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LINE Ads Platformの新プラットフォーム、「CPA最適化配信」フル活用のポイントと注意点

化粧品・健康食品通販でも、新規顧客獲得の中心を占めるケースも増えた、LINE Ads Platform(以後LAP)。

2018年8月に始まった「新プラットフォーム」への移行では、広告配信のアルゴリズムなどにも大きな変化がありました。

今回は新プラットフォームの主な特長と、広告主側が押さえておくべきポイントを解説します。

広告の配信ボリューム(露出)とCPAの推移イメージ

新プラットフォームの1番の特長は、「CPA最適化配信」の精度アップ

 
LAPの新プラットフォームの特長で、押さえるべきは「CPA最適化配信」です。
CPA最適化配信をいかに使いこなすかで、費用対効果が大きく変わってきます。
 
 

そもそもCPA最適化配信とは?

 
CPA最適化配信とは、「CVデータをベースに、広告の配信単価など入札を最適化する機
能」のことです。
 
これまで主流だったCPC配信は、「クリックしてくれるユーザー」を選び広告を流すように最適化されていました。
これに対してCPA最適化配信は、「CV(コンバージョン)してくれるユーザー」をアルゴリズムが抽出し広告を配信する仕組みです。
 
CPA最適化配信は、以前の旧LAPでもできましたが、今回の新LAPへの移行に伴い、最適化のポイントが変わりました。
旧LAPでは、広告クリエイティブの単位で最適化されていましたが、新LAPでは広告グループ単位に変更。
そのため、CVRをもとに広告の配信を調整する機能が格段にアップしました。
 

「CPA最適化配信」にかかわる、新旧LAP(LINE Ads Platform)の比較

「CPA最適化配信」にかかわる、新旧LAP(LINE Ads Platform)の比較


 
さらに、旧LAPでは他社の広告ネットワーク(Hike)を活用していました。
新LAPでは、LINE社の自社プラットフォームに移行し、取得データ量が大幅に増加しています。
 
その結果、コンピュータがアルゴリズムでデータを分析し学習する「機械学習(以後、学習)」が進みやすく、最適化機能の精度が大きく向上したのです。
 
 

学習が働きやすいアカウント設計が重要に

 
新LAPへの移行に伴い、運用方法も変わりました。
 
旧LAPで広告運用者の腕が問われたのは、入札調整でした。
CPCやCVR、CPAといった数値を細かくチェックしながら、目標CPA内に収めてCV件数を伸ばせるよう、配信単価など手動で調整していました。
 
一方、CPA最適化配信の精度が向上した新LAPでは、最適化についてはある程度プラットフォームに任せられます
運用者としてはプラットフォーム側が学習しやすいように、アカウントを設計することが重要な役割になりました。
 
 

クリエイティブテストの設計には要注意

 
ただし、クリエイティブテストの難易度が上がったことには注意が必要です。
 
入札が「広告単位」から「グループ単位」に変わったことで、1広告グループ内で複数のクリエイティブを走らせても、1~2本のクリエイティブに配信が偏るように。
 
そのため、複数のテストパターンを入れても、必ずしも均等には配信されません
「新しいテストをする際には、広告グループを新しく作る」など、クリエイティブテストの設計は変更が求められます。
 
 

CPAの一時的な高騰リスクも見越して、我慢できるか?

 
このようにプラス面の大きなCPA最適化配信ですが、移行から2~3ヶ月、実はCPA悪化に苦しむ企業も少なくはありませんでした。
 
 

学習データが十分に溜まるまでは、CPAが悪化する場合も

 
CPA最適化配信のマイナス面は、一定の学習期間が必要なことです。
 
自社の商品を購入してくれやすいユーザーは、どこにいるのか?
プラットフォームが学習するために必要なCV数が溜まるまでは、CPAの振れ幅が大きくなり、CPAが悪化しがちでした。
 
一方で、CPA最適化配信がうまく機能してくれないと、新プラットフォームの特性は活かせません。
そんななか目標CPA内でCV数を伸ばしたケースを振り返ると共通していたのは、CPAの悪化のリスクや振れ幅を一定期間許容していたことでした。
 
CPAが高騰したからといって、すぐには予算を抑えず静観。
短期的な悪化を織り込んだうえで、予算計画を立てていたのが功を奏しました。
 
 

いかに早くCV数を一定まで溜めて、最適化をかけられるか?

