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DMの有効な活用法とは?事例をもとにわかりやすく解説

ダイレクトメール(DM)とレコードとガラケーには共通点があります。それは、かつて一世を風靡したものの「後輩」に次々追い越され、このまま「絶滅か」と思われながら生き長らえているところです。

そしてこの3つのもうひとつの共通点は、ときに最新の手法を凌駕する力を発揮することです。

DMはアナログ式マーケティングツールの代表格ですが、実はネット環境との相性も良く、まだまだコンバージョンを増やす力があるのです。

なぜDMは「廃れた」と思われているのか

 

DMが「廃れた」というイメージを持たれているのは、かつて大きな効果を発揮していた大量発送式のDMが衰退したからでしょう。

 

 

「同じ文章を大量に」は効果が薄い

 

パンフレットを大量に刷って郵送する従来型のDM方式は、効果が小さくなりました。大量発送式のDMを受け取った人は、「またか」と思って封も切らずにゴミ箱に捨ててしまいます。
しかしDMを活用して営業成績を上げているサラリーパーソンは存在します。そのような人たちは、DMのもつアナログ性を逆手にとっているのです。

 

 

「アナログだから」という理由で切り捨てないで

 

例えば最近は、企業が大量の情報を一度に発信しようとしても、PDFにしてサイトに掲載すればコストも労力もかかりません。顧客から企業に問い合わせの電話が入っても、そのPDFを掲載しているURLを案内すれば解決します。多くの顧客もそれで満足します。
しかし顧客の中には、「資料は紙で読みたい」という人もいます。そのような顧客を担当している営業パーソンが、わざわざ資料を印刷して顧客に郵送すれば喜ばれるでしょう。
これもDMの一種なのです。

 

 

デジタルをアナログ化して喜ばれることも

 

いまやプレゼンの場で、紙の資料を配布することはないでしょう。プレゼンターは壇上に立ちながらパワーポイントを操作して、商品やサービスの解説をします。

 

しかしプレゼンが終わって参加者から質問が出たときに、プレゼンターが「では、先ほど披露したパワーポイントの資料を印刷して、御社に郵送します」と言えば、質問者に感謝されるでしょう。
これもDMのひとつです。
パワーポイントというデジタル化された手法を、あえてDMというアナログに「落とす」ことで効果を上げることもできるのです。

 

 

コンバージョンを細かく設定しよう

 

大量発送式のDMが廃れたのは、コンバージョンの設定が明確でなかったことも一因といえます。商品やサービスの提供方法がこれだけ複雑化すると、消費者の行動もそれにつられて複雑になってきます。
消費者を購買にまでたどり着かせるには、コンバージョンを細かく設定していく必要があります。

 

 

目的は1つに絞る

 

DMを作成するときは、「面談のアポを取る」「展示会の参加者を増やす」「登録者を獲得する」「モニター参加者を募る」といったようにコンバージョンを細かく設定し、そしてこれが重要なのですが、DMの目的を1つに絞ってください。

 

例えば1枚のDMの中で、「弊社の営業パーソンの話を聞きたいですか、それとも展示会への参加を希望しますか」といったような文面を書いてしまうと、「展示会には行きたかったけど、営業担当者につきまとわれるのは面倒だな」と思われてしまうでしょう。

 

DMは印刷代や切手代といったコストや封筒詰めなどの労力がかかるので、できれば色々な情報を盛り込みたくなります。
しかしDMを受け取った人は、封を開けて数秒で有用な情報があるかどうかを判断します。DMでは情報の詰め込みすぎに注意してください。

 

 

DM+電話が効果的

 

面談のアポ取りをしたい場合、DMとテレアポを組み合わせると効果的です。DMの一方向性という欠点と、テレアポのコミュニケーションの難しさを打ち消すことができるのです。

 

 

「まずDM→次に電話」というパターン

 

テレアポは、「テレアポ職人」と呼ばれる人が存在するくらい難易度が高い仕事です。そして、多くの人が嫌がる仕事でもあります。
いくら「断られることが当たり前」という気持ちでテレアポ業務に臨んでも、電話の向こうで猛烈に不快な態度を取られると、精神的なダメージを受けるからです。

