ある健康食品のお試し商品を通信販売で購入したところ、思いもよらぬプレゼントが同梱されていました。
詰め替えボトルを同梱した、マーケティング上の狙いは?
そのヒントを、米国の有名なダイレクトマーケッター、ジョセフ・シュガーマン氏の著書に見つけました。
トライアル購入時に同梱されていた、「詰替ボトル」の意味は?
健康食品の会社から届いたトライアル商品に、意外な付属品が同梱されていました。
錠剤のサプリメントを入れるためのプラスチックの箱です。
合わせて入っていたチラシをみると、以下の案内が。
「○○○をお買い求めいただきましたお客様へ、
現在プレゼントとして『詰替ボトル』をお送りしております。」
初回購入時の同梱物といえば、商品一覧が載ったカタログ、金券や割引チケット、商品への想いや開発の背景を伝えるリーフレットなどはよくありますが、詰替ボトルを見たのは初めて。
「なんでだろう?わざわざ費用をかけて詰替ボトルを送ることが、何の利益になるのだろう?」
と一人訝っていたのですが、ここで思い出したのが、アメリカの有名な通販会社が用いていた手法です。
「収集の本能」を利用した、模型の頒布会
「全米No.1のセールスライター」ジョセフ・シュガーマン氏の著作、「10倍売る人の文章術」に載っていた事例です。
彼がフランクリン・ミント社の出している飛行機の尾翼シリーズを注文したところ、初めに届いたのが美しい収納ボックスでした。
尾翼は1ヶ月に1回届き、そのたびに収納ボックスに一つずつセットしていきます。
彼はその商品に興味があったというよりは通販プログラムを調べようとしていたのですが、コレクションが増えていくのを一人眺め、またそれが完成したのを人に見せるのが楽しくなり、気づいたときにはかなりのお金を投じてしまったとのこと。
ここから彼が学んだのは、人間にある「収集の本能」を最大限に利用するためには、「コレクションを収めるちょっとした品物を初回発送時に無料提供する」ということです。
つまり、「空白があると埋めたくなる」という人間の習性を利用しようとしているのです。
ワインを売りたいなら、大きなワインセラーを売る
そういえば、こんな言葉も…
「(前略)ワインを売る代わりに大きなワインセラーを売る。
するとワインも売れるようになる。」
(出典:「仕事のヒント」 神田昌典)
ワインに興味がある顧客は、ワインセラーがあるとその隙間を埋めるために、ワインを買うようになる、というのです。
つまり、商品をいれる大きな「器」を用意するのが重要ということ。
冒頭の事例のサプリメントの場合、コレクションとは違うのですが、同じような効果があると考えられますね。
詰替ボトルがあると、足りなくなったことが重さでわかり、また注文しようという気持ちになるでしょう。
また、ボトルが目につく場所に置いてあると、飲んでいないと「飲まなければ」と忘れないようにしてくれます。
化粧品の場合でもポーチを無料であげる(広告オファーの意図も兼ねてでしょうが)会社もありました。
自社の商品を入れる「箱」が何かないか、考えてみると良いヒントが見つかるかもしれませんね。