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SCMは企業の成長エンジンになる 「効率化」と同時に「最適化」を目指そう

人手不足、モノが売れない時代、原料価格の高騰――次々と難題が日本企業を襲います。経営者や社員たちは、知恵を絞って製品やサービスを売っていかなければなりませんが、開発や営業を強化するのと同時に「無駄をなくす取り組み」も欠かせません。

そこで注目されているのが「SCM」です。SCMは、企業が行うすべての経済活動の効率化と最適化を目指す取り組みです。

SCMは企業を前進させるエンジンにもなるのです。

SCMとは【基礎編】

 

SCMはSupply chain management(サプライ・チェーン・マネジメント)の略です。「初めて聞いた」という方のために、まずはSCMの基礎知識について見てみましょう。

 

 

企業活動の上流から下流まですべてを管理する

 

SCMという用語は、アメリカのコンサルティング会社「ブーズ・アレン・ハミルトン」のK.R.オリバー氏らが1980年代に初めて用いたとされています。
SCMは「サプライチェーン」と「マネジメント」を分けて考えると理解しやすいでしょう。

 

サプライチェーンとは、企業が行うマーケティングや開発、部品や原材料の調達、生産管理、物流、販売などの一連の業務のことです。企業の1つひとつ業務は独立しているのではなく、鎖(チェーン)のようにつながっているので、この名称が付きました。
企業活動の「上流から下流までのすべて」がサプライチェーンです。

 

マネジメントとは管理という意味ですが、ここでは「すべての業務を管理して経営戦略に沿った企業活動に修正していく」という意味も加わります。
それでサプライチェーンとマネジメントを合体させたSCMは「供給連鎖管理」と呼ばれることもあります。

 

 

いまなぜSCMが重要なのか

 

このような解説を聞くと、次のような疑問がわくと思います。
「なぜいまさらSCMが注目されているのか。各事業部門の管理職がきちんと管理すれば、自然とSCMができあがるのではないか」

 

確かに各事業部には部長や課長といった管理職が仕事の流れを管理していますし、部署間の連携がスムーズに進んでいるかを管理する役員もいるはずです。

 

新規にSCMを企業に取り入れるということは、「既存の管理」と「SCMによる管理」が入り乱れることになり、「二重管理」によってかえって非効率になってしまうのではないか――そのように心配する方もいるでしょう。
もちろんそんなことはありません。SCMは現代の日本企業に欠かせない取り組みなのです。

 

 

IT化や合併で従来の「流れ」が複雑化しているから

 

一例として、製造業における「上流から下流まで」を見てみましょう。
メーカーではまず、リサーチまたはマーケティングを行い、消費者がなにを必要としているかを探ります。それが判明したら、製品開発に乗り出します。

 

試作品がうまく稼働すれば生産に入りますが、その前に部品と原材料を買い付けなければなりません。部品と原材料が工場に届いたら、機械を使って生産します。完成品を検査して合格すれば出荷します。出荷した製品は卸会社に運ばれ、そこからさらに販売店に移り、その製品を待ち望んでいた消費者に届きます。

 

メーカーはこの一連の流れを滞りなく進めていかなければなりません。しかも、サプライチェーンは自社だけにとどまらず、部品メーカー、原材料メーカー、運送会社、卸会社、販売会社といった他社も加わります。

 

メーカーは自社と他社の利害を調整しながら仕事の流れを組み立てていかなければならないのです。
昨今の業務のIT化やIoT化、クラウド化によって、自社と他社との「つながり方」が、かつてより複雑化しています。ITもクラウドも確かに仕事の効率を高めるのですが、これらを使いこなすにはそれなりのスキルが必要になるからです。
また、企業合併や企業買収によってある2社が合併すると、合併当初はすべての部署が2つ存在することになります。似た業務を行っている2つの部署の間の連携には、必ずロスが生じます。
このように企業には様々な「非効率の種」があり、この種を1つひとつ潰していくのがSCMなのです。

