単品リピート通販の事例から、

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なぜコンビニ後払い決済は、50代以上の女性に好んで使われるのか?

通販で「利用した決済手段の比率」の統計データによると、2番目に多いのが「コンビニ」。
50代以上の女性に限ると、利用者がより多くなります。
なぜコンビニ後払い決済が、中高年女性に支持されるのでしょうか?

「架空の住所で注文してくる顧客に困っている」

 

弊社では通販会社のご担当者が集まっての「勉強会」を開催しているのですが、そこで“決済”にまつわる課題を伺うことが増えています。

 

 

「大量に注文して代金を払わない顧客がいて、困っている」

 

「効果的な督促の事例、ご存知ですか?」

 

「申し込まれた住所がすべて架空で、大量に返品されてきた…」

 

 

等々。

 

「高齢者に代引きでお届けすると、注文したこと自体を忘れられていて、返品されてきたことが何度も…」
という笑えない話も聞きました。

 

 

この“決済”については、ずぶの素人だった私ですが、今回調べてみてわかったことを、共有させていただきます。

 

 

決済手段ごとの利用比率は、JADMAの統計に

 

まずは定量的なデータを!とJADMA(日本通信販売協会)から届いていた、調査資料をあたってみると…

 

見つかりました!「利用した決済手段の比率」は、

 

・代金引換:51.6%
・コンビニ:43.3%
・カード :42.3%
・郵便振替:28.9%
・銀行振込:14.9%
・その他 :1.0%

 

(出典:「通信販売ファクトブック2011」

 

 

「たしかに、ネットで買い物するときは代引きが多いし、クレジットカードが使えるなら、その方が便利だし…」

 

なんて、安直に考えてしまっていた私ですが、次のひとことに、ハッとさせられました。

 

「電話での注文では、カードで払うお客様、ほとんどいないんですよ」

 

 

中高年女性に限ると、利用比率は逆転!?

 

中高年女性に、アウトバウンドで健康食品・化粧品を販売している方に聞くと・・・

 

「コンビニ後払いが圧倒的に多いですね。それか、ご高齢になると郵便振替が増えてきます。」

 

この言葉と上述のデータの違いから、
「年代や性別、媒体によって、決済手段は違ってくるのか!?」
と調べると… やはりそうでした。

 

 

年代別・性別に表を見比べると、50代以上の女性では、コンビニなど後払いの比率が高くなります

 

29歳以下の女性では、コンビニが41.3%に対して、50代では54.5%、60代では51.3%にも。

 

ちなみに男性シニアでは、郵便振替の利用率が高く、70代男性では、46.4%にものぼるようです。

 

 

「コンビニ後払い」が支持される理由は?

 

本ブログの読者さまでは、中高年女性を主要顧客にされている方が多いと思いますが、彼女たちには「後払い」が強く支持されているようですね。

 

 

ではなぜ、後払いが支持されているのでしょう?

 

「今払わなくても、先に商品が届く」や「受取時に現金がなくても大丈夫」などがありますが、
忘れてはいけないのが、万が一、「商品が届かなかった」や「不良品だった」ときの安心感でしょう。

 

 

もちろん、大部分の通販会社がきちんと商品を届けています。

 

ところが、一部で不正や事故が起こると、それがニュースとして、大きく報道されてしまいます。

 

<例> グルーポンが「バードカフェ 謹製おせち」問題でお詫び

 

<例> カード情報220万人分流出も=ソニーのプレステ問題で

 

 

大衆の判断を左右するのは、ショッキングな情報

 

こうなると、お客様の頭には「通販は信用できないところも?」や「カード情報を入力するのは怖い…」がインプットされます。

 

そして困ってしまうのは、このようにショッキングな情報ほど、より判断に影響を及ぼしやすい、ということです。

 

 

極端な例ですが…
「原子力と火力、どちらのエネルギーが危険ですか?」

 

たとえば、こう質問されます。

 

すると、多くの人は「原子力」と答えるでしょう。
「原子力=危険」というニュースは、盛んに流れています。

 

ところが、純粋に統計を分析してみると、「同じエネルギーを生産するのに発生してしまう死者の数は、化石燃料の方が圧倒的に多い」という研究も発表されているくらいです。

 

(出典:「原子力で命を守りたい」 金融日記

 

 

「100%安全」の代償は?

 

「リスクや不確実性を前にすると、不安や苦悩などの強い感情が生まれてしまう。

 

そこでそのような否定的感情を排除しようと躍起になり、できるなら損をする確率をゼロにしてしまいたいと考える。」

 

(出典:「世界は感情で動く」マッテオ・モッテルリーニ)

 

 

このような人間心理は、逆に考えると、私たち販売側にも当てはまるのかもしれません。

 

「過剰な返品や受取拒否が多い」「何度督促してもダメ」
「大量の注文が、すべて同一人物からだった…」

 

このように「きちんと払ってくれなかった」お客様は強く印象に残るものです。

 

「悪質顧客」が出てくるのを防ぐため、もし決済手段を絞っているとしたら、その代償として、お客様を失っていることはないか…?

 

 

 

かくいう私も、頭では合理的に考えられても、いざとなると不安がかきたてられて、間違った判断をしてしまうことも…

 

感情に惑わされず、リスクとリターンを冷静に見積もって判断する。
これを心がけていこうと、文章を書きながら思いました。