D2C企業で、この2,3年間で一気に普及した、チャットボット型のフォーム。チャットフォームを最適化するためのA/Bテストも進んできました。CVRあるいはアップセル/クロスセル率の改善につながった成功事例をご紹介します。

チャットボットの効果的な活用方法6選をまとめました。
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“アイコン”や“動画”のテストで、CVRが約1.4倍アップも
テスト1:オペレーターのアイコンをイラストに変更すると・・・
フォームに訪れたユーザーの第一印象を左右するのが、アイコンです。
よく見られるのは、コールセンターのオペレーターの写真のアイコンが「お客様のご住所をお聞かせください」と質問していく形式です。
一方で、「bot感が出てしまう」「作り物に感じてしまう」という感想も。
そこで、会社ロゴとイラストを含めた3パターンでA/Bテストを行ったところ、イラストを使用したアイコンのCVRが、約1.1倍にアップしました。
イラストはデフォルメされているため、リアルな画像に比べると「好き嫌いが分かれにくい」「余計な主観が入りにくい」といったことが考えられます。
テスト2:信頼度アップのために、チャットフォーム上に動画を挿入
続いて行った「チャットフォーム上に動画を入れる」というテストでも良い結果が出ています。
お客様がLPからフォームに遷移した時点では、購入を迷っていたり、信頼できる会社かどうか不安に感じていることも少なくありません。
実際の店舗では、入店とともに「いらっしゃいませ」と店員さんが挨拶して顔も見えるため、そういった不安を抱くことは少なくなります。
そこで、チャット上でもお客様を迎え入れるような見え方にすることでリアルでの販売を一定まで再現することができるのではないかと考えました。
わずかな迷いや漠然とした不安がきっかけで離脱しないよう、オペレーターが「はじめまして」と挨拶する動画を挿入したところ、CVRの大幅な改善が見られました。

チャット起動時に動画を挿入した場合
最初にオペレーターの写真を表示した後に、「ご注文手続きをサポートします。」「いらっしゃいませ。ご来店をお待ちしておりました。」など呼びかけます。
ユーザーの “親近感” や “信頼感” を醸成することで、CVRが1.4倍ほどに上がりました。
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購入内容確認時のアップセルやクロスセルでも、約2倍の効果
次に改善がみられたのは、チャットでのアップセル/クロスセルです。
よくあるのは、「無料サンプル」や「500円お試し」の申込み情報を入力した確認画面で、定期コースをご案内したり、別商品のクロスセルを展開する方法です。
この手法を、チャットに置き換えブラッシュアップすることで、購入単価を高める事例が出てきています。
今まで、「こちらを見た方限定!〇〇も購入すると30%OFFで4,980円」といきなりバナーを表示していましたが、クロスセル率はあまり上がりませんでした。
そこで、バナーを表示する前に「商品Aだけでは、お肌の保湿を長い時間保つことは難しいとご存知でしょうか?」と、クロスセルする商品につながる質問を追加。
「知っていた」という回答には「●●様もご存知の通り、ただ保湿するだけではなく潤いを保つことが大事です」と表示し、「知らなかった」と答えると、「そんなお客様のために保湿を長持ちさせる商品を用意しました」などのトークを追加しました。
その次に、割引価格のバナーを表示したところ、クロスセル率が1.4倍に上がりました。

チャットフォームを活用したクロスセル率アップの例
テストを重ねるなかで見えてきたのが、バナーとテキストは1つずつで、「スマホ1画面におさまる」くらいコンパクトにするのが反応が良い、ということです。
通常の入力フォームでアップセル/クロスセルを行う難点は、CVRを低下させてしまうこと。
情報を入力してあと少しで購入完了、という段階で「今だけのオトクなご案内です。
お申込前にご確認ください!」とLPのようなページで長々と売り込みをされると、注文の流れが妨げられてしまいます。
アップセル/クロスセルの効果はある一方で、一定数の離脱も発生します。
その点、チャットフォームは自然な流れで追加購入をおすすめすることができます。
確認画面に遷移することなく、チャット上で購入情報が表示されるため非常にスムーズです。
マクドナルドで「ご一緒にポテトもいかがですか?」の提案が効果を生むのと同様に、やり取りするなかで、さりげなく売り込みの質問を挟むのがポイントになります。
チャットを活用してこういった細かい見せ方にもこだわることで、クロスセル率は化粧品で約1.4倍になりました。
CVRが約1.5倍にアップすることとあわせると、クロスセルする顧客は2.1倍に増えます。
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クリエイティブテストで、自社ならではの成功パターンを
チャットフォームは、D2Cに取り組む企業の間でこの2,3年で急速に普及しました。
「月間広告費1,000万円以上」といった規模感のD2C企業だと、ほぼ導入している、もしくは一度導入を検討したことがある、といっても過言ではありません。
チャットフォームが流行り始めた2019年頃は、導入しただけで「CVRがアップ」「CVが出やすいから、アフィリエイトでも取り扱ってもらいやすくなる」といったこともありました。
しかし、導入企業が増えた今、それだけでは競争優位にはつながらなくなっています。
そこで大切になるのが、LPや広告と同様に、“クリエイティブ”を改善すること。
テキスト(例:質問の仕方)やバナー(例:割引オファー)など、1つずつテストをしながら自社に合ったチャットフォームへと最適化していく必要があります。
onestarの提供する「retailor(リテラ)」では、広告クリエイティブやLPの改善経験があるスタッフが担当者として付き、A/Bテストを含めたフォーム改善を企画提案・実行していきます。
ツールを提供した後の改善をお客様に一任するのではなく、広告代理店としてCPA改善に向き合ってきた経験を活かしてサポートします。

retailor(リテラ)の機能一覧
フォームだけではなく、LPやクッションページ(アンケートLPなど)にもチャットを導入することで、成果をあげる事例も出てきました。
今回は確認画面を取り上げましたが、購入完了画面での「サンクスアップセル」やLINEお友だち登録を促す場面でも、登録率アップのためチャットを活用していけないか?というプロジェクトも進行中です。
チャットによる接客・販売には、大きな可能性が広がっています。
その企業ならではの特性を活かして、チャットでの勝ちパターンを実現するお手伝いをしていきたいと考えています。
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