 

 

SCMは企業マインドでもある

 

SCMというと、「各部署の効率化」と「連携ロスの解消」と「在庫の最小化」が注目されがちですが、さらに重要なのは「最適化」です。
常に最良の状態を目指す企業マインドがないと、SCMは単なる削減運動になってしまいます。

 

 

トヨタのジャスト・イン・タイムもSCM

 

SCMは本来は、すべての企業が取り組むべき課題なのですが、中小企業では導入が遅れています。一方、大企業は積極的にSCMを導入していて、さらに進化させています。

 

 

4工程を1工程に減らして効率化

 

まだSCMという言葉すらなかった時代にSCMの考え方を実行していたのはトヨタ自動車です。
トヨタの工場が開発したジャスト・イン・タイム(JIT)方式は、工場で「いままさに生産する」というときに部品や原材料を調達する仕組みです。

 

それまでの工場は、部品や原材料を工場内の倉庫の中に保管しておき、必要なときに作業員が倉庫に取りに行っていました。この方法では、①部品や原材料の発注、②在庫管理、③使用数の管理、④倉庫から工場への移動――と、4つもの工程が必要になります。
しかしJITは、トヨタの工場で部品や原材料がなくなりそうになったタイミングで、部品や原材料の業者が納品するので、①も②も④も必要ありません。まさにSCMです。

 

JITはトヨタの発明品といってもよく、世界中のモノづくり企業が真似ました。
しかし欠点もありました。

 

 

SCMはJITの欠点を補う

 

JIT方式は災害に弱いことが分かってきました。何しろ工場内に部品や原材料の在庫がないので、部品メーカーや原材料メーカーが震災などに見舞われると、災害が発生していない工場の生産がストップしてしまうのです。

 

そこでJITにもSCM化が必要になりました。トヨタは中国での生産において、部品や原材料の企業と協力し、それぞれの工場を密接して建設したのです。こうすることで、部品や原材料の搬送スピードが増しますし、仮にこの場所が災害に見舞われてもすべての会社が協力して復旧作業にあたることができます。

 

 

SCMには5つのメリットがある

 

SCMの導入には5つのメリットがあります。

 

 

メリットその1.リードタイムを短縮できる

 

「ユニクロ」の店内を思い出してみてください。ほとんどの製品はXSからXLまで、ときには4XLまでサイズがそろっています。これだけ陳列しておけば、その製品を買いに来た客は必ず買うことができます。
作業に着手してからその作業が終了するまでの時間のことをリードタイムといいます。企業の効率化とは、リードタイムを短縮することでもあります。

 

ユニクロの陳列方式ですと、店員が開店前に十分な量の商品を棚に並べておけば、客から「このデザインのMサイズはありますか」と聞かれることはありません。
つまり「客に適切なサイズの製品を渡す」という作業のリードタイムは、短縮どころかゼロになります。ユニクロの製品陳列はSCMの考えに合致しているのです。

 

製品の陳列方法をSCMの視点で見直して、リードタイムの短縮化を図っているのは倉庫型巨大スーパーマーケット「コストコ」も同様です。コストコの商品の陳列は、ほぼトラックの荷台の中と同じです。トラックから運び出して、店の中に置いただけです。
このワイルド感が人気の秘密になっていますが、こうすることによって製品を保管するリードタイムも、製品を売り場にレイアウトするリードタイムも格段に短縮されます。

 

また、人気ステーキチェーン店「いきなりステーキ」のようにメニューを1品か数品に絞っている飲食店も、仕込みや調理器具の交換といったリードタイムをかなり短縮できるので収益を上げやすいといえます。

 

 

メリットその2.在庫量を減らすことができる

 