 

そこで、まずはDMを郵送し、その後「先日、資料を郵送させていただいたのですがご覧いただけましたでしょうか」という電話をかける方法がおすすめです。
「捨ててしまった」と言われたら、DMを送ってしまったことを詫びて電話を切ることができます。
そして「ああ、なんか届いていたね」と言ってもらえたら、それをきっかけに会話することができます。テレアポが難しいのは、会話の糸口を見つからないからです。まったくの初対面の相手なので当然です。
しかしそこに「DMを送った」「とりあえず封は開いた」というアクションが加わることで、こちらと先方の間に「関係性」が生まれるのです。

 

 

文章を磨く「DMは言葉が命」

 

DMの効果を高めるには、文章を磨く必要があります。DMは言葉が命といっても過言ではありません。

 

 

見出しを意識する

 

先ほど「DMは開いて数秒で、捨てられるか読まれるかが決まる」と解説しました。文章はDMの運命を左右する重要な要素です。
DMづくりで参考になるのは、新聞社のサイトです。例えば日本経済新聞のサイトを開くと、上から順に次のような構成になっています。

 

1.日本経済新聞のロゴ
2.「経済・政治」「ビジネス」「マーケット」などのカテゴリー分け
3-1.最も大きなニュースの見出し(20文字程度)
3-2.そのニュースの前文(100字程度)
3-3.そのニュースの写真
4-1.2番目に大きなニュースの見出し(30字以内)
4-2.そのニュースの前文(60字程度)
4-3.そのニュースの写真
5、6、7…と続く

 

新聞社のサイトから学べることは、次のことです。

 

●最も大事なものを上に持っていく
●見出しを付ける
●要約を書く
●視線をとらえるアイキャッチを置く

 

DMの作成者が「最も大事なこと」と考えるものをDMの一番上に持ってくれば、「封を開けてからの数秒」のうちにDMの主旨を理解してもらえます。
また写真やイラストなどのアイキャッチを置くことで、「数秒」を延長させることができます。
そうやって相手の時間をもらうことができれば、見出しと要約によってこちらの目的を正確に伝えることができます。

 

DMに時候の挨拶は必要ありません。どうしても時候の挨拶を入れたいという方は、1行に収まるように文言を工夫したほうがよいでしょう。

 

 

DMはネットとの相性が良い

 

DMの文章を磨くと、今度はそれを、インターネットを使ったPRに役立てることができます。
DMはネットとの相性が良いのです。

 

 

DMがそのままLPになる

 

企業のサイト戦略では、ランディングページ(LP)が欠かせません。
LPとは、資料請求や注文を促すページのことで、閲覧者の個人情報を入力させたりします。
LPの出来不出来によって、企業の公式ホームページが「単なる名刺」に終わってしまうか、それとも「利益に直結するサイト戦略」に化けるかが決まります。

 

しかし、実際のLPは個人情報の登録を促すだけのものが多く、最初から資料請求を目的にしている人や、購入を決めている人が使うことはあっても、LPの内容で購入動機につなげることは至難の業です。

 

しかし、LPのコピーやPR文章、レイアウト、アイキャッチを工夫すれば、「LPの内容に納得して注文した」という人を増やすことができます。

 

そこで思い出してほしいのが、DMです。反応が良かったDMの内容は、そのままLPに使うことができます。
つまりDMの文章を磨けば、自然とLPの魅力も増すのです。

 

 

まとめ

 

証券会社の営業パーソンの中には、いまだに顧客に毛筆で書いたお礼の手紙を送る人がいます。株式の売買がこれだけネット化しているのに、いまだに手紙で顧客の心をつかむことができるのです。しかも富裕層ほど、こうしたアナログ戦略の効果が出やすいのです。
DM戦略には、大企業も中小企業もありません。大企業の営業パーソンがたまにDMを発行すれば、「いまどき珍しいな」という印象を与えることができます。中小企業がDMを送れば「頑張っている感」を演出できます。

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