。
単品購入を検討していたお客様に、広告やコールセンターで定期コースを薦めてアップセルします。
この引き上げにおいて、多くのお客様が「それなら定期コースにしよう」と態度を転換する、意外なキーワードがありました。

“一発”で定期コースに引き込むオファー

 

最近、健康食品の会社様からよくいただくご相談が、
「定期顧客を増やしたいから、広告から定期コースに誘導する仕掛けを入れられないか?」です。

 

定期顧客に至るまでに一般的なのは、サンプル/本品を一度買ってもらい、それからDMやアウトバウンドなどで定期コースに入るよう販促をかけていく、という流れです。

 

 

ところが以前の記事でも紹介したように、初回の通常購入をスキップして、一発で定期コースに入ってもらうのを狙う広告も見られます。

 

たとえば、あるアイケアの健康食品の広告。
価格に目をやると、「1,880円」が大きく飛び込んできます。

 

しかし、よく見ると通常価格は2480円。

 

1880円は定期購入を前提とした価格ですが、割引価格を前面に出して、定期のお得感を強調する狙いでしょう。

 

 

「約7割の方がこちらでご注文!」の意味は?

 

上の例のように、定期コースをメインに据えた広告を調べていくと、オファーの近辺に、あるメッセージが添えられているのが多いことに気づきます。

 

そのメッセージとは、お客様の多くが定期コースで注文しているという事実。
たとえば、↓の文言です。

 

・約7割の方がこちらでご注文!

 

・ほとんどの方が続けられますから定期購入が人気です

 

・8割以上の方が定期コースをお選びいただいています

 

 

「皆さまこちらでご注文され、初回からトクしちゃってます」
という吹き出しを、大きく表示された定期価格に付けて、定期コースのお得感を強調する事例もありました。

 

通常購入と定期コースで迷ったお客様にも、
「皆がこのコースで買っているなら、私もそうしようかしら」
という気持ちに傾きそう
ですね。

 

 

「皆さん、○○で買われてます」が魔法の言葉に

 

この「皆が買っている」は、インバウンドでのオペレータのトークにも、盛り込まれています。

 

商品注文の電話をかけると、媒体コードや住所等をひととおり答えまますが、その後で、
「今定期コースでお申し込みいただけますと~」の特典説明が続く場合もあります。

 

そこでオペレータが、たたみかけるように口にしていたのが、
「ほとんどのお客様が、こちらを選ばれています」や
「90%くらいの方が、定期購入ですね」といったフレーズ
でした。

 

 

他にも、「多くの方が『利用したほうがいいわね』と言われるんです」
「先ほどお話したお客様も、すぐに購入を決めらました」といった言葉が、「買う」という判断の後押しになることもあります。

 

 

米国のホテルで行われた、「社会的証明」実験

 

このときの気持ちは、社会心理学でいう「社会的証明」の原理にあたります。この本でもたびたび取り上げている、

 

「影響力の武器 -実践編-」(N・J・ゴールドスタイン 他)

 

という本に載っていた事例から紹介すると・・

 

 

ある米国にあるホテルでの話です。

 

多くのホテルには共通した悩みがありました。
それは、部屋に置いてあるタオル。

 

これをネコババして、自宅へ持って帰ってしまうお客様が多かったのです。

 

 

これを防止するため、多くのホテルでは部屋にメッセージ・カードを置いていました。

 

カードの要旨は、「タオルを再利用すれば環境保護に役立つ」という情報。
そのうえで、自然を大切にする気持ちを行動で示すよう、お願いしてあります。

 

 

タオルの再利用率を26%も上げた、あるメッセージ

 

ホテル業界では当たり前となっている、このメッセージを目にして、心理学者である著者が、ある仮説を立てました。

 

「『社会的証明』の原理を盛り込むことで、タオルの再利用率を上げられるのでは?」という説です。

 

 

そこで、新たにメッセージ・カードを作成しました。

 

それは、「大多数の客は滞在中に少なくとも一度はタオルを再利用している」という事実をそのまま伝えた、シンプルなメッセージでした。

 

 

この2種類のカードを、ホテルの客室にランダムに振り分けて設置しました。
(広告のA/Bテストと同じ原理ですね。)

 

・A:環境保護のメッセージ
・B:ほとんどの客がタオルを再利用(社会的証明)

 

 

すると、<B:社会的証明のカード>を置かれたお客様は、「A:環境保護メッセージ」を見せられた宿泊客と比べて、タオルの再利用率が、26%も高かったそうです!

 

 

社会的証明をさらに強力にした、ある一文とは?

 

この話を読み、「社会的証明って強力なんだなぁ」と改めて実感してしまった私。

 

なるほど、“体験談”にしても、“売上No.1”にしても、著名人からの“推薦”にしても、通販広告では至るとところに、
「みんなが良いと言っている」や「他の誰かが認めている」という情報が散りばめられていますね。

 

 

そんなことを思い浮かべながら本を読み進め、次章に差し掛かったときに、びっくりしたことが!

 

このBのカードに、ある一文を加えるだけで(C)、さらに協力してくれる宿泊客が増えて、Aの33%も高くなったというのです。

 

 

「社会的証明」をさらに強力にする、ある文言。

 

通販の広告やインバウンドなどでもヒントになるかも!
となかば興奮しながら本を閉じたところで、この原稿を一気に書いてしまいました。

 

続きは、後編「「皆さま○○しています」社会的証明を、さらに強力にする一言とは?」にてまた解説いたします。