お試し商品から定期購入などへの「引き上げ」で、多くの企業が取り組んでいるステップメールですが、「効果が落ちてきた」と相談をいただく機会も増えてきました。
そんな時に見直したいのが、メールを配信するタイミングと回数の設計です。
化粧品や健康食品など単品リピート通販で、最近有効なシナリオの作り方を紹介します。
売れる記事型広告の作り方を4つのステップに分けて解説しました。
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目次
改善事例:「お試し10日分」なら、申込10日後までに約4通のメールを
お試し客へのステップメールというと、「お試し10日間」の商品なら、5日おきにメールを送るパターンがよく見られます。
注文完了メール、発送完了メールと続いて、4〜5日後から5日間おきにメールを配信する、という流れです。
ところが最近、複数の企業でテストして効果があったのは、配信日をシンプルに前倒しするという施策。
「お試し10日分」の商品なら、申込から10日後までに1〜2通のメールを送っていたのを、同期間で4通に前倒ししました。
お試し期間終了後には、5日おきに送っていたキャンペーンメールを、内容を調整しながら2日おきへとサイクルを縮めました。
このように配信タイミングを早めるだけで、クリエイティブを変更しないにも関わらず、ステップメールからの引き上げ率が約1.6〜1.8倍にアップする事例も出ました。
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スマホの普及にともない、購入の検討サイクルが短くなった?
これらの変化の背景にあると考えているのは、消費者の購買サイクルの変化です。
「スマホで買い物する」という行動が一般的になったのにともない、消費者の興味の移ろいがますます激しくなってきた、と言われます。
さまざまな商品の「お試し」を、次から次へと購入している顧客もいらっしゃいますね。
お試しを申し込んでから、「本品や定期コースを注文するか?」を判断するまでの検討期間が、今まで以上に短くなっている感覚を抱いています。
このようなトレンドを反映してから、ステップメールの配信タイミングを早める施策を導入する単品リピート通販企業が増えています。
(極端な事例では、1回1回のメールの分量を短く読みやすくするといった工夫で、「60日間で50通」などメールの頻度を高める施策をとっている成功事例もあるくらいです。)
もちろんメールを短期間に頻繁に送りすぎると、「メール配信拒否」の登録をするお試し客の比率も高まる傾向が一般的です。
ただし、単にキャンペーンだけを打つのではなく、お試しを購入したユーザーに対してメールを配信している理由をきちんと伝えてあげるなどの工夫によって、配信拒否の比率が大きく高まることはありませんでした。
クレームやブランド毀損などのリスクを心配する方もいらっしゃいますが、それらを差し引いてもタイミングを早める企業が多いのは、それだけ数値の改善効果があるからと捉えています。
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お試し客向けステップメール、“勝ちパターン”の作り方
私たちがオンラインでの引き上げを企画する時、2つのフェーズに分けてメールを設計します。
商品の使用期間までの「啓蒙期」(=10日間サンプルなら10日後まで)と、それ以降のキャンペーン期(=8〜30日後くらいまで)です。
「啓蒙期」と「キャンペーン期」、2つのフェーズで設計
啓蒙期では、たとえば「お試し10日間」の商品なら、注文から0日後に注文完了メール、1日後に発送完了メールを送ります。
そのうえで、注文から3日後に使い方、5日後に素材・成分を伝えるメールを送る、という流れです。
この段階では、商品の良さを伝え使用を促進するのに注力します。
そのうえで、11〜30日後くらいまでの「キャンペーン期」に定期購入を促すメールを3〜5通送っていきます。
この「啓蒙期」のメールを充実させることで、キャンペーン期の引き上げ率が約2倍にアップした事例もありました。
また、発送完了メールに定期引き上げ用LPのURLをシンプルに載せただけで、そこから1%近く、なかには数%も引き上がった事例もあったくらいです。
購入直後のコミュニケーションが、引き上げに与える影響の大きさを、ご理解いただけたと思います。
商材や顧客層によって、最適なタイミングと回数は異なる
もちろん、引き上げの最適なタイミングは、商材や顧客層によって異なります。
一概に「タイミングを早めればよい」という訳ではありません。
たとえば男性より女性の方が、検討期間が短く即決しやすい印象があります。
またサプリメントでは、形状による違いもあります。
ドリンクタイプは箱がかさばり、冷蔵庫に入れられることが多いため、すぐに飲んでもらいやすいのですが、粒タイプはなかなか口に入れてもらいにくい、といった傾向も考慮した方がよいでしょう。
顧客層の年齢や性別、悩みの深さ、商材の成分や形状などによって、最適解はそれぞれです。
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“メール離れ”でも、ステップメールの効果は高められる
消費者が「メールを見なくなった」と言われる傾向を、よく耳にしますね。
「メール離れ」、さらには「メールは死んだ」とまで言われることも。
たしかにステップメールの効果は、数年前までと比べるとだんだんと低下しています。
複数の単品リピート通販企業でCRMをお手伝いするなかでの、共通した傾向です。
メール以外の手段というと、思い浮かびやすいのがLINEです。
ビジネスコネクトやLINE@などの活用をトライしたこともありましたが、顧客IDとの紐付けやMAツールとの接続などの問題も。
引き続き取り組んでいくべきチャネルではありますが、現状ではアカウント料金や開発工数と合わせて考えると、ステップメールの用途でLINEを代用して、費用対効果が十分に合うケースはまだ限定的という感覚を抱いています。
LINEやSMS、チャットやメッセンジャーなどのツールが、ほとんどの単品リピート通販企業にとって実用段階にはない今、まだメールがオンラインでのCRMの主役であることは事実です。
私たちがステップメールで何度もテストを繰り返すなかで、十分に改善の余地があることがわかってきました。
「いつ、どんなメールを、何回送るか?」そのなかでも特にタイミングは、変更すれば大きなインパクトがありました。
オフラインのDMやアウトバウンドも含めて、引き上げにはさまざまな手段があるなか、ステップメールはテストによる検証サイクルも回しやすい手法です。
「お試し5日分だから、メールは5日おき」といったように、もし配信サイクルを“なんとなく”で決めていたなら、ぜひ改善にトライしてみてください。
あなたの会社・商材ごとに適切なタイミングを、ぜひ見つけていただければと思います。
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