ECサイトで商品をカートに入れながらも、最終的には購入を取りやめるお客様は、高い割合で存在します。
この“カゴ落ち”したユーザーの割合が、75%にものぼってしまっていたECサイトもありました。
このカゴ落ち改善のヒントは、意外なところから見つかりました。
米国の大統領選で寄付金集めのために活用されていたWebサイト。
その寄付申し込みフォームで行われた、A/Bテストの事例をレポートします。
カゴ落ち顧客へのSMS配信など、D2C企業の鉄板SMS施策のやり方や効果をまとめました。
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目次
健康食品企業でのアクセス解析で判明した、不都合な事実
ある健康食品企業でアクセス解析を行ったところ、嬉しくない事実を突きつけられました。
せっかくカートまで遷移したユーザーのうち、約75%が離脱。
流入元の媒体別にみると、既にニーズが顕在化しているリスティング広告では約65%にとどまったものの、“衝動買い”の多い純広告からは、離脱率が約85%にまで上っていました。
グループ会社 ワンスターでテクノロジー改善実績を多く持つ櫻井豪によると、この数字、広告を積極的に展開する企業では決して特殊ではありません。
商材や単価にもよりますが、カートでの離脱率は80%前後になることが実は多いのです。
このようにカートからの離脱(=“カゴ落ち”)を改善して、広告費の節減につなげてきた方法は、こちらの記事で解説しています。
ぜひ合わせてご覧いただければ嬉しいのですが、執筆者の櫻井との会話のなかで私が印象に残っているのが、ディスカッションしていたときに彼が教えてくれた、ある小さな工夫です。
カゴ落ち顧客へのSMS配信など、D2C企業の鉄板SMS施策のやり方や効果をまとめました。
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「面倒くさい」が原因の離脱を解決する、小さな工夫
スマホでは、入力項目が多いと面倒な感覚が先立ってしまい、PCよりさらに離脱率が高くなる傾向があるそうです。
一方、入力項目をすぐに減らせるかというと、オペレーションなどの事情もあり、簡単にはいきません。
そこでとった手は、フォームの入力数が“ぱっと見”で面倒でないと、見えるようにすること。
たとえば、住所に関連して表示されているのは、「郵便番号」だけです。
「番地」などそれ以降の入力欄は、ファーストビューでは隠しておき、ユーザーが郵便番号を入力すると、初めて表示されるような工夫もしているのです。
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1億9000万ドルの寄付金を集めた、ネット選挙の真実
この話を聞いて、私が思い出したのが、かの有名な米国大統領 バラク・オバマ氏。
(何を見当はずれのことを言っているんだ!?と思われた方、すみません。。続きをご覧ください。)
彼が2008年・12年と大統領戦に勝利した原動力になったのは、ネットを通じて一般市民から巨額の寄付金を集めたこと。
(2012年の選挙では、なんと1億9000万ドル!もの寄付金を追加で獲得とのこと)
そのために、Webサイト上でA/Bテストを繰り返したのです。
この時の選挙参謀が書いた本に、興味深い事例が紹介されています。
(参考)「部長、その勘はズレてます!」(ダン シロカー/ ピート クーメン、新潮社)
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たび重なるA/Bテストで、「これ以上は最適化できない・・」
2012年のアメリカ大統領選。
共和党の候補との戦いに勝利するため、できるだけ選挙資金を集めようと、著者たち選挙参謀スタッフは、知恵を絞っていました。
そのための鍵は、寄付申し込みページのコンバージョン率を上げること。
ところが、申込みフォームは、すでに何度もテストを実施され、高度に最適化されていました。
フォームの入力項目を減らすと、その分コンバージョン率が上がりやすいことは知られていますが、余計な項目は一切残っていません。
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ユーザビリティテストで裏付けられた、フォーム離脱の原因
なぜ余計な入力項目が、残っていなかったのか?
アメリカでは選挙活動に寄付する場合、住所や氏名など、特定の情報を報告することが連邦法で義務づけられています。
そのため、これ以上項目を削除するわけにはいかなかったのです。
ところが、ユーザビリティテストを実施したところ、寄付申込みフォームが長すぎるため、そこで離脱者が出ていることも明らかになりました。
そんなジレンマのなかで、彼らはどうやって問題を解決したのでしょうか?
スタッフが、一つのアイデアを思いつきました。
それは、申込みフォームを数回に分けて表示することでした。
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ジレンマを解決した、起死回生のアイデアとは?
すなわち、1画面では入力項目が多すぎてしまうので、一部の項目を、2画面目以降で入力してもらうようにしたのです。
申込みフォームを分割すれば、1つ目のフォーム画面は以前より短く見えるようになって、入力項目も一見少なく見えます。
さらに、分割したフォームを表示する順番にも気を配りました。
「最初に個人情報を入力してもらうより、寄付する金額を尋ねるのが、ユーザーの心理をもっとも汲みとっているのでは?」
そんな仮説のもと、表示する順番もテストしました。
やはり、まずは寄付する金額を入力してもらい、次に個人情報、続いて支払い方法、最後に職業や肩書を尋ねるのが最適、という結果が出ました。
このような手順を踏み、寄付申込みフオームを最適化したところ、「これ以上の最適化は無理だ」と思われていた元のフォームと比較して、コンバージョン率が5%もアップしたのです。
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メールアドレスの入力欄で、離脱率が異常に高かった理由
EFOツールを利用すると入力項目ごとの離脱率が分かります。
たとえばメールアドレスの入力欄が先頭にあったために、アドレス入力欄での離脱率が異常に高かった例もありました。
その場合は、入力しやすい「お名前」を入力欄の先頭に移動して、アドレス入力欄をページ下部に移動することで解決できます。
「急斜面ではなく、なだらか斜面を見せれば、より多くのユーザーが山の頂まで登ってくれるんだよ」
(↑の書籍に登場した、オバマ選挙のスタッフによる言葉)
フォームを入力しようとする“とっかかり”を、いかにスムーズに見せるか?
その小さな工夫が、コンバージョン率を左右する、意外にも大事な要因になるのかもしれません。
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