 
これまで80社以上のアカウントを運用した経験から、広告の配信ボリューム(露出)とCPAは、以下の曲線のような変化をたどるとわかってきました。
 

広告の配信ボリューム(露出)とCPAの推移イメージ

広告の配信ボリューム(露出)とCPAの推移イメージ


 

配信スタート時には広告露出が進んでもCVが付きづらく、CPAが目標値を大幅に上回ってしまうことも、残念ながら少なくありません。
露出が進んで一定数のCVが溜まると、学習が進みCPAは大きく下がります。
事実、CPA最適化配信を活用し、しっかりと対策に取り組んできた企業は、移行から2~3ヶ月後の2019年初めからCPAが改善しています。
 
では、どれくらいデータが溜まれば、プラットフォームが学習を完了するのでしょうか?
公式には発表されていませんが、CVが数十件程度あれば最適化の効果が出るといわれています。
 
したがって重要なのが、できるだけ早く最適化がかかるよう、CPAが正常化するまでの“離陸期間”を短くすることです。
たとえば、配信開始時には特定セグメント(年齢や性別など)に広く配信する「ブロード配信」ではなく、よりCVRを担保できる狭いセグメントで配信するなど、運用上のテクニックも工夫のしどころです。
 
 

最適化の“自動運転”だけで良い?それでも、CPC配信が必要な理由

 
前章の注意ポイントを踏まえたうえで、新LAPではCPA最適化配信をフル活用するべきです。
 
では、プラットフォーム側の最適化に任せれば大丈夫で、従来からの配信方法、たとえばCPC配信などは不要なのでしょうか?
 
私たちは、「CPC配信など手動の色彩が相対的に強い運用手法も、引き続き重要」と考えています。
 
 

行き過ぎた効率化が、“縮小均衡”を導かないために

 
CPA最適化配信が効果を挙げやすいのは、「効率化」の局面です。
 
広告からLPを経てCVに至る仕組みのうえで、“売れる訴求”や“刺さる顧客層”といった正解が見えている。
そういった条件のもとで購入しやすいユーザーに配信を広げ、購入しにくいユーザーには配信を絞っていけば、アルゴリズムの力で獲得効率は必然的にアップします。
ところが、クリエイティブの劣化や競合商品の露出の増加など、競争環境が変わっていくと、自動化は効力を発揮しにくくなる場合もあります。
効率が合わないセグメントには広告配信が絞られ、徐々に「縮小均衡」に陥ってしまいがちです。
 
 

0→1など、新たな成功パターンを探るため大事なのは?

 
そこで、長期間にわたって競争優位を維持するために重要なのは、“新しい鉱脈”を見つけることです。
 
CPC配信で反応を探っていき、脈がありそうなユーザーに配信を強めます。
クリエイティブや遷移先などの変数をテストしながら、新たな成功パターンを探っていきます。
 
拡大(1→10)や効率化の局面ではなく、立ち上げ(0→1)や別の成功パターンを作る時は、人による泥臭い仮説検証も必要になります。
すなわち、スマートなテクノロジー活用と、泥臭い人力のバランスが求められると私たちは考えています
 

CPA最適化配信とCPC配信の違い

CPA最適化配信とCPC配信の違い


 
新LAPでは、CPA最適化配信を軸に効果を最大限発揮できるアカウント設計が重要な一方、CPC配信による人力の運用にも、一定の工数をかけて運用していくのが望ましいでしょう。
 
両者の良いところを活かしたバランス感を持って、効率改善(CPAの低減)と成果最大化(CV数の継続的なアップ)を追求していきたいと思います。