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台湾で売れる価格設定とは?活躍している日本企業の事例から解説

台湾市場へと販路を拡大する企業が増えています。台湾で活躍している日本企業はどのような販売設計を行っているのでしょうか。台湾の消費者に受け入れられやすい価格設定など、弊社で支援しているD2C企業の実績から具体的にお伝えしていきます。

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台湾事業の始め方と新規獲得の方法についてわかりやすくまとめました。
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台湾での適正な販売価格

 
国外で商品を販売しようとするときは、その国の経済状況がどの程度にあるかは重要です。
たとえば3,000円の商品を販売したいと考えた時に、それがひと月の生活費を脅かすようではなかなか買ってもらえません。日本と近い感覚で商品を検討してもらえるだけの購買力があるかどうかは進出国を選定するうえで重要な要素です。
 
台湾の場合を見てみましょう。
 
 

台湾の物価

 
まずは台湾の物価が日本に比べ概ねどれくらいかをみていきましょう。
 
その国の豊かさや物価水準の指標としてよく使われる、一人当たりGDPで比較してみましょう。GDPは国内総生産ですので人口の多さに左右されます。そのためその国の平均的な豊かさを示す指標としてGDPを人口で割ったものが一人当たりGDPです。2021年の一人当たりGDPは、日本が39,339ドル(540万円)に対し、台湾は33,775ドル(約460万円)です。
 
物価水準については、品目によりバラつきがあるものの、全体としては日本よりやや安い物価感といえるでしょう。例えば牛乳は日本の2倍近い価格でも、タクシーなど交通系の料金はかなり安めとなっています。
※1ドル=136円で換算
 


 

台湾で売れる販売価格を設定する

 
台湾の物価は日本よりやや安めとお伝えしましたが、実際に売れる価格帯を実績からみてみましょう。
 
たとえば、台湾での化粧品の販売価格は1,100元(4,400円)未満とすることが不可欠です。その理由は、弊社で支援している複数の化粧品企業の実績から販売価格が1,100元(4,400円)を超えると、顕著にCVRが低下する傾向が確認できているからです。実際に1,200元を超える化粧品では、現時点で拡大の成功事例は残念ながら「0」件という結果になっています。
※1台湾ドル=4円で換算
 
もしも販売価格が合わないという場合には、サイズを小さくするなど販売価格から逆算した商品開発を視野に入れることが必要、というくらい販売価格によって売れる、売れないが左右されます。

販売価格とMRの相関グラフ

販売価格とMRの相関グラフ


こちらは複数の企業で商品1個当たりの販売価格とMRの相関関係を示したグラフです。商品の価格とMRが反比例していることと、販売価格が「1,100元」を超えるとMRが急激に悪化することがわかります。そのため、広告の費用対効果を高めるには、化粧品の場合の販売価格は「1,100元未満」になるように調整することが重要と考えています。
※MR:メディアレーション(Media Ration)の略。初回売上によって広告投資をどれだけ回収できたかを測定する指標
 
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成功D2C企業の3つの販売設計

 
台湾での適正価格を踏まえて、3つの販売方法と価格設計をみていきましょう。弊社ではこれまで35社・50以上の商品展開をご支援する中でさまざまなテストを繰り返してきました。成功している日系D2C企業の販売設計の特徴をお伝えします。
 
 

1.定期型

 
初回購入単価を安く設定して新規顧客を獲得し、2回目以降の定期購入へ促す販売設計です。初回が一番割引率が高く、2回目以降の割引率は低くなるのが特徴です。
 

定期型の販売価格設計例
商品カテゴリーオファー内容数量割引後の価格割引率
クレンジング
単価:1,100元
定期1回目:300元1300元73%
定期2回目:700元1700元36%
定期3回目:700元1700元36%

 
注意点として、台湾の消費者は「買えば買うほどお得になる」という感覚を持っています。そのため2回目以降の価格が高くなると、リピート購入がかなり少なくなるというケースもあります。2回目以降の価格が高くなる場合、商品LPの中でしっかり説明しましょう。またLP内に説明や注意書きが多すぎるとCVが下がる傾向が確認できていますので、バランスよく配置することが重要です。
 
 

2.まとめ売り

 
商品を単品で販売せず、3個セット・5個セットなどのまとめ売りのみをする販売方法です。セット販売のみのため平均の顧客単価は高くなります。
 

まとめ売り型の販売価格設計例
商品カテゴリーオファー内容数量割引後の価格割引率
ホワイトニング
単価:2,000元
まとめ売り3個+購入特典34,000元33%
まとめ売り5個+購入特典56,000元40%

 
台湾では周年慶をはじめとした多くのキャンペーンが展開され、消費者も「キャンペーンに合わせてお得にまとめて買う」という購買行動が習慣化されています。そのため、キャンペーンの際にまとめ売りを実施するケースが多く見られます。
 
ただ、台湾進出直後は既存顧客がほとんどいません。さらに商品が認知されていない状態の中、まとめ売りだけをオファーすると価格がハードルとなりCVの獲得ができず、CPOが高騰しますので注意が必要です。下の例ではまとめ売りに購入特典を付け、魅力付けを行っています。
 
 

3.複合型(定期+まとめ売り)

 
進出直後は定期をメインにし、顧客が一定以上になってから、まとめ売りも開始する販売方法です。
 

定期型の販売価格設計例
商品カテゴリーオファー内容数量割引後の価格割引率
クレンジング
単価:1,400元
定期+購入特典11,100元22%
まとめ売り 2個22,500元11%
まとめ売り 3個33,500元17%

 
進出直後の初期段階では、初回購入の価格ハードルを下げた定期型で新規顧客を多く獲得していきます。その後、既存顧客が増え、商品認知も広がったタイミングで、まとめ買いをおすすめするオファー設計をしていくのが複合型の販売設計です。
 

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台湾を足掛かりとしてアジアを展望

 
台湾でのEC事業のビジネスモデルが確立できたら、事業成長のためにさらに顧客獲得と販売チャネルを拡大して行くことが重要です。台湾は比較的小さな市場ですので、販売チャネルも自社ECだけでなくモールへの出店や、店舗への卸販売など複合的に展開することが成功には不可欠です。合わせて新規顧客の獲得チャネルを展開することで相乗的に売上を拡大させることができます。
 

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スタートアジアでは、台湾独自の価格設計、キャンペーンでの販売などD2C企業の成功モデルを作ってきました。台湾での成功を足掛かりに香港・シンガポール・マレーシアなど東南アジアを視野に入れた販売戦略の立案までサポートいたします。
 
台湾・東南アジアへの展開をご検討の際には、ぜひ気軽にお問い合わせください。
 
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