企業にとって「在庫問題」は、利益に直結する課題です。トヨタのJIT方式は、在庫を減らすことでコストと労力を減らす手段でもあるのです。企業はいつも在庫量に神経を尖らせています。
しかし最終製品をつくっているメーカーが原材料の在庫を減らすということは、原材料メーカーに少量ずつ何回も納入させることを意味します。
これでは原材料メーカーの輸送費が増えるのでコストが高くなり、そのコストが原材料の価格に上乗せされたら、結局は最終製品メーカーも損をしてしまいます。

 

つまり在庫量をただ減らすだけでは、総合的な効果は得られないのです。そこでSCMの視点を取り入れて「最適な在庫量」を割り出さなければなりません。

 

食品・飲料メーカーは、SCMの考えを取り入れて季節、天気予報などの情報を元に適正在庫量を割り出しています。さらに進んだ企業ですと、人工知能(AI)を使って、少なすぎず高すぎない適切な在庫量を算出しようとしています。

 

 

メリットその3.低コスト体質になれる

 

SCMは究極のコストカット術と見ることもできます。SCMの導入では、まずは現在の無理と無駄をあぶり出し、それをなくしていくことから始めます。

 

コストカッターの異名を取ったカルロス・ゴーン氏は、日産に入ってまず工場の統廃合を進めました。まさにサプライチェーンを大胆にマネジメントしたのです。
ゴーン氏が日産にやってきたのは1999年のことですが、似たことを約20年後にホンダが行っています。
ホンダは2017年10月に、埼玉県内の2つの完成車工場を1つに集約すると発表しました。ホンダの工場集約は単なる規模の縮小ではありません。電気自動車(EV)開発に力を入れるための「成長のための集約」なのです。

 

まさに「単なる削減ではなく、経営戦略に沿った最適化を」というSCMの考え方に合致した行動といえるでしょう。
SCMの導入に取り組む企業は、成長しながら自然と低コスト体質になるのです。

 

 

メリットその4.売上が伸びる

 

SCMで節約できた時間や労力やコストは、本来もっとコストや時間や労力をかけるべきところに回すことができます。
例えば、発注システムをIT化することでそれまで3人の事務員が行っていた作業を1人で行えるようになれば、残りの2人の事務員を営業支援に振り分けることができます。
営業支援が強化されれば、外勤の営業パーソンたちは営業に専念でき、受注につながり売上が伸びるというわけです。

 

 

メリットその5.経営が安定する

 

SCMは、直接経費も間接経費も減らすことができます。その結果、粗利が向上します。しかも営業が強化されて売上も伸びるので経営が安定します。

 

 

うちの会社にSCMを導入するには

 

SCMを導入して損することはないでしょう。得することしかありません。つまりすべての企業が「自社のSCM化」に取り組んだほうがよいのです。
では「うちの会社にもSCMを取り入れよう」と決まった場合、まず何から行ったらいいのでしょうか。
それは、サプライチェーンの見直しです。

 

 

すべての工程を見直す

 

サプライチェーンは、原材料の購入から製品の販売までのすべての工程のことでした。これを見直すということは、すべての現場で「本当にその工程は要るのか」と問い続けなければなりません。

 

 

PDCAを使ってまずは小さな計画の実現から

 

様々な部署から「要らない工程」が提示されても、いきなりすべてをやめることはできません。その工程がなくなることの影響を調査しなければなりません。

 

そこでSCMの導入作業では、計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルが欠かせません。一気にSCMを導入しようとすると、職場が混乱してしまうので、まずは小さく計画して確実に実行し、評価、改善へとつなげていきましょう。

 

 

まとめ

 

先ほど中小企業はSCMの導入が遅れていると述べました。中小企業の場合、企業の全工程を把握できている人と経営者が同一人物になることが多く、経営者は経営に注力しがちだからです。理想は、経営者と同じレベルで全体を把握できる人がいて、その人がSCMを運用することです。
SCMは短期で結果が出る取り組みではありません。また「これで終わり」というゴールもありません。しかしSCMの取り込みを日常業務に溶け込ませることで、確実に社員の意識が変わり、その企業は「儲け体質」になります。

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