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〝愛着〟をもって、買い続けてもらう ー”衝動買い”が”リピート購入”へと転換した、ある1つのきっかけ vol.3ー

これまでは、1〝 衝動〟(右脳)2〝 納得〟(左脳)の両方で、「欲しい」と思ってもらうまでの過程を見てきました。
では、このように「欲望」を刺激されて購入したお客様が、リピート購入してくれるのか?
当然ながら、その限りではありません。

1対1で約1時間行ったインタビュー

効果がないから、やめてしまいました

 

少し効果を感じにくいと購入をやめてしまったり、値段が高いと他の商品に乗り換えてしまったりするお客様が多いのも実感されているでしょう。
続いて紹介するのは、「1ヶ月飲んだだけじゃ分からないかなと続けてたんですけど…」と話したダイエットサプリ購入者のケースです。

 

<ケース4:岩間裕子さま>
(42歳/神奈川県横浜市/世帯年収 1,000~1,200万円)
5年くらい前かしら、▲▲茶のサプリメントを買ったんですね。
お客様の声が載っていて、「○㎏痩せました」って書いてあって、しかも肌にもいいと書いてあって。
「でもちょっと怪しいかな?どうなのかな」ってまあ半信半疑だったんですけど、試してみようと買ってみました。
初めての1回は半額になってて、最初に安く買えるんだったら、2,000円ぐらいまでなら試してみようかなって、私よくフリーペーパーを見ながら、サンプルを買うんです。
あと、プレゼントは目がないかもしれません。
(化粧品の)ポーチは、いくつあっても困らないし、同じのがきたら娘にあげたり。
定期コースで届くようになっていたんですけど、あまり効果がなくって。
1ヶ月飲んだだけじゃ分からないかなと続けてたんですけど
、結局やめました。

 

(質問:「使い続けるにつれて、会社に愛着を感じることはありましたか?」)
そのへんは冷めているかもしれません。
効果や使い心地で、「自分に合うかどうか?」
です。
体験談も、本当か捏造か分からないし、あまり気にしてません。
DMがきても見ないで捨ててますし。
意外ときちんとした会社でも、誇大広告みたいなのがありますからね。

 

 

効果がなくても、1年半定期コースの不思議

 

上記のお客様とは対照的に、「他の商品でも、この会社から買い続けます」というように、
企業への絶対的な「愛着」があるお客様がいる
のも事実です。
「実は迷いながら続けているんです」とアイケアの健康食品について話してくれたお客様の事例を解説します。

 

1対1で約1時間行ったインタビュー

 

<ケース5:池田幸子さま>
(57歳/千葉県流山市/世帯年収 700~800万円)
膝のサプリメントをずっと買っていて、その会社からダイレクトメールが届いたんですね。ちょうど目がぼんやりしてきたところだったし、この会社は信頼してたから、すぐに買いました。
でも、1年半続けてるんですけど、正直に言いますと、あまり効果はわからなくて…迷いながら続けています。

 

広告が届いたらすぐに商品を購入して、体感がなくても1年半続ける。
このお客様の企業への信頼には、絶大なものがあることがわかります。

 

彼女がここまで会社に信頼を寄せるようになったのは、どうしてでしょう?

 

「もう痛くなくなったから、飲むのをやめました」という、この会社から過去に購入していた膝のサプリメントへの実感が要因ですが、購入体験を掘り下げて聞いていくと、もう1つ大きな〝信頼のもと〟が隠れていました。

 

とにかくこちらの都合を考えてくれるんですね。
定期的に届くようにしているんですけど、余ったら伸ばせるし、3ヶ月でやめられるし。
飲み忘れるのが続いたとき、「しばらくストップしてください」って電話しても、嫌な感じがしなかったんですよ。
しかも、送られてくる2週間前に「○日に発送致しますけど大丈夫ですか?」「在庫がおありでしたら伸ばしますか?」「切れていらしたら早めにしますか?」という連絡もいただけて。

 

この会社について、とても楽しそうに語る彼女。
さらに「ここまでファンになった決め手はなんですか?」という質問を思い切ってしてみたところ、教えてくれたエピソードです。

 

この会社、九州にあるんですけど、地震(東日本大震災)の後、半月くらいたった後ですかね。
わざわざ電話してくれたんですよ。
「お住まいのあたりはだいぶ揺れたかと思いまして。大丈夫でしたか?」って売り込みじゃなく心配してくれて。この会社の人が信頼できるんですね。
商品と一緒に送られてくる冊子には、社長のコラムもあって、毎回楽しみにしています。
考え方がわかりやすいし。

 

他の通販会社について彼女に感想を伺うと、話してくれたのが、「昔は買っていたけど、やめてしまいました」というある化粧品について。

 

容器が故障していたから、電話をしたところ、オペレーターの方から「個人の感想ではないでしょうか?」と言われて、ガッカリしたということ。
電話での何気ない会話が、彼女のリピートの可否に影響していたことが分かります。

 

 

最後に:お客様の〝信頼〟を紡ぎ、〝愛着〟を育んだ出来事とは?

 

初めて商品を買ったから、お客様と企業には、たくさんのコミュニケーションが生まれます。
電話を受ける、商品が配送される、DMが届くといった何十回もの接点のなかで、お客様の心に強く響いて愛着を感じるきっかけとなったのは、具体的にどのような施策や行動でしょうか?

 

コールセンターの方の気遣いあふれる対応に感動したり、クレームを話したことに受け止めてもらったり、良いことも悪いことも包み隠さず話してくれることへの安心感だったり。
これらのコメントをまとめて分類してみる過程で浮かんだのが、「利他性」「参加感」「一貫性」といったキーワードです。

 

次回は、〝信頼〟を紡ぎ、〝愛情〟を育んだ具体的な現象を中心にレポートする予定です。

